*All archives* |  *Admin*

2010/02
<<01  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28  03>>
『禁断のエバ』
〔英/米〕DREAMING OF JOSEPH LEES (1999年)
監督:エリック・スタイルズ
脚本:キャサリン・リンストラム
サマンサ・モートン/ルパート・グレイヴス/リー・ロス/ミリアム・マーゴリーズ/ホリー・エアード

エバは幼い頃から従兄のジョセフ・リースを愛していた。しかしそれぞれ成長してからは疎遠になり、ジョセフが仕事先の発掘現場で事故に遭って片足を失くしてからは消息すら掴めなくなった。ジョセフを諦められないエバだったが、親友マリアの兄ハリーに求愛され、次第にその愛を受け入れていく。ハリーと同棲を始めて暫くして、親戚の結婚式でジョセフと再会を果たしたエバ。美しく成長したエバにジョセフも好意を示すのだが、ハリーという存在が2人の間に影を落としていく。

ずっと観たかったので、テレビでやっていてラッキー♪さて?なぜ観たかったのかは・・・忘れてしまった。おそらく、S・モートンが大好きだった頃の記憶か、R・グレイヴスの勇姿よもう一度!という思いからだったと推測する。
そうねぇ・・・?まずこの邦題はいかがなものか?なにやら作品の本質を歪めているように思う。従兄を愛したから禁断なのか、不倫が禁断なのか?イギリスが舞台で設定もそれほど古くは無く、いずれも『禁断』と銘打つほどの要素ではなく、そこから連想されるいかがわしさは微塵も無いのであしからず。
深い雲に覆われた薄ら寒いイギリスの印象そのままの、なんともどんよりとした作品ではあるのだが、個人的好みとしては嫌いじゃない。どうしようも無く惹かれていくエバとジョセフ。その愛は許されるのか?というドラマチックさは余り上手く醸されてはいないが、もったいぶったS・モートンの演技がその演出の不得手を補って余りある。
R・グレイヴスはまた、もさっとした美男子ぶりがエバを惹きつけ続けたジョセフを好演に導き、エバを無制限に愛する困ったちゃんのハリーもなかなかの配役。
惜しむらくはラストの展開が、淡々とした作品の割に芸術に偏ろうとしすぎたかな?というところ。もう少しシンプルでも良かったかな?観客によって結末はそれぞれハッピー、アンハッピーと勝手に解釈が付けられそうだが、私としては当然ハッピーな結末を想像した。ハリーには、何とか自力で立ち直っていただきましょう!ということで(笑)。

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

『夏時間の庭』
〔仏〕L'HEURE D'ETE (2008年)
監督:オリヴィエ・アサイヤス
脚本:オリヴィエ・アサイヤス
ジュリエット・ビノシュ/シャルル・ベルリング/ジェレミー・レニエ/エディット・スコブ エレーヌ/ドミニク・レイモン/ヴァレリー・ボネトン/イザベル・サドヤン/カイル・イーストウッド/アリス・ドゥ・ランクサン

画家だった大叔父の作品を含め、多くの価値ある芸術品を納めた実家もろとも、自らが死んだ際には売却するように言い残した母。長男フレデリックはその意志に反発するが、海外で暮らす長女アドリエンヌと次男ジェレミーは様々な思惑から賛成の意思を示す。妹弟の意外な反応に戸惑いつつも、フレデリックは母の思い出を整理し始める。

正直期待は、ずばり!J・レニエ。あらすじを読んだ限りでは、良質な人間ドラマかなぁ?という淡い期待も併せつつ・・・。いささか淡々としすぎ、残念なことに訴えかけるものが余りなかった。
オルセー美術館全面協力という肩書きらしく、兄弟の暮らした家は普通では想像も付かない半美術館のようなところ。その財産管理や相続の問題となると、どうにも感情移入は難しいわけだ。その割には、残された兄弟の葛藤のようなものは薄く、加えて各々の言い分が至極最もで反発すら覚えない。
思い出を維持したいというフレデリックの気持ちは分かるが、海外に暮らしてその価値を重荷と思う他の妹弟の気持ちも良く分かる。しかもフレデリックもあっさり引き下がったもので、いわく遺産処分をメインに描いた感が残る。なんとも、実務的な印象だ。
こうした人間ドラマ特有の、キャラクターの心の機微といった繊細さが余り上手に描かれておらず、貴重な美術品にまつわる贅沢な表現も出来たろうが、そうした脚本の上手さも見受けられなかったのは残念。豪勢な美術品を使っていながら、人物とそうした備品が完全に乖離していたというかね。
冒頭の緑美しい庭園の展開は期待を抱かせたが、印象に残り、素晴らしかったと言えるのは、『J・レニエがすこぶる素敵だったわ!』ということぐらいかな(笑)。あとは、J・ビノシュがだんだん好きになってきたこと(笑)。

