『ジャケット』

2008年07月03日 23:05

〔米〕THE JACKET (2005年)
監督:ジョン・メイバリー
脚本:マッシー・タジェディン
エイドリアン・ブロディ/キーラ・ナイトレイ/クリス・クリストファーソン/ジェニファー・ジェイソン・リー/ケリー・リンチ/ブラッド・レンフロ/ダニエル・クレイグ/スティーヴン・マッキントッシュ/ブレンダン・コイル/マッケンジー・フィリップス/ジェイソン・ルイス/ローラ・マラーノ

1992年の湾岸戦争で頭部に重症を負ったジャックは、一命は取り留めるも記憶障害を抱えてしまう。軍を除隊後、ヒッチハイクした車の持ち主が警官を射殺、事件直後に意識を失ったジャックは逮捕され、警官殺害の罪を着せられてしまう。記憶障害を理由に精神病院に収監されたジャックは、拘束衣を着せられて死体安置用のロッカーに入れられるという、実験的な治療を行われる。暗闇の中でジャックはあらゆる幻影を見、気が付いた時にはある郊外のダイナーの前に立っていた。そこから現れた女性は、あのヒッチハイク事故の直前、ジャックが認識票をあげた小さな少女ジャッキーだったのだ。タイムスリップしたジャックは、自分の命が後4日しかない事を知る。

なるほどねぇ(最近の口癖)、こういう話だったか。予告編などからはいまいち概要が掴めなくて、タイムトラベルもどう物語に絡んでくるのかも解らなかった。K・ナイトレイは結局何者なの?とかね。だったらとっと観るが良いという話ではあるが、どうにも暗そうでねぇ・・・。
やはり暗かったねぇ〜(笑)。そして、あらゆる伏線が全て中途半端だったような気がする。ジャックの記憶障害なんて・・・冒頭のためだけに用意されて、冒頭にしか生かされていなかったのでは?ジャックというキャラクターも、いまいち釈然としなかったな。
とはいえ、タイムトラベルものが好きな私としては、それなりに楽しめた。話の主軸としては、自らの死の真相を探るジャック、そしてジャックとジャッキーの刹那的な恋。その他にも人間の尊厳だとか、反戦だとか、色々な要素が混ざっていたような気がするが・・・果たして?
展開のテンポは良く、時間もさほど長く無いのであっという間に見終わった感がある。色々な要素が詰め込まれているので、それなりの満腹感はある。しかし鑑賞直後の『なるほどねぇ〜』という感慨も、時間の経過と共に急速に薄れていく。残念ながら印象の薄い作品ではあるが、全体のプロットは奇を衒っているので、そういった面では観る価値も上がるような気がする。
さて、そんな薄印象をせめてでも強くしてくれるのは、脇を固める役者が以外と豪華な事(笑)。1番の目玉はやはり、『黒髪のD・クレイグ』だろうか、似合わない事この上ない!個人的には、D・クレイグは『全身あっての』男前だと思っているので、顔のアップばかりは若干・・・微妙。
今年初め頃か?若くして無くなったB・レンフロも出演。重要な役どころではあるが、登場時間は短い。始めに出てきた時は、『どこかで観た顔だな?カナダ辺りのテレビドラマかしら?』と暫く悩むも、そう言えばB・レンフロが出演しているはず・・・と思い出して・・・、『あぁああぁあ!』と(あに濁点付きをご想像下さい)絶叫に近い驚き。最近随分観ていなかったから・・・。
後は個人的に・・・と言ったところだが、S・マッキントッシュが医師役で出演、先日も『ボビーZ』で話題に挙げたJ・ルイスが『カメオか!?』というぐらいの出演、探すのも一興かも(笑)。
主役に話を戻すと、K・ナイトレイは大好きではあるが、美人だとは激しく頷けないのである。観る度に、あの受けアゴが気になって仕方が無い。今回は廃れた女を演じていたが、こういう役の方がむしろ・・・似合っているのでは?と思った。
して更に、E・ブロディだ。良いねぇ、ちょっと惚れちゃったわ(笑)。役者としての固定イメージも大体掴めたが、汚れ役が事の他似合う、そういう役者は好きである(笑)。更には、『俺、カッコ良いだろ』的な雰囲気を過剰なほどプンプンに振りまいているのに、実際それほどでも・・・というところが最高!貶しているのではなくて、本当にそういうところが好きなのである。なんだか顔まで魅力的に見えてきた♪実際自分の側にそんな奴がいたら、相当煙たがるとは思うけど(笑)。

ジャケットジャケット
(2006/10/28)
キーラ・ナイトレイ

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『ゼロ時間の謎』

2008年06月21日 00:38

〔仏〕L'HEURE ZERO (2007年)
監督:パスカル・トマ
原作:アガサ・クリスティ
脚本:フランソワ・カヴィリオーリ/ナタリー・ラフォリ/クレマンス・ドゥ・ビエヴィーユ/ロラン・デュヴァル
メルヴィル・プポー/キアラ・マストロヤンニ/ローラ・スメット/ダニエル・ダリュー/アレサンドラ・マルティネス/フランソワ・モレル/クレマン・トマ/ジャック・セレ/ザヴィエ・ティアム/エルヴェ・ピエール

資産家の青年ギヨームは妻キャロリーヌと共に、叔母カミーラの別荘へ毎夏恒例の滞在をする。そこにはなぜか、ギヨームが呼んだ元妻オードも来ていた。離婚によって不安定になっているオードを気遣う為にと、彼女と親しい親戚のトマも呼び出された。近隣のホテルには、カミーラの古くからの友人で著名な弁護士トレヴォーズ、キャロリーヌの友人で怪しい雰囲気のフレッドなどが宿泊しており、なぜだか不穏な空気が漂う屋敷を心配する、カミーラの使用人マリ=アドリーヌもいた。そんな中、以前から心臓の弱かったトレヴォーズがホテルで亡くなり、マリ=アドリーヌの予感が的中したように思えたのだったが・・・。

