* WanderLust *=memorandum for me=

読書はライフワーク、映画鑑賞は人生の潤い、旅行は趣味にしたいなぁ♪日記は日々の覚書き。

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『卑しい肉体』

2013/05/02 22:28 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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イーヴリン・ウォー 著/ 横山茂雄・佐々木徹 責任編集/新人物往来社
アダムはフランスで自伝を書き上げ、ようやく故郷イギリスへ戻ってきた。しかし税関で自著を取り上げられ、入るはずの原稿料どころか前金の返済まで迫られる。なんとか窮地を切り抜けたものの、はずみで婚約したニーナとはこの先危うい状態だ。夜な夜な遊び呆ける『陽気な若者たち』に交じって、人生をたゆたうように生きるアダムは、ゴシップ記事のコラムニストとなって若者たちの姿を追う。しかし時代は移り変わり、世界は新たな戦争へと踏み出して・・・。

イーヴリン・ウォーとくれば、そりゃ読む(笑)。本作の雰囲気は、『大転落』と『回想のブライズ・ヘッド』の中間ぐらいね。P・G・ウッドハウスを崇拝していたというウォーが、ウッドハウスの世界に独自の切り口で迫ったという雰囲気が無いでもない。国書刊行会のウッドハウスシリーズの中だったと思うが、E・ウォーが書いた『ウッドハウスもどき』を読んだことがあるが、悲しいかな出来の悪い模倣に終わっていたように感じたものだが、そもそもこの方、作風がウッドハウスとはだいぶ違うのだから仕方がない。逆にウッドハウスには、『回想のブライズ・ヘッド』のような作品は書けなかったろうと思われる
更にウォーを擁護するなら、彼の生きた時代にあると言えるだろう。陽気な貴族社会は鳴りを潜め、戦争につぐ世知辛い世の中がお出迎えした時代。かつての陽気さも現代の万遍ない裕福さも無い時代とあっては、ウッドハウスを気取るのも辛いだろう。
そんな微妙な次期を巧みに切り取ったと言える本作。貴族社会の栄華の残り香を必死に掻き集めようとする若者たちの陽気さには一抹のもの寂しさがつきまとい、話題とも言えないゴシップにうつつを抜かす世間の人々。気楽に世を渡っているように見える主人公アダムにしても、陽気さに成り立つ日和見主義とは一線を画し、どこか必死に気取らない様を演じているように見える。
古き良き時代と現代の、いわば谷間のような世代をすくい取ったような本作。後書きの解説によれば、ウォー自身も山あり谷ありを乗り越えつつ書き上げた作品のようなので、いささか支離滅裂に感じる全体の雰囲気も、さもありなんという感じ。その先に危険や怠惰が待ち受けていると分かっていながら、若いということが当たり前にやめられない人々の姿。この危うさは実際の出来事がどうであれという以前に、抽象的な部分でまさに『若さ』そして『青春』なんである。飄々とした独特の語り口といささか奇想天外な物語ではあるが、これもまさしく『青春小説』に他ならない。

卑しい肉体 (20世紀イギリス小説個性派セレクション)卑しい肉体 (20世紀イギリス小説個性派セレクション)
(2013/03/14)
イーヴリン・ウォー、大久保 譲 他

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『ヴァレンタインズ』

2013/05/02 22:20 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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オラフ・オラフソン 著/岩本 正恵 訳/EXLIBRIS
幸せなはずのカップルを襲った、休暇旅行の雪山での小さな事故、幸せな花嫁になるはずの娘と、アメリカ男性の婿を巡る親子の話、突然の別れを告げられた夫は、別れの理由として告げられた妻の事実を受け入れられないでいた。故郷アイスランドからアメリカへ渡り、幸せな結婚をしたはずの女性は、落ちていく夫から離れて一人パリへと旅立つ。1月から12月、恋人も夫婦も、愛する物たちは日々物語を紡いでいる。季節ごとに縁取られた12の愛の物語。