夏時間の庭 [DVD]夏時間の庭 [DVD]
(2009/11/28)
ジュリエット・ビノシュシャルル・ベルリング

商品詳細を見る


ぽすれん『夏時間の庭』紹介

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

『ヒットマンズ・レクイエム』
〔英/米〕IN BRUGES (2008年)
監督:マーティン・マクドナー
脚本:マーティン・マクドナー
コリン・ファレル/ブレンダン・グリーソン/レイフ・ファインズ/クレマンス・ポエジー/ジェレミー・レニエ/エリザベス・バーリントン/ジェリコ・イヴァネク/アンナ・マデリー/ジョーダン・プレンティス/テクラ・ルーテン

ヒットマンになったばかりのレイは、初めての仕事で罪の無い少年まで殺してしまうミスを犯した。ボスのハリーから、ほとぼりが冷めるまでベルギーのブルージュに行くように指示されたレイは、先輩のケンを付き添いに彼の地へやってきた。自らのミスを悔やみ続けるレイを励ますケンだったが、ハリーには別の考えがあり、のどかな慰安旅行の裏にはある企みが隠されていたのだった。

待ちに待ったり!待てば回路の日よりあり。映画会社も見捨てていなかった。そりゃそうですよね、なんと言っても、一応アカデミー賞にだってノミネートされた作品なんだから!・・・と、期待しすぎたかな?という気がしないでも(笑)。
アイリッシュ丸出しのC・ファレルとB・グリーソンの掛け合いは最高だった。コミカルさとサスペンスの絶妙な混合も好みだったし楽しめた。ある意味私には、こんな野暮ったいC・ファレルが見られるだけでもなにやらご褒美の香り。
なのだが、脚本がいささか弱かった・・・という気がしてしまう。ラストの展開は・・・微妙だったかなぁ・・・と思われた方も多いはず。男のけじめ、友情、そんな強さや熱さに感涙する以前に、『そりゃあり得んだろ!』と叫んだ方もおられるはず。B・グリーソンだからやり切れた、いや、B・グリーソンも大変だったろうなぁ・・・と。
レイの変化やケンの男気、ハリーの凶器ややくざ者ならではのけじめの問題など、ラストに一気に詰め込みすぎた感は否めない。否めないのだが!冒頭にあるようにアイリッシュ魂満載はじめ、R・ファインズの妙にとぼけたキレ系演技、J・レニエのワンポイントなどなど、個人的満足ポイントは無限大と言えるので、あくまでも『個人的』には二重丸なのである(笑)。

ぽすれん『ヒットマンズ・レクイエム』紹介

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

『アヴリルの恋』
〔仏〕AVRIL (2006年)
監督:ジェラール・ユスターシュ=マチュー
脚本:ジェラール・ユスターシュ=マチュー
ソフィー・カントン/ミュウ=ミュウ/ニコラ・デュヴォシェル/クレマン・シボニー/リショー・ヴァル/ジュヌヴィエーヴ・カジル/モニク・メリナン

生まれて直ぐに修道院に預けられたアヴリルは、外の世界を知らぬまま、修道女になるための最後の儀式に入ろうとしていた。それは、外界から遮断されたまま2週間を1人で過ごすこと。しかし儀式の初日、アヴリルを最も可愛がってくれているシスター・ベルナデットが意外な事実を伝えに来る。実はアヴリルには双子の兄がいたため、修道院も気付かぬ2週間の間に彼を探せというのだ。まだ見ぬ兄の存在を知ったアヴリルは密かに修道院を抜け出し、兄の情報を求めて外の世界へ飛び出して行く。