中学生だった私を、ミステリの世界に引き込んだ張本人アガサ・クリスティ。『そして誰もいなくなった』を読んだ時の、重厚で感極まるような読了感を超える作品は今もまだ無い。と言っても、読書の楽しみに目覚めたばかりで、面白い作品を求めて、有名作家の作品を手当たり次第に読んでいた頃のことだ。例えばこの時に、エラリー・クイーンかはたまたG・K・チェスタトンなんかを読んでいたとしても同じように、『天才があたしの手の中にいる!』と大袈裟な感動をした事だろう。
いずれにしろ、私の浅はかな経験値に抉るような跡を残したクリスティ。当時はほとんど崇拝していたので、クリスティの過度な『女性らしさ』というものにはほとんど気が付かなかった。
そんな訳で、この作品を観て改めて、クリスティの『過度な女らしさ』を思い出した。この映画は、クリスティの多分にロマンチストな要素が大きく反映された作品だったと思うのだ。原作の方は未読なので、これがどれほど原作に沿っているのかは判断不能だが、事件全体としては、その『女性的要素』も含めて、クリスティらしさは十分に活かされていたと思う。
それにクリスティに関しては、この『女性的要素』が重要なのだ。だからこそ、女性ファンも多いのだろう。メロドラマとミステリが交じり合ったような作風だが、ミステリに関しては世界が認める一級品だ。メロドラマも十分に読ませる力量で、ミステリにおける色恋沙汰を、これほど『ソープオペラ的』に仕上げた人も類を見ないだろう。それこそが、クリスティらしさの真髄と言えるのかも。
と言う事を、この映画を観て改めて思った(笑)。要するに、良く出来ている映画なのだ。事件がなかなか起きないところも結構ドキドキさせてね(笑)。一堂に会させての鮮やかな推理・・・は、まぁ、ボチボチという感じなのだが、心理的要素を複雑に利用した展開はお見事だと言える。
その心理的要素を考えつつ、全ての結末を知った後にもう一度見直してみると、M・プポーが不気味なぐらいに秀逸な演技をしている事が解るだろう。M・プポー演じるギヨームの持つ二面性を、実にさり気なく気味悪いくらいに表現している。二度観れば、全く違ったギヨームを通して、作品も全体的に、違った見方をして楽しめると思う。
そしてそのギヨームを通して、必然的に二面性を表す事になるオードを演じるC・マストロヤンニ。マルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーブとの娘だそうだが、ちょっと笑ってしまうぐらい父親にソックリ。母の血は、血はどこに!?いやでもでも、マルチェロ・マストロヤンニは名優であると同時にかなりの『美男子』だった訳なので、それに似ているなら十分か?
作品の本質としてクリスティらしくはあったが、全体の視覚的な『イギリスらしさ』というのはやはり難しい。妙にもったいぶったどん臭いイギリス的印象は薄く、颯爽とテニスをするM・プポーがやけに眩しい(笑)。女性たちも絶妙にスタイリッシュで、やはりおフランスな感じ。とは言え、映画としてイギリスの模倣をしたかったのではないだろうし、余り気にするべき箇所では無いだろうな。
変な話だが、私はこの映画で、あの懐かしの佐野史郎演ずる『冬彦さん』を思い出した(笑)。いやいや違う、久し振りに、アガサ・クリスティーに首まで浸かりたい気持ちになった。

ゼロ時間の謎ゼロ時間の謎
(2008/06/04)
メルヴィル・プポー

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『ハリウッドランド』

2008年05月22日 23:19

〔米〕HOLLYWOODLAND (2006年)
監督:アレン・コールター
脚本:ポール・バーンバウム
エイドリアン・ブロディ/ダイアン・レイン/ベン・アフレック/ボブ・ホスキンス/ロイス・スミス/ロビン・タネイ/ラリー・セダー/ジェフリー・デマン/ブラッド・ウィリアム・ヘンケ/ダッシュ・ミホク/モリー・パーカー/カロリン・ダヴァーナス/キャスリーン・ロバートソン

人気俳優ジョージ・リーブスは、ハリウッドの自宅でのパーティーの途中、二階の寝室で、裸で側頭部を撃ち抜いて死亡していた。警察はすぐさま自殺と断定したが、ジョージの母親は納得しなかった。他殺の可能性を調べて欲しいと依頼を受けた私立探偵ルイス・シモは、彼の死に幾つか不振な点を見つけた。必然的にジョージの私生活を調べる内、彼の背後に控える、強大なハリウッドという組織の存在を思い知らされる事となる。そして、スーパーマン俳優として名高かった男の、心の闇にも迫っていくのだった。