これって結構評判がよろしく、だからこそずっと読みたいと思っていた。タイトルと恋人達の話という紹介、様々な人が語る透明感があるなどという感想から、実に勝手に『温かい』物語を想像していた。結論としては、ああ・・そうきたのねと(笑)。私は至極単純なタイプだ。物事はそれぞれがもつステレオタイプな状態に収まっていて欲しいと時折思う。そして、私が思う恋愛のステレオタイプとは、やはり心が踊るような楽しいものなのだ。本短篇集に収められているもののほとんどが、アイスランドと聞いて思わず連想してしまうような、ピリリとした寒々しさがある。確かに、その寒さゆえに透き通った空気や、雪で覆われて輝く静謐な風景のように、語り口自体はとても美しいものがあると思う。ああ綺麗だなぁと、『読む』のではなく『眺める』ような感覚でな少々遠巻きに観察してしまう感じ。物語を1つ1つじっくり受け止めてしまったら、私的にはなんだか辛すぎる。人との付き合いは山あり谷ありが当然だけど、その谷の部分をそんなに掘り下げなくても・・・なんて(笑)。作品としては高い完成度だと思うが、個人的にはさらっと目を背けておきたい部分なものでして(笑)。

ヴァレンタインズ (エクス・リブリス)ヴァレンタインズ (エクス・リブリス)
(2011/04/06)
オラフ オラフソン

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『シティ』

2013/03/05 21:18 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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アレッサンドロ・バリッコ 著/草皆 伸子訳/白水社
天才少年グールドは少々浮世離れしたシャツイ・シェルという15歳年上の女性とひょんなことから出会う。グールドの友人は巨人ティーゼルと無口?なプーメラン。シャツィを家政婦として雇ったが、軍人の父親は遠く離れた基地にいる。彼の住まいは家と大学。シャツィの夢は『ウェスタン』。クロージングタウンを舞台とした最高に格好良いウェスタンだ。グールドはトイレでラジオの中継を真似、天性の才能を持ったボクサー・ラリーの顛末を物語る・・・。

いや〜、久々に面白くて、ページをめくる手を止められなかった。A ・バリッコと言えば、少々難解という思い込みがあったのだが、良く考えてみれば『海の上のピアニスト』は小説、映画共に甲乙つけ難い面白さだったし、『絹』に関してが映画のみだが、世界観は大変好みだった。
面白く無いはずは無かったんだよね。これほどの厚みの本をもう夢中で読みふけり、それでも終わってしまうのが惜しいと思った。憎らしい程の才能とそれだけにとどまらない完成度の高さ。
3つの物語が交錯するのだが、どれをとっても一級品の面白さがありながらそれが1冊にまとめられている。なんて贅沢・・・そしてなんて勿体無い!シャツィの語る『ウェスタン』は罪や運命を軸にしてまさに埃っぽい砂塵が舞い上がるような男臭さ。ラストの格好良さは胸がじんじん痺れるほどだ。
グールドが語るラリーの物語もまた格好良い、そして物悲しく刹那的。それぞれの物語をシャツィとグールドが語ることにも意味があるのだが、そこを切り離しても作品としての価値は高い。作中作品とは言い切れない質の高さなのだ。
そして中心となるシャツィとグールドの物語。これもまた・・・切なくておかしくて、ずっと続いて欲しかったのにあっけなく放り出されるようなラストでなんとももう・・・。
グールドが辿り着いた先は驚くような場所だけど、そこにこそ彼の心の平安があったのだろうね。少々殻にこもってしまった印象が無いではないが、何しろ賢い少年のこと、その賢さと心が溶け合った時、彼はきっとそこから旅立って行くのだろう。
イタリア人が描いたアメリカの物語だが、随所随所にヨーロッパが潜んでいる。アメリカを知らない私だが、思わずニヤリとさせられること度々。グールドが辿り着いた先もヨーロッパ的なのだけど、ここにそのペーソスを持ってくるか!と最後にニヤリ。
グールドが決別できなかった親友との絆に、切なさを感じつつなぜか暖かさを感じてしまった。ここにシャツィがいたら?完璧な4人組のはずだったのにそこから旅立った意味とは?う〜ん、面白く読めて最後まで考えさせられる、小説にあるべき完璧な形がここにあったのか!という感じだ、ありがとう!