なかなか綺麗な話ではあったのだが、よくよく考えてみると、いささか・・・いやかなり都合良い展開ではある。修道院しか知らず、清く正しく美しく生きてきた少女が、ある意味『人間』として成長していく物語として、プロットを照らし合わせてあの強引さは必要だとは思うのだが・・・。
予想通りの展開を維持しつつ、物語はさながらアヴリルを反映したかのように美しく進行していく、、、が!?ラストの展開はどうなの?唐突だし妙に前衛アートっぽいし、もう少しベタなノリでも十分収拾が付いたのではないか?と思わずにいられない。
確かに、あの強引だがドラマチックな幕引きが無ければ、かなり平凡な作品だったと言われてしまいそうだし、少女の人生の『再生』という見方からすれば、上手い展開だったのかも知れない。個人的には淡々とした物語は好きなのだが、その鷹揚の無さに期待が少々削がれた印象だった。

アヴリルの恋 [DVD]アヴリルの恋 [DVD]
(2009/07/24)
ソフィー・カントンミュウ=ミュウ

商品詳細を見る


ぽすれん『アヴリルの恋』紹介

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

『みなさん、さようなら』
〔加/仏〕LES INVASIONS BARBARES (2003年)
監督:ドゥニ・アルカン
脚本:ドゥニ・アルカン
レミー・ジラール/ステファン・ルソー/マリ=ジョゼ・クローズ/マリナ・ハンズ/ドロテ・ベリマン/ルイーズ・ポルタル/ドミニク・ミシェル/イヴ・ジャック クロード/ピエール・キュルジ/ロイ・デュプイ/イザベル・ブレ

ロンドンで証券ディーラーとして働くセバスチャンは、母国カナダで暮らす父の容態が悪化したとの知らせを受けて帰国する。父レミは幾人も愛人を作って自由に生きた人、そんな父と反目するセバスチャンだったが、レミが末期癌と知って出来る限りの手を尽くそうとする。夫の女癖を諦めている母は、レミの友人を呼んで楽しませてやりたいと考え、セバスチャンは父の友人(元愛人含む)を呼び寄せた。

なんだか評判の良い作品らしいが・・・まったりしていて特別うったえかけるものも無かった。なんと言うか?物語が普通過ぎたかな。『アメリカ帝国の滅亡』という前作にあたる作品があるそうで、そちらも観ていたら、もしかして違った感想になったかも?
末期癌に侵されたレミの女癖はたいしたものなのだが、それを受け止める妻や元愛人達のあっけらかんとした様子がおかしいやら不思議やら。そういった展開も、前作を観ればもう少しスッキリしたのかも知れない。
そんな父親に対して、唯一まともな感情を抱いているように思えたセバスチャンも、『父の死』という悲壮な事実を前にアッサリ陥落。長年忌み嫌ってきた父親の為になにかれとなく尽くしていくのだが、そんな様も、淡々とした展開の中で当たり前のように切り替わっていく。良いのかそれで?何かしらもちっと葛藤とかないのか?と。
こういう展開ならこうあるべき、という予想を全く裏切らなかったから余計に面白味を感じなかったのか、全体が余りに淡々としていたので、キャラクターの感情とシンクロできなかったのか。唯一良いなと思ったのは、薬物依存症のナタリーの存在。演じる女優も良かったが、全体的に意外性の無い物語の中で、方向性のわからない面白味があった。

みなさん、さようなら [DVD]みなさん、さようなら [DVD]
(2004/10/22)
レミー・ジラールステファン・ルソー

商品詳細を見る


ぽすれん『みなさん、さようなら』紹介

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

『バーバー』
〔米〕THE MAN WHO WASN'T THERE (2001年)
監督:ジョエル・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
ビリー・ボブ・ソーントン/フランシス・マクドーマンド/ジェームズ・ガンドルフィーニ/アダム・アレクシ=モール/マイケル・バダルコ/キャサリン・ボロウィッツ/リチャード・ジェンキンス/スカーレット・ヨハンソン/ジョン・ポリト/トニー・シャルーブ

床屋の娘と結婚したエド・クレインは、毎日代わり映え無く他人の髪を整え、不自由ない暮らしを送っていた。妻はデパートの会計管理をしていたが、どうやら店のオーナーと不倫の関係にあるらしい。しかもエドは、その情報を利用してオーナーをゆすり、ばくち的な投資の資金にしようと試みるのだが、平凡な人生からの脱却を図ったエドの目論みは大きく外れていくのだった・・・。