何か最近、とてつもなく地味だが結構良い作品、というタイプの映画によくよく当たる気がする。地味と感じてしまうのは、派手ではないが堅実な演技を見せてくれる役者陣と、しっかり丁寧な造りで、真面目な印象が強い場合が多いようだ。本作も、ど真ん中ストライクでこんな感じ。
とかく良く囁かれるハリウッドの明と暗、話題としては真新しいところも無いし、スーパーマン俳優、ジョージ・リーブスの謎の死を、格別深く抉っているとも思わない。しかしそれが良いのだ、まさにこの映画、『ハリウッドランド』を丁寧に描き出した作品だと言える。話題も展開もステレオタイプだから逆に良い、それをいかに緻密に見せるか、その辺の造り全般が堅実だったのだ。
語られている主題はジョージ・リーブスの死であったとしても、当時人気俳優だった『1人の役者』をフィルターのように使って、テレビ界が躍進し、映画という概念そのものが大きく変わろうとしていたハリウッドの姿を描き出す。そこで翻弄された人達の姿と、もしかしたら見えざる悪だったかも知れない存在ですら、辛辣に描こうとしていないところが良い。
果たしてジョージ・リーブスは自殺か他殺か?現実に答えの出ていない問いに関して、映画が打ち出したある種の解決に関しても、明言するではなく、かと言って曖昧さも無く、観客が望む見方を提供してくれる、こちらもまた、脚本も上手いが演出も良かったと思う。
さて、地味だけど堅実な役者陣の事を。まず!この映画を観たいがために『戦場のピアニスト』で予習をしたと言っても過言ではないE・ブロディ。良い(笑)。こういう汚い感じが良い、似合ってるのよね〜、憎いぐらいに似合ってる、印象としては良いんだか悪いんだか(笑)。これはいよいよ、『ダージリン急行』が楽しみになってきた!!
そんなE・ブロディ演じるルイスと二枚看板なのは、当然、ジョージ・リーブス、もちろん演じるはB・アフレックなのだが、これが、先日の日記に繋がる。確かに、疑問に思う作品に少しばかり頻繁に出演しているとは思う。そ・れ・で・も・だ!彼は良い役者だと信じて疑わない。
というより、『良い映画人』だと思うのだ。製作方面には抜群のセンスがあるのだが、自分が出演する作品となると・・・何故か選択を大いに狂わせていると言わざるを得ない時がある。非常に実直で温厚な人柄だと良く聞くが、これが真実なら、他人の圧力に流され易いところがあるのかなぁ?などと思ってしまったり。間違いなく、やりたくなかった仕事は沢山あると思うのよね。
演技は最高水準とは思わないまでも、良い意味でも悪い意味でも、人を惹きつける吸引力が備わっているとは思う。それは結局、如何なる噂を立てられようとも、どんな固定概念を持たれようとも、人の移り変わりが激しいハリウッドで、消える事無く、確固たる知名度を保っている事が証になろうと思う。こういう吸引力や魅力というのは、努力したって得難い才能だと思う。
ジョージ・リーブスの辿った人生は、そのままB・アフレックに繋がったのじゃないだろうか?周囲が勝手に持つイメージや固定概念、そこから抜け出す事ができない苦悩。周囲の期待に応えたいと思う欲求と、そんな期待に苛立つ気持ち。B・アフレックは幸運なことに現代に生まれたが、ジョージ・リーブスは、テレビ界の黎明期に巻き込まれてしまった。きつかったと思うなあ・・・。
そんなジョージ・リーブスが抱えた苦悩、やらざるを得ない仕事、日々の流れを、B・アフレックは『非常に』『優れた』『演技』で表現しておりました!断然絶対確実に、私はそう感じた。
まず話し方が全然違うのに驚いた。最近見ていなかったけど、こんな声だったけ?と(笑)。テレビの収録シーンでは、古いテレビドラマに特有の、ちょっと堅苦しいあの話し方。日本のテレビドラマでも感じる事はありませんか?真似しようと思っても上手く出来ないが、今のように、『普通の会話』ではない『ドラマ用の会話』。B・アフレックの台詞回しは巧妙で、明らかに実物のジョージ・リーブスより男前で不自然な現代らしさを、あの台詞回しによって払拭したと言える。
ラストの締め方も斬新だがかなり好み、B・アフレックのラストシーンも、なんだか泣きたい気持ちになるほど切なかった(フィルム映像の方ね)。最近本当に、役者としてのB・アフレックを見ることが少なくて残念だったが、最近は、本人が望む作品に出始めているのではないだろうか?役者B・アフレックは、今ようやく戻ってきたところなんですよ。迷いの小道からね(笑)。
私的には最近、弟のケイシー・アフレックがちょいと気になっていた。メキメキと良い役者の風情が香り始めたケイシー。兄の製作した映画『Gone Baby Gone』でも話題を独占した。のだがぁ、やはり、兄貴はまだまだ超えられないなと、私は思ったのです。

ハリウッドランドハリウッドランド
(2008/02/20)
エイドリアン・ブロディ. ダイアン・レイン. ベン・アフレック. ボブ・ホスキンス. ロイス・スミス

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『ルックアウト/見張り』

2008年05月19日 22:03

〔米〕THE LOOKOUT (2007年)
監督:スコット・フランク
脚本:スコット・フランク
ジョセフ・ゴードン=レヴィット/ジェフ・ダニエルズ/マシュー・グード/ブルース・マッギル/アイラ・フィッシャー/カーラ・グギーノ/アルバータ・ワトソン/デヴィッド・ヒューバンド/ローラ・ヴァンダーヴォート/セルジオ・ディ・ジオ

自らが運転する車で事故を起こしたクリス、脳に損傷を受けた彼は記憶障害を負うことになる。自立センターで出会ったルイスと同居し、深夜に銀行の清掃員をしてはいるが、事故以前のクリスは、ホッケーの花形選手として人生を嘱望された若者だったのだ。一方、地方銀行の警備が手薄な事に目を付けた窃盗集団は、クリスの過去を利用して彼に近付き、襲撃計画に参加させようとする。事故の苦悩から立ち直れないクリスは、安易にこの計画に乗ってしまうのだが・・・。