シティシティ
(2002/01)
アレッサンドロ・バリッコ

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『手紙』

2013/02/14 21:26 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ミハイル・シーシキン 著/奈倉 有里 訳/ CREST BOOKS
若いワロージャとサーシャは恋人同士。ワロージャは1900年の中国の戦場へ赴き、サーシャは現代のロシアに残る。2人は手紙を交わし続け、それぞれの日常と想いを綴っていく。しかしなぜ?時を超えた2人の恋は褪せること無く、ワロージャは戦場で過酷の日々を生き、サーシャは様々な『人生』の問題に翻弄されていく。結婚や流産を乗り越えて成長するサーシャと、苛烈な戦場で濃密な瞬間を生きるワロージャ、お互いが再び出会うその日まで・・・。

なんで時代が違うんだ?一体いつ2人は一緒だったんだ?どうやって手紙は届いているんだ?という疑問は誰もが感じるだろう。そして、ほとんど全ての読者が、途中からそんなことはどうでも良くなっていくだろう。
若く無邪気な恋人だったワロージャとサーシャは、一方で戦場という過酷さによって急速に、一方では長い人生によって緩やかに成長していく。それでもお互いにかける想いは色褪せることなくとうとう最後には・・・ふふ、まぁ言わぬが花ですな。
とは言え、あのラストは?個人的には『人生のその先』なのではないかと思ってしまう。雪で生まれた娘、亡くなったはずの父親、何もやることのない穏やかな休日、幻想的な語り口に変わるワロージャの手紙・・・。ワロージャは戦争によって命を落としたと考えられるが、サーシャはなぜ?とは思うのだが、それでも2人がようやく出会うはず旅路には、どこか霞がかかったような幸福感が漂っている。
読んでいるこちらもいよいよか、とうとう会えるのね!と胸が高鳴る思い。一応、腐りかけでも女ですから(笑)
あとがきにも、主人公達の成長を描いているとある。当たり前に人生によって成長するサーシャと、戦場で成長するワロージャ。ロシアが隠したい戦争の話であるとも言っている。幾つもの側面を持つ本作は、戦争を語るシリアスな物語であり、愛し合うカップルの時間を追った恋愛物語であり、1人の女性の人生の物語でもある。明確な区別は付けられないが、読後はそれらが絶妙に相まっているようでなんとも不思議な感じがした。
普通なら3つに分けても良いような物語を、ワロージャとサーシャの時空的に隔てられて不思議な恋愛を軸にして巧みにまとめている。普段は難解な作品が多いと言われる著者の、その難解さが大衆的に生かされた作品なのではないだろうか?

手紙 (新潮クレスト・ブックス)手紙 (新潮クレスト・ブックス)
(2012/10/31)
ミハイル シーシキン

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『リスボンへの夜行列車』

2013/02/13 21:41 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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パスカル・メルシエ 著/浅井 晶子 訳/ 早川書房
大学中で敬意を集め、地味ながら人気のあったライムント・グレゴリウスは、橋の上である女性と出会う。ポルトガル人らしきその女性に導かれるように古書店へ行ったグレゴリウスは、アマデウ・デ・プラドという男が書いた書籍に出会う。ほとばしるような感性に裏打ちされた精密な文章に強烈に惹きつけられたグレゴリウスは、それまでの完璧な人生を捨てて1人ポルトガルへと向かう。アマデウの足あとを憑かれたように辿るグレゴリウスは、ますますアマデウという人に魅入られ、同時に彼の中に眠るこれまでには無い『何か』に気付きはじめるのだった。