まぁまず思うのだが、この監督(達)の作品って、妙にもったいぶった雰囲気のものが多い。個人的には何とか許容できる範囲、すみません偉そうで(笑)。本作は他の作品に比べるととっつき易い感じでもあったかな?ところどころ、それは雰囲気で押し切り過ぎでしょう?と思わせる展開や演出もあったのだが、概ね良好。
ただし!ラストは曖昧モコモコ過ぎるのでは?という気がした。この不条理感とか、シニカルさとかが面白いのかも知れないが、何も得るところが感じられない展開に収まったというかね。違う見方をすれば、落ち着くべき結末に収まり過ぎ・・・とも。ただし、似たような展開を繰り返し見せ、その違いを巧みに利用し、人間のコミカルさをリアルなサスペンスに摩り替えていく脚本はやはり上手いと思う。
それに、なんのかんの言っても、B・B・ソーントンが良い。エドのような飄々としていて未知数な世界観を持った、しかし地味な男をやらせると上手い、って、かなりコアな設定ですかね(笑)。F・マクドーマンドが意外に綺麗でびっくりしたな(笑)。
ちなみにこちら、劇場公開は『モノクロ』だが、DVDではカラー版もある。50年代の朴訥とした雰囲気や、展開の淡々とした様、全てがモノクロであってこそ!という絶妙なフィルムだったのだが、何となくカラーも観てみたい。カラー版があるのだから、何だかの仕掛けがあるのじゃないか?と邪推(笑)。

バーバー【廉価2500円版】 [DVD]バーバー【廉価2500円版】 [DVD]
(2007/03/02)
ビリー・ボブ・ソーントンスカーレット・ヨハンソン

商品詳細を見る


ぽすれん『バーバー 』紹介

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

『愛の饗宴』
チャールズ・バクスター著/田口 俊樹 訳/早川書房
不眠症に悩む作家チャールズ・バクスターは、犬を散歩中の知人ブラッドリーと深夜に出会う。そこで思いがけず新作の提案を貰ったチャールズは、ブラッドリーと3人の妻(恋人)たち、彼の店で働く若いカップルのクロエとオスカー、ブラッドリーの隣家に暮らす大学教授ハリーなどにインタビューして、様々な愛の物語を綴るのだった。

先に見た映画『ラブ・アペタイザー』の原作小説だ。評判がすこぶる良かったので借りてみた・・・が、個人的には映画の方が好みかも(笑)。というか、原作をこういう風に映画に当てはめて行くのか!という行程のようなものが、逆巻きながら見えた気分。
映画とは違い、明らかに登場人物が1人多い。そう、作家のチャールズ・バクスターだ。本作は、作家チャールズが各人にインタビューし、それをディティールを微妙に変えながら1つの作品にしたというスタンスなのだ。その実、全くの創作だそうだが。なぜゆえ?こんなにもまどろっこしいプロットにしたの?という疑問が最前にくる。
しかも、物語の深刻性、それゆえの盛り上がりや結末の感動は、映画の方が遥かに効果が高くなっている。細かいディティールは映画においても更に変更されているが、目に見える影響が重要な映画という舞台においては、かなり効果的な変更だったのではないかと思われる。
原作のほうは、既に文学の領域に昇華しており、大学教授の独白も、ブラッドリーの無理した高尚な意見も、より更に複雑に延々と語られる。それにしても、原作のブラッドリーは映画より更に酷かったな(笑)。恋愛の第一条件はまずは顔!という感じ。そりゃ失敗も重ねますよ。オスカーとクロエの恋愛は、映画の方が遥かに良かった・・・。個人的好みの問題だろうが、ようは私もかなりのロマンチストなのだと言うことで(笑)。
とりあえず本作は、作家の名声にともなってファンも多いようなので、映画を見ていなければどう思ったか?我ながら未知数ではあるが、少し残念な気もした。

愛の饗宴愛の饗宴
(2004/04/23)
チャールズ・バクスター

商品詳細を見る

テーマ : 海外小説・翻訳本
ジャンル : 小説・文学

『スターガール』
ジェリー・スピネッリ著/千葉 茂樹 訳/理論社
転校してきたばかりのスターガールは、かなり変わった女の子だった。服装も変わっていれば行動も変、ウクレレを抱えて食堂で歌ったり、みんなの机にプレゼントを置いたり。とにかく他の子供たちとは全然違うスターガールは、いつしか学校の人気者になっていた。そして、1人の男の子に恋をした。だけどみんなを愛するスターガールの行動が、悲しい結末を選んでしまうのだった。