私が『サスペンス・ミステリ・犯罪』と同じカテゴリーにしているのは、大概の映画が、犯罪あればサスペンスありと決まっているようなものだからで、サスペンスとミステリはほぼ同義語だし、各々の要素は親戚関係のように近しいものだと思うからだ。しかしこの映画は、新たなカテゴリー?
過去の自動車事故で親友2人を亡くし、恋人にも大怪我を負わせてしまったクリス。自身も脳障害を受けて、恐らくは一生残る記憶障害と、若干の体の不自由さが続くだろうと予測させる。自分の開かれた未来を、自らの手で閉ざしてしまった事。普通以上に満たされていた過去の記憶、思うように行かない日々の暮らしなどに悩む主人公。人間的ドラマとしての要素が大変強い。
で、クリスがいかにして今後の人生と折り合いを付けていくのか、今いる自分を愛し、受け入れる事ができるのか?という部分で、クリスに影響する要素として『犯罪』がある。様々な苦悩を抱えた主人公、普通に描いたとするなら大分感動的な作品になり得るだろうが、この作品の場合は、結構な荒療治なわけだ。認めて欲しいという気持ち、以前と変わらぬ自分でいられるという幻想、失いたくない過去、受け入れたくない未来、そんなマイナスな思考を、クリスは『犯罪』を通して矯正させられることになるのね。脚本も上手いし、演出や構成も上手かったと思う。
さて、主演のJ・G=レヴィットが見たくて借りた(笑)。さらに共演がM・グートとくれば、見ておけ、個人的に損は絶対しないはずだ!という本能の声。J・G=レヴィットは、最近私の中で猛烈に気になる役者なのだ。理由は何故か?ヒース・レジャーに似ているからだ・・・。
J・G=レヴィットを初めて見たのは、『恋のからさわぎ』。奇しくもこの作品でヒースと共演しているわけだが、その時は、『オタク君を演じるには最適な外見の少年だわねぇ』という印象(笑)。その後数年が経ち、ひょんな事から成長した彼を見て、多分、ドリフ並みにずっこけた。子供って・・・成長するのねぇ、といういつもの感慨により。その時にハッキリと、ヒースに似てる!と思ったのだが、実はもう1人・・・稲垣吾郎にも、かなり・・・似てるなと(笑)。
その後は余り情報も得られないままだったが、ヒースの死を請けて、俄かに興味が芽生え始めたのだ。似ているだけというのも失礼だし、気になる根拠にもならないとは思うのだが、あの顔を見る度にねぇ。。。そして同じ頃、J・G=レヴィットの出演作の入荷が相次いだのである。
顔が似ているからといって才能まで似ているかというと、まさかそんなはずは無いのだが、人相学の影響というのもあるかも知れないし、、、第一、あの顔でボンクラ俳優であるはずがない!という強い思い込み(笑)。ちょっと表情が少ないかな?とは思うが、そんなところも、実はヒースに似ていたりする。繰り返すが『似ているから』という訳では無いが、ヒースの後を次いで、次回作を楽しみに待つ役者になってくれるだろうか?と期待感だけは増すばかりなんである。
そんな理由で借りた作品の割には、静かな雰囲気で淡々と事件が進行して行き、それはまるで、激しい思考や行動が出来なくなった、クリスそのものであるかのような雰囲気だ。犯罪と精神性の深いドラマの融合という、余り出会わない要素が上手く融合した作品だった。

ルックアウト/見張りルックアウト/見張り
(2008/04/23)
ジョセフ・ゴードン・レヴィット. ジェフ・ダニエルズ.マシュー・グード.アイラ・フィッシャー. セルジオ・ディ・ジオ

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『ユージュアル・サスペクツ』

2008年04月26日 23:20

〔米〕THE USUAL SUSPECTS (1995年)
監督:ブライアン・シンガー
脚本:クリストファー・マッカリー
ガブリエル・バーン/スティーヴン・ボールドウィン/チャズ・パルミンテリ/ケヴィン・ポラック/ピート・ポスルスウェイト/ケヴィン・スペイシー/スージー・エイミス/ジャンカルロ・エスポジート/ベニチオ・デル・トロ/ダン・ヘダヤ/ピーター・グリーン/クリスティーン・エスタブルック

ある容疑者が語りだした6週間前に始まる出来事、それは、幾つかの犯罪のに関わる告白だった。銃器強盗の容疑で連行された、5人の常習犯たち。1つ所に集まった彼等は、自然発生的に新しい強盗計画を立てる。それが上手く行くと、次には新たな儲け話が。しかしそれは怪しい匂いのする話で、彼等はそれと気付かぬ内に、大物犯罪者、カイザー・ソゼの手に落ちていた事を知る。誰も姿を見た事の無い陰の立役者、決して逃れる事の出来ない男。そして5人の常習犯たちは半ば強制されるように、麻薬絡みの危険な仕事に駆り立てられていく。

いや〜、G・バーンが素敵だったねぇ〜。この方、こういう影のある伊達男というイメージがピッタリね。全く素敵だったわ、思わず惚れ惚れしちゃって、ストーリー追うのを忘れそうになったわね。冒頭の、ちょっと汚れた感じの渋さに、まず早々にノックアウトよ(笑)。
個人的突込みどころとしてピカイチなのは、やはりB・D・トロね。最初に出てきた時は、パンチパーマをかけた日本のヤンキーかと(笑)。パンチパーマこそ見間違いだったが、あの眉毛って・・・。『バスキア』の時は素敵だったのに。何なの、今回のナヨっとした印象の薄いキャラは・・・。
S・ボールドウィンはね、どうしても『フリントストーン』の印象が拭えない。余りにもはまりすぎてて、今回のような切れ味のある役柄はどうもね、失礼とは思いつつ、致し方ない。その上更に、常に落ち着く先で外せないのは、『お兄ちゃん達にそっくりだよねぇ』というね(笑)。
K・ポラックは、見かける度に『どこかで観たぞ?』と思って調べると、以前も同じ理由で調べた事を思い出し、しかし、何の映画がきっかけで調べたのかも思い出せず・・・という悪循環を繰り返している役者だ。今回もまた同じ行程を踏んで軽く凹んだ。もう好い加減で覚えたいのに・・・。
K・スペイシーはね、変わりませんねこの方(笑)。ちょっと抜けた感じの犯罪者を演じていて、追い詰められたオトボケ面がなんとも可愛らしく見えちゃって、あらら大変だわ。でも、時折魅せる利発そうな瞳の輝きが、俳優K・スペイシーである事を思い出させる。そんでもって、ちょいとやりすぎちゃったかな・・・という気がしないでもない。抜け作の演技も、やりすぎちゃったかな〜?
と言うわけで、私個人としては、K・スペイシーの演技から、ラストの展開や犯人が解ってしまったのだ。ただし!映画中盤頃までは、K・スペイシー演じるヴァーバルを尋問する刑事が、何を求めているのかが掴めなかった。だからその分、物語を純粋に楽しめたかな?と思う。
追うべき犯人像が見えて来たら、定説を基に消去法で犯人を捜したら真相が解ってしまった。映画冒頭から、伏線がまるでネオンサインのようにチカチカ目立っていて、そうしたところも、鑑賞中から真相を探るのに役立ってしまったのだ。余りにも手の内をバら撒き過ぎで、むしろ刑事の無理矢理な論理の方が、映画全体を通せば面白いのでは?と思えた。
『意外な結末』というのが用意されてる場合、良くも悪くも『衝撃』というのが必要なのだと思う。大抵はストーリーから衝撃を生み出すのだろうが、例えば、『未経験』から生まれる衝撃もあるだろう。この場合、観客がどれだけ経験値を積んでいるかで評価が大きく分かれる。
この映画の場合は、公開当時の一般の経験値からすれば、結構な衝撃があったのではないだろうか?その後数多くの『どんでん返し』映画が生まれた現在となれば、未経験の衝撃はほとんど生まれないだろう。より趣向を凝らした作品と比べると、かなり解り易く思えるぐらいだ。
映画の展開や雰囲気、地味だけど個性的な俳優の演技、レベルとしては悪くないので、今更ながら、ラストを書き換えて欲しい・・・なんて思ってしまう。最初に映画が語る人物をそのまま追ったラストなら、現在でも十分に受け入れられる水準と面白さがあると思うのだけど。。。