いや〜、頑張った、読むのにどれぐらいかかったろう?って、そういう感想(笑)。言葉・言葉・言葉の奔流で実際の重さ以上に重さを感じた。実際もだいぶ重いのだけど(笑)。
自分の考える通りに、堅実に人生を重ねて来たグレゴリウス。勉学に全てをそぎ取られて冴えない風貌で、娯楽というものからはかけ離れ、なおかつ自らもその堅物ぶりを良しとしていたような男だ。しかし面白いと思うのは、普通若者からは疎んじられるタイプの初老の学者が、大学内では大変な人気者。とは言え、本人に準えるように、その人気は深い敬愛を持って静かに染み渡っている。
派手さは無いが、誰もが望む人生。それを捨ててしまう。1人の女性ととある1冊の本によって。最初は激しく『勿体無い!』と思ったのだが、後に彼は帰れるのだと思った。長年築き上げた敬愛は、そう簡単には取って替わられることはない。
しかしだ、読み終わる頃には、元の生活に戻るのは勿体無いと激しく思った。堅実に賢く地味に生きてきた男は、アマデウという、本質的には同じで、しかし熾烈に生きた男の人生を辿ることで、アマデウと同じように、しかしあくまでも自分らしく『生きる』ことを学んだのだから。
人間何が賢くて何が幸せなのか解らないものだな・・・とつくづく思った。平凡で冴えない人生を歩む私には、アマデウの知性も財力も、グレゴリウスの堅実さもこれまた知性も、共に羨ましいと思う。しかしアマデウはその知性と地位に苦しみ葛藤し、後にグレゴリウスを突き動かす魂の言葉を生み出す。そしてグレゴリウスは、これまで完璧だと思ってきた自らを内省し、やはり何十年もの重みに押し潰されそうになる。
私なんかにしてみれば、その悩みすら羨ましい。彼らの高尚な葛藤なんて縁が無いどころか資格が無いような気がして(笑)。
冗談はさておき、綿密に積み上げられた言葉の奔流は、本作に稀有な重厚感を与えている。哲学書と紹介にあったが、さもありなんという気はするが、誰でもとは言わないまでも大衆に読ませる哲学書ではある。これを一気に数日で読めてしまう人がいるとは個人的には信じられないが(笑)、出来ればじっくり読んで、著者が生み出した重厚な言葉の波に溺れて欲しい・・・かな?

リスボンへの夜行列車リスボンへの夜行列車
(2012/03/23)
パスカル メルシエ

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『ポルノグラファー』

2013/02/06 20:50 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ジョン・マクガハン 著/豊田 淳 訳/国書刊行会
将来に確たる希望も無く、ポルノ小説を書いて暮らしている僕。それはそこそこの身入りと自由を生み出していた。幼い頃に両親に死なれた僕を育ててくれた伯父と伯母だったが、その伯母が病に侵され、僕の暮らす首都ダブリンの病院へ入院した。気楽な生活に変化が生まれた頃、ダンスホールで知り合った年上の女性と身体の関係になる。愛を求めて止まないその女性から巧みに逃げつつも、関係が断ち切れない。とうとう彼女は妊娠するが、同じころ、伯母の入院先の病院で、黒髪の看護師と出会って恋のようなものに落ちていく・・・。

小さい『ァ』と調音『ー』のお陰で、幾分露骨さが薄れるタイトルだが、それでもついつい掌で隠すように読んでしまう(笑)。と思ったら!中身も時々思いっきり隠して読みたい感じ。小説を読んで電車の中でドギマギしたのなんて久し振り(笑)。
なんというか、数ある著作が神への冒涜と性のタブーを描いたことで発禁処分になったりした著者ではあるが、時代の流れに勢いを得たのか、やりきったね!と言う感じね(笑)。初期の作品は確かに弾劾されたのだろうが、それはアイルランドという風土の賜物。性的な揶揄などより、神への不信などの方が検閲にひっかかったか?という感じだった。
ただねぇ、読ませます。ああ、もうホント、アイルランドの男って・・・と膝を叩きます。もちろん、この主人公が全てを表すステレオタイプではない。この毒気を抜いたタイプもまた、アイルランドの男の姿だと私は思う。のだが?やはりこうした毒気を持ったタイプの方が、遥かに物語の主人公としては扱われやすいのだ。
主人公の僕は、紛れもない純粋な愛情を持つ伯母を失いつつある日々の中で、恐らくは本人も気づかない内に、また別の愛を探している。失いつつ叔母の愛なのか、得ることのなかった両親の愛なのか、単なるさびしんぼうなのか?全く・・・ダメな男だよホント。
とは言え、妊娠した相手を無下に捨てることも出来ず、アイルランドらしい思考回路で一人悩む。この辺の展開は著者が示したアイロニーというか・・・いや、やはり単なる皮肉なんだろうな(笑)。
どっぷりアイルランドの風土を感じ、煮ても焼いても食えない男の物語を堪能。小難しい苦悩が削げ落ちつつある、読み易い作品だったと思う。

ポルノグラファーポルノグラファー
(2011/12/23)
ジョンマクガハン

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プロフィール

hiyo

  • Author:hiyo
  • たった二つの趣味、映画と読書を中心に、日記を書いてみたいと思います。
    最近、自分の時間を充実させたいな、と結構真剣に思っていたりして。文章を書くのも結構楽しいし、誰かが通りすがりに読んでくれたら、嬉しいかな、とか思っている。
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