読み終わって暫く咀嚼してみれば、なるほど、スターガールという型にはまろうとしない少女を通して、なかなか深い洞察に満ちた作品だったと思う。う〜ん、どうかな?好みかどうかと問われると、個人的にはもうちょっとストレートな物語の方が好きかも。
自宅学習をしていたスターガールが、突然公立の学校にやってくるという面白さはある。しかし意外にも、スターガールは普通の女の子。いわゆる『普通の』タイプも演じることが出来るので、逆に突飛な格好をしたりするのも演技に思えてしまうのだ。
博愛主義や差別、集団心理の曖昧さや極端さ。スターガールを通して、人間社会の縮図を見る思いだった。どれほど個人主義を尊重しようと、人は無意識にも他人を真似てしまう。確かにスターガールはそれをしなかったがゆえに、人気者であり嫌われ者になる。個人的には、ある程度の協調性は大切だと思うし、「差別」という感情があるがゆえに連帯感もあるのだと日本語教師の勉強をしていて学んだ。相反する事柄の表裏一体性、突き詰めてみれば妙に納得できるのである。
そんなわけで、いささかスターガールに不審の目線が無かったとは言えず、まずまず、無難に楽しめた部類だろうか。

スターガールスターガール
(2001/04)
ジェリー・スピネッリ

商品詳細を見る

テーマ : 海外小説・翻訳本
ジャンル : 小説・文学

『ある貴婦人の肖像』
〔米〕THE PORTRAIT OF A LADY (1996年)
監督:ジェーン・カンピオン
原作:ヘンリー・ジェームズ
脚本:ローラ・ジョーンズ
ニコール・キッドマン/ジョン・マルコヴィッチ/バーバラ・ハーシー/マーティン・ドノヴァン/シェリー・ウィンタース/リチャード・E・グラント/メアリー=ルイーズ・パーカー/シェリー・デュヴァル/クリスチャン・ベイル/ヴィゴ・モーテンセン

19世紀、富豪の伯父に招かれてアメリカからイギリスへ渡ったイザベル。美しい彼女は幾つもの求婚を受けるが、自分の可能性を信じる余りそれらを受け付けようとはしなかった。しかし勝気な彼女の言い分も、イタリアで出会ったアメリカ人のオズモンドによって崩されてしまう。親身になってイザベルを心配する従兄のラルフの心配を余所にオズモンドと結婚したイザベルだが、その愛は計算し尽くされたものだった。

なんとも、、、もったいぶった映画だこと。ヘンリー・ジェームズの作品は読んだ事はないのだが、時代を超えて生き続けるゴシップなら色々と・・・。そのせいか彼の作品は好みではないだろうと勝手に判断を下し、以来読もうと思った事はない。意外と、まともな作品を書いているのね(笑)。
予想通りと思うのは、思い上がった美しい女主人公の転落と、その裏に隠された陰謀の汚さである。貴族社会を揶揄しているようでもあり、妙にリアリティを保たせた描き出しである。人間、奇麗事ばかりではないないのだと、とことん陥れようとするかのような展開だ。しかし意外だったのは、それでも人間の良心や理想というものを、最終的に活かしていること。どっちなの?どう解釈させたいの!?という(笑)。
なんというかまぁ、個人的には、『ピアノ・レッスン』は途中で寝たなぁ・・・という思い出が基盤。J・カンピオンってまさに『女』。フェミニスト気取りのステレオタイプだと時々思う。伝わり辛いかも知れないが、『ボヴァリー夫人』的要素がプンプンする。
さておき、役者たちは良かった!それでもう大満足。まずはなんと言っても、V・モーテンセンでしょうね。え?そこかって??そうでしょ、そりゃやはり。余りにも素敵過ぎて、出演時間が短かったのが残念至極。次いではやはり、R・E・グラント。はぁ〜、若き日のお姿を見るチャンスも少ないが、こんな素敵な役も少ないんじゃない?C・ベイルが意外な登場でちょっと笑った。初心な感じで可愛かったけど。M=L・パーカーがちょっとビックリ!あんな・・・あんな・・・。
それにしてもやはり、女は美しければあれほど高慢で無知で横柄でも愛される、それこそ徹底的に愛される、だからこそ、この役柄はN・キッドマンにはピッタリ!現在でも全く老朽化は見られないが、10年前の美しい姿、これだけでも観る価値ありかも。