ユージュアル・サスペクツユージュアル・サスペクツ
(2006/09/08)
スティーヴン・ボールドウィン、ケヴィン・スペイシー 他

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ぽすれん『ユージュアル・サスペクツ』紹介

『猟人日記』

2008年04月19日 20:29

〔英〕YOUNG ADAM (2003年)
監督:デヴィッド・マッケンジー
原作:アレグザンダー・トロッキ
脚本:デヴィッド・マッケンジー
ユアン・マクレガー/ティルダ・スウィントン/ピーター・ミュラン/エミリー・モーティマー/ジャック・マケルホーン/テレーズ・ブラッドリー/ユアン・スチュワート/スチュワート・マッカリー

1940年代のグラスゴー、平底荷船の雑役人ジョー・テイラーは、海辺で女性の溺死体を引き上げる。船首レズリーは、殺人事件かも知れないと色めき立つ。そんなレズリーの目を盗んで、その妻エラを誘惑するジョー。彼が時折思い出すのは、以前の恋人キャシーとの日々だった。そしてその思い出は、ある秘密へと繋がっていく。一方、水死体の女性に対する容疑者が逮捕された。極刑は確実と思われた容疑者だが、ただ1人、ジョーだけが彼の潔白を知っていた。

イギリスを代表する『ビートニク作家』アレグザンダー・トロッキが原作者だそうだ。『ビートニク』・・・取り付きにくい言葉だ。私が文字通り若い頃、ビートニク作家熱が再燃した事があった。芸能人の誰だかが『ポケットにケルアックを入れて、気ままに旅に出る』だとか言っちゃって、そんな謳い文句も手伝って、俄かにその線の作家の作品が書店に並んだ。あたかも『ベストセラー』小説のようにね。あの頃は私も若かった・・・、そんな気ままさや奔放さ、その裏にある傷つき易さや孤独感なんかがね、やたらと格好良く見えたものだが、実際読んでみると・・・受け入れ難い。
あの頃から、『自分の恵まれた環境にブツブツと反抗し、あえて不幸を呼び込み、その癖その状況が辛いとか泣き言を言ってみたりして、見えない何かを追い求め、それでいて手に入れられそうだと拒絶して、不幸比べをしては悦に入る、そんな薄幸症候群の一団』という妙なビートニク論理が私の中に確立され始めた。間違えていようが何だろうが、とにかく私にはそう思える。
恵まれてるくせに何をウダウダ深刻ぶってるのかねぇ?と。ちなみに、『ライ麦畑でつかまえて』を含む全てのサリンジャー作品なんかも、はっきり言って苦手。ついでに『ボヴァリー夫人』なんてもう、うざい女以外の何者でもない。『チャタレイ夫人の恋人』ギリギリ許容範囲(笑)。
とまぁ、なんでまた、こんな愚にも付かない私のビートニク論理なんかをつらつら書いているかというと、この映画に対する大した感想が無いからで(笑)。主人公ジョーに対して『なんだこいつ!?』という呆れた感情と、『マイ・ネーム・イズ・ジョー』では『ジョー』役だったP・ミュランが、あの声あの訛りで、E・マクレガーに向かって『ジョー』と繰り返すのが面白かったぐらいで(笑)。
主人公ジョーのように、自分中心で自分だけが幸せで、関わる人々をあれほど不幸に貶められる存在も珍しい。そのくせやたらと深刻ぶっちゃって、そのくせ腰抜け振りは天下一品。それなのにずーずーしさと自己愛も最上級で、弱いものにだけ強気なあの姿勢・・・、一体何様なんだ!?というね。人間として全く生産性が感じられない、行動や日々に目的意識も見られない。いや〜、お近づきになりたくないタイプだわ〜、絶対イヤだわ〜。
先の感想をお読みになられた方なら、なんでまたこの映画を観たのか?というのはお察し付くと思いますが、そう、E・マクレガーが観たかっただけなのだ!!!しかも貴重な、祖国スコットランド訛りを全開で話すユアン・・・。ホフ♪素敵だったわ。とりあえず1つは満足を得られて良かった。共演者も中々の演技派揃いだったのに、いや・・・意味があるのでしょう、こういう作品が好きな方には。個人的には、全くもって受け入れられないというだけだから・・・。

猟人日記猟人日記
(2007/06/01)
ユアン・マクレガー、ティルダ・スウィントン 他

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『タロットカード殺人事件』

2008年04月07日 22:26

〔英/米〕SCOOP (2006年)
監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン
スカーレット・ヨハンソン/ヒュー・ジャックマン/ウディ・アレン/イアン・マクシェーン/チャールズ・ダンス/ロモーラ・ガライ/フェネラ・ウールガー/ジュリアン・グローヴァー/ヴィクトリア・ハミルトン/ジム・ダンク/ケヴィン・R・マクナリー

アメリカからロンドンへ休暇を過ごしにやって来た、ジャーナリスト専攻の女子大生サンドラ。あるマジック・ショーで舞台に上げられ、仕掛けの箱に入った時、数日前に亡くなった大物ジャーナリストのジョー・ストロンベルが幽霊となって現れる。貴族の子息で独身で男前のピーター・ライモンが、世間を騒がせているタロットカード殺人事件の犯人だと言うのだ。何としてもスクープをものにしたいサンドラは、マジシャンのシドを味方に付け、ピーターに近付く事に成功する。しかし予定外にピーターは彼女に恋をして、サンドラもまた、素敵なピーターに恋をしてしまう。

いや良いね、まさにW・アレンだね。ここ最近ぱっとしない気がしていたが、こちらはW・アレンらしいコミカルさと軽妙さが心地よい感じ。身分詐称、貴族と平民、マジックと娯楽、上流階級の道楽などなど、何とはなしにイギリスの伝統的な風俗小説ぽい展開が巧みに利用されていて、実に好みの要素がたっぷり詰まった作品だった。
まず第一ね、S・ヨハンソンが可愛すぎますよ。コメディはちょっと固さがあるかなぁ?という気がしないでもないが、肩の力を抜いて楽しんでいたように思う。天真爛漫で可愛らしくてちょっとズレてる女の子、服装も何だか野暮ったくて、そこがまたキュートったらない(笑)。W・アレンとの掛け合いもスムーズで、これはW・アレンが大分S・ヨハンソンに合わせたかな?という感じ。
対する貴族の二枚目坊ちゃまを演じるのはH・ジャックマン。こちらもまた、素敵過ぎて大変。まさに適役で惚れ惚れ眺めてしまった(笑)。だって、貴族で独身で遊び人の役って、そりゃファンにはたまらないでしょ。この方の場合、公私共に『誠実』を絵に描いたようなイメージなので、『殺人容疑者』をやらせたら、巧みな心理操作に役立つのだ。良い人の顔は仮面なのか真実なのか?真実と虚構が観客の心の中で混ざり合ってしまうのよ、実に巧妙な配役だと思う。
何しろ余りにも素敵なH・ジャックマンと、余りにも可愛いS・ヨハンソンの素敵なラブ・ストーリーが展開しているのに、その一方では、H・ジャックマンが残忍な殺人犯かも知れない?と疑うわけ。どう考えても、愛妻家で浮いた話の1つも無く、常に紳士らしく誠意と誠実さの塊のようなH・ジャックマンが、その魅力を全開にしているのに殺人犯の訳が無い!と(笑)。
私なぞは、最後の最後まで何か違う展開が・・・と疑いながら見続けた。さて、その真相とはいかに?ミステリとしては3流どころであっけないが、最後まで楽しめる事と思う。。。けど、H・ジャックマンに肩入れしていないと無理かしら(笑)。
ラストは全く、W・アレンらしいというか何と言うか。普通に終わらせたく無かったんだねぇ、と監督兼脚本家に対して思わず心で微笑んでしまうような。要するに、余りにもアクが無く単純に楽しめるロマンチック・ミステリ過ぎて、W・アレンには何かと物足りなかったのだろうなと。シドに対してのラストなら、どう転んでも作品自体への影響はほぼ無かったものと思われる。
そういえば、台詞や展開の良い意味で『アク』部分は、いつもながらW・アレンが1人で担当。こうしたスタイルも、最近表舞台に出なくなった彼の、初期の頃の作品の雰囲気を感じさせた。
S・ヨハンソンとの友情から生まれた作品だと本人達も語っているが、まぁ、片想いから生じた作品という気がしないでも(笑)。それにしても、何となく勢いで書いてしまったようにも感じる、ライトで型通り、だからこそ楽しめるこんな映画を、僅か1年くらいで作ってしまうW・アレンって、やはり凄いおじさんだなと思った。

タロットカード殺人事件タロットカード殺人事件
(2008/03/19)
スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン 他

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『プレステージ』

2008年03月24日 23:27

〔米〕THE PRESTIGE (2006年)
監督:クリストファー・ノーラン
原作:クリストファー・プリースト
脚本:クリストファー・ノーラン/ジョナサン・ノーラン
ヒュー・ジャックマン/クリスチャン・ベイル/マイケル・ケイン/スカーレット・ヨハンソン/パイパー・ペラーボ/レベッカ・ホール/デヴィッド・ボウイ/アンディ・サーキス/エドワード・ヒバート/サマンサ・マハリン/ダニエル・デイヴィス/ジム・ピドック/クリストファー・ニーム

20世紀初頭のイギリス、一流のマジシャンを目指す2人の若者がいた。アンジャーとボーデンは共に別のマジシャンのサクラをやりながら、自分達が舞台に立つチャンスを狙っていた。しかしボーデンが起こした事故のためにアンジャーの妻が亡くなってから、2人の間には修復し難い敵愾心が生まれてしまう。各々が名の売れたマジシャンへと成長する内に、そうした敵愾心は相手に対する妬み嫉みを伴った執着に取って代わられる。アンジャーに至っては、果たすべくは復讐ではなくボーデンの秘密を暴く事に集約され、ボーデンが産み出した驚くべき『人間瞬間移動』のタネを探ろうと躍起になる。そしてアンジャーが辿り着いた、瞬間移動の驚くべき真相とは?