ある貴婦人の肖像 [DVD]ある貴婦人の肖像 [DVD]
(2001/01/24)
ニコール・キッドマンジョン・マルコビッチ

商品詳細を見る

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

『扉をたたく人』【ちょっぴりネタばれ】
〔米〕THE VISITOR (2007年)
監督:トム・マッカーシー
脚本:トム・マッカーシー
リチャード・ジェンキンス/ヒアム・アッバス/ハーズ・スレイマン/ダナイ・グリラ/マリアン・セルデス/マギー・ムーア/マイケル・カンプステイ/リチャード・カインド/アミール・アリソン

人生を無気力に生きる初老の大学教授ウォルターは、いやいや出席する会議のために戻った別宅のアパートで不法移民のカップルに出会う。騙されてそこに暮らしていたタレクとゼイナブは行く当ても無く、仕方なくウォルターは同居を認めてしまう。屈託が無く明るいタレクはウォルターを惹き付け、彼が大事にしている民族楽器ジャンベはウォルターの心を動かした。徐々に友情を築きつつあった矢先、思わぬ言いがかりからタレクは身柄を拘束されてしまうのだった。

『あの』R・ジェンキンスが主役ということもあってかなり期待していたのだが、個人的には微妙な結果となった本作。現実的に見れば、不法滞在、しかも9・11以降のアメリカでは当然という結果なのかも知れないが、音楽を知り、シャンベのリズムを覚え、心の中に一陣の風が吹き抜けたウォルターだけを見てしまうと、タレクやその母親モーナの末路に微妙な憤りを覚えてしまうのだ。
白人至上主義とまではいかないが、タリクを失った事によって受けたウォルターの心の傷や喪失感以上に、タリクやモーナを知ったウォルターの息を吹き返した人生の方が、遥かに充実していると思えてしまう。捻くれ過ぎかな?そうなのかな?少なくとも、怒りとも付かないシャンベの力強い演奏を、タリクが語った場所で黙々と演奏するウォルターの姿に、私は生まれ変わった男の希望が見えたのだ。
ともあれ、役者たちの共演は存分に楽しめた。R・ジェンキンスの確かな演技力。もちろん、これがあったからこその名脇役との評価だ。もう1つ、良い意味でオーラを消せるというのかな?主役を決して食わない秀逸な存在感があるのが良い。本作では無気力で、意図的にその他大勢に甘んじているウォルターを演じているので、その魅力が際限なく引き出されていたと言える。
もう1人挙げるとするならやはりタリク。良いね、つくづく良いね。無邪気でエネルギーがあって、セクシーで(って、これは関係ない?)。眼が良い、眼力がある人は役者でもなんでも好き(私の好みは関係ない?)。時折『おや?』と思うような微妙な演技もあったのだが、その辺は全部度外視。代わりに、確かな実績で安定感のあるモーナ役のH・アッバスが、全体をがっちり引き締めてくれたので問題無しとも言えるのだ。
本当に本当に静かな映画で、だから余計に色々な事が脳裏を巡る。目立った演出なども余り無いが、良かれ悪しかれ、現在世界が抱える様々な問題を観客に訴えかけてくれるだろう。

扉をたたく人 [DVD]扉をたたく人 [DVD]
(2009/11/20)
リチャード・ジェンキンスヒアム・アッバス

商品詳細を見る


ぽすれん『扉をたたく人』紹介

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

プロフィール

hiyo

  • Author:hiyo
  • たった二つの趣味、映画と読書を中心に、日記を書いてみたいと思います。
    最近、自分の時間を充実させたいな、と結構真剣に思っていたりして。文章を書くのも結構楽しいし、誰かが通りすがりに読んでくれたら、嬉しいかな、とか思っている。
名言・格言集
Now on-line
現在の閲覧者数:
Thanks for visiting
カレンダー
01 | 2010/02 | 03
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 - - - - - -
最近の記事
ブログ内検索
カテゴリー
googleで検索
最近のコメント
最近のトラックバック
リンク
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
Blog Ranking
ちょっと登録してみたよ?
RSSフィード
最近のイチオシ!
ここ最近でイチオシの作品です



おすすめ!Novel
現時点でお薦めの3作品を紹介しています。
おすすめ!Movie
現時点でお薦めの3作をご紹介しています。
amazon

Google
☆Let's Join!☆