確か2〜3年程前にこの原作を読んだのだが、このblogには感想が無い、あれ?当時既に映画制作の話を聞いており、配役は未定だったものの漠然と楽しみにしていた。何故か?私にとっては、原作が難し過ぎたからだ(笑)。確か、2人のマジシャンの子孫か何かの現在から過去へ遡り、語り部が色々に変わる、というスタイルだったように思う。より高度な仕掛けを用いるアンジャーの装置の描写など、とりわけマジックに関する『装置』『手法』の描写が細かいながらも難しく、全く理解できなかったのを覚えている。途中から面倒臭くなって(笑)、とにかくこれは『人間を瞬間移動させるための道具なのだ』という基本事実だけを記憶に留めての読書。しかしそうすると、物語の1/3は流し読み、、、?というぐらい緻密な描写であったのだ。
そんな訳で・・・、小説の方は手放しで面白い!とは言い難く、映像で見たら少しはマシかも?という期待感がまずあった。配役を聞いてからは尚の事、楽しみはいや増すばかり。小説を読んだ時の印象からは、今回の配役は全く脳裏に描けなかったものの、実際嬉しい驚きだった。
と言うことで、原作の方は『人間瞬間移動』に関するエピソードがずっと長くて緻密だ。それにまつわるボーデンとアンジャーの確執も格段に深く描かれている。それがある故に、小説の方はミステリーや種明かしを含んだサスペンス等と単純には片付けられず、マジック界の頂点を極めんとした男2人の、愛憎入り混じる攻防戦と言った趣がある。お互いへの異常なまでの執着と妬みが増幅し、何とかして相手を出し抜こう画策するのだが、追い抜き越されする内に、『最高のマジックの習得』や『有名になりたい』という単純で崇高な目的から、『相手に勝ちたい』というより原始的な気持ちに摩り替わっていく。人間の忌むべき性質の1つであろう羨む気持ちと嫉妬、それを最大限に増幅させた辺りに、冷やかな傍観的感覚と、なんとも後味の悪い不気味さが残った。
そんな訳で、小説は人間ドラマのイメージが強い。確か種明かし自体も大した事は無かったのだが、それ以前にラスト付近では、ボーデンとアンジャーの決着への興味が盛り上がっていて、マジック自体の種なんかどうだって良い、という気持だったのだ。しかし肝心の男2人の結末は、何だか締りが悪くてスッキリしないと思っただけに、詳細はハッキリとは覚えていないのだ(笑)。
ただ言えそうなのは、映画のラストとはちょっと違ったのでは?と言う事。なんか、、、過去からの声みたいなオドロオドロしいラストだったような?何だか最後の数ページだけ、ゴシック・ホラー的雰囲気だったような?・・・う〜ん、思い出せない。
それでも、映画のラストはかなりスッキリ感と希望があるので概ね満足だ。ただボーデンとアンジャーの確執が余り上手く描かれていなかったので、彼等の持つ独特な執着も表現不足だった。そのため観客の視点は、『人間瞬間移動』の種明かしに流れて行くわけで、そのタネのお粗末さに色々と抗議の声が上がっているようだ。個人的には、マジックの種に関してはストーリー上重要性が薄いと思っているので、それなりに上手いまとめ方だったと思ったのではある。
ラスト以外では、小説の要素を上手く取り入れ、視覚で得られる解り易さを十分に生かした作りで良かったと思う。アンジャーの装置の辺りなんて、小説ではさっぱり想像も出来なくなってたし(笑)。物語も良い意味で簡素化されていて、解り易くて良かったのじゃないかな?個人的には、珍しく原作よりも映画の方が楽しめた作品だった。

プレステージ コレクターズ・エディションプレステージ コレクターズ・エディション
(2008/01/01)
アンディ・サーキス、デヴィッド・ボウイ 他

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ぽすれん『プレステージ』紹介

『プリンセス・アンド・ウォリアー』

2008年03月15日 11:44

〔独〕DER KRIEGER UND DIE KAISERIN (2000年)
監督:トム・ティクヴァ
脚本:トム・ティクヴァ
フランカ・ポテンテ/ベンノ・フユルマン/ヨアヒム・クロール/ラルス・ルドルフ/メルキオール・ベスロン/ルドガー・ピストール/ジョニー・クリメック

精神病院の看護師シシーは、町に出かけて交通事故に遭ってしまう。大型トラックの下に入って身動きが取れなくなっていた時、ガソリンスタンドを襲って逃走中の男、ボドに命を助けられた。それ以来ボドの事が忘れられないシシーは彼を探し出すのだが、素気無くされて傷つけられただけだった。しかし、ある事件をきっかけにボドとシシーは急接近し、それがきっかけで2人の運命も大きく回り始める。

今では最愛のティム・バートンを抜きそうなほど・・・、いや違うな、ティム・バートンはその作品世界の全てが好き、とにかく愛してしまうのが彼の作品。トム・ティクヴァの監督作品は、『信頼が置ける』という表現がぴったりかも。
私の感性における完成度の高さは(ギャグじゃない)ピカ1で、とにかく観ていて安心すらしてしまう。かつ、緻密に練り上げられた脚本を完璧に映像化する卓越した技術、これもまた、観ていて嬉しくなる監督である。物語の持つメッセージの巧みさ、楽しませるエンターテイメント性、双方の質が高く隙が無い、実に素晴らしい監督なのだ。
でこちらは、その監督の未公開作品。未公開・・・それにはちゃんと訳がある・・・?のかも知れないねぇ・・・。
とにかく、話の規模の割には長い!長いと感じてしまったのには、私の側の手落ちもある。時間が無い中で、勝手に『90分くらいだろう?』と決め付けて観始めたら中々終わらず、時間が無い焦りも手伝って、きちんと映画に集中できなかった。
それにしても、ディレクターズ・カット版じゃないよね?と疑問に思うほど、色々な手法、展開、要素がてんこ盛り。詰め込んだねぇ〜、とにかくギッチリ溢れそう。もう少しスリムになろうとも思うのだが、あの監督がこれで良しとしたなら、従おうじゃないの。
一言でこの映画を表すなら『トム・ティクヴァ見本市』、全てを観た訳ではないが、私がこれまで観た監督のあらゆる要素が垣間見られた。トム・ティクヴァってこんな映画撮りますよと、そのままプロフィールに付けられそうな・・・。
物語においては・・・格別な感想はないねぇ・・・。特に真新しくも無く、長い時間に流されて感慨も薄れたというか。なるほどねぇ、納得、納得、と言うぐらい。
さて、ドイツ映画では良く見かける(私が観る部類では)F・ポンテ。個人的にはこの方のはまり役は『ラン・ローラ・ラン』のローラであったと思っているので、役者自体に持つイメージもあの雰囲気に近いのだが、今回は『可愛らしい女性』を・・・熱演、しているから、なんだか微妙に、、、合わない。ドイツ風美女はあんな感じなのかな?今回見ていて思ったが、ハーレイ・ジョエル・オスメントにちょっと似てる(笑)。
シシーのお相手、影のあるボドを演じた役者、美しい瞳が印象的な美形さんじゃないの!と思ってウキウキと。しかしどこかで観た事がある。この役、もう少し作品が古ければティル・シュヴァイガーが演じても良さそう?という印象を与える役者なのだが・・・。B・フユルマン、どこかで聞いたような、調べてみると、最近の画像も以前に見た様な?
・・・『戦場のアリア』出演・・・?あ、、、え!?(“え”に濁点が付いた勢いをご想像下さい)あのオペラ歌手?ウソ、、、酷すぎる、、、印象が違い過ぎ、おっさん臭くなって〜、と思ったが、この作品は8年も前のもの、実はこの役者、私と同じ年だった。同い年の人が妙に年を取ったなぁと感じると、それが自分にも当てはまるのだと痛感する。
全く映画に関係の無いオチが付いてしまって恐縮なのだが、私にとっては観る価値のある映画だった。この監督や役者陣が好きなら、観て差し支えないだろうと思う。それ以外の方は、似たお話でもっと短くて観易い作品が他にも沢山あるので〜、という感じかな。

プリンセス・アンド・ウォリアープリンセス・アンド・ウォリアー
(2007/09/07)
フランカ・ポテンテ.ベンノ・フユルマン.ヨアヒム・クロール.ラース・ロドルフ.ルドガー・ピストール

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ぽすれん『プリンセス・アンド・ウォリアー』紹介

『ブレイカーズ・ラッシュ』

2008年03月09日 23:08

〔米〕BANK BROTHERS (2004年)
監督:ケネス・ガーティン
脚本:ケネス・ガーティン
ケネス・ガーティン/クルックド・アイ/トニー・コックス/ライアン・コムズ/アンドレス・サルシード/トニー・パチェコ

ドジで間抜けな男たちが繰り広げる銀行強盗をコミカルに描く痛快エンタテインメント。

↑という解説を読んで借りた、借りてしまった。ちなみに粗筋を書く気が起きなかった訳ではなくて、全部見ていないから書けない。私はこれまで、どんなに酷い映画を観ても、僅か1度しか途中で止めた事が無い。その1度とは、ロベルト・ベニーニの『ピノッキオ』だ。理由は、聞いてくれるな・・・、と言うところ。それでも、結局は最後まで観た。
この映画は別、映画として個人的には容認できない。感想を書くのを止めようかと思ったが、この作品の上記のような解説に惑わされ、観ようかと悩んでいる人が、せめてこの感想を読んで、これがその疑問に対する一助になれば、という思いで一応書かせて頂く。
この作品は、これまで私の知らなかったジャンルに当てはまる。いや、知らなかったわけではない、その存在を容認してもいなければ、煩わされる事もないと思っていただけだ。世の中、A級と言われる大作映画のジャンルがある。次いでB級と呼ばれる1つ下のジャンル。下と言っても、こうしたB級作品の中には、『カルト』的人気を誇るものも多く、一部『伝説』にすらなっている作品もある。B級作品の中にも、見過ごせない面白さを持っている作品もあり、特にB級を愛する人達もいるくらいだ。
そして、この『ブレイカーズ・ラッシュ』は、更に下の『C級』ランクに属する作品だった。いや驚いたのだが、C級の映画って、予告編までC級なのね。予告編すら観るに耐えない。最低・最悪の臭いが画面から漂って来そうな感じ。いや間違い無く、私の心は最悪な予感で満たされたのだが。
映像はホームビデオ並みだし、役者の演技は学芸会並みだし、物語は陳腐だし、演出は最悪。笑いのセンスは最低だし、舞台装置も自宅のガレージ並みだし、小道具もガレージセール品並み。あり合せで作られた素人の趣味的域を一切出ておらず、生真面目な映画学校の生徒の作品の方が、間違いなくレベルが高いと思われる。
銀行強盗のシーンがあるのだが、その銀行の場面は明らかにどこかの廃墟ビルのロビーのようだし、この推測は間違いなく当たっていると思われる。とにかく、バラエティ番組の再現ドラマの方が格段に面白い、といった感じなのだ。いや〜、ホント酷かったわ、酷すぎたわ。これまでこうしたC級映画に当たらなかったのは、単に下らなすぎて日本に入ってきていなかっただけだろうな。こうしてオンライン・レンタルサイトでブチ当たってしまった今、2度とこんな目に合わないように願っている。
こんな作品を日本に輸入する前に、他にもっと輸入するべき作品が多々あるだろうに、何がどうして輸入されたのかも皆目解らない。全くもって『痛快』な『エンターテイメント』でないことは確かなので、どなたも胡散臭い解説には紛らわされないようにされたし。
しかし、B級を端からバカにして取り合わない人がいるように、単に私がC級をバカにしているだけかもしれない。B級に根強いファンがいるように、C級にも根強いファン層があるのかもしれない。そうした方々には、この映画、日本で観られる貴重な作品として重宝するのかもしれない。とにかく、、、酷かった、、、。

ぽすれん『ブレイカーズ・ラッシュ』紹介


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