『愛より強く』

2008年05月27日 22:50

〔独/土〕GEGEN DIE WAND (2004年)
監督:ファティ・アキン
脚本:ファティ・アキン
ビロル・ユーネル/シベル・ケキリ/カトリン・シュトリーベック/グヴェン・キラック/メルテム・クンブル

ドイツで暮らすトルコ人のジャイトは、妻を亡くして自暴自棄になっていた。ある晩、車をわざと激突させて自殺を図る。トルコ系ドイツ人であるシベルは、家族からの束縛を逃れるために自殺を図ったがこちらも失敗。2人は病院で出会う事になる。家族から逃れるための偽装結婚をシベルに持ちかけられたジャイトは、渋々ながらも承諾してしまう。こうしてシベルはようやく自由を手に入るが、その自由は、2人がお互いに対して無関心な間だけ、成立するものだった・・・。

この作品を観ている間中思い出していたこと、それは、O・ヘンリの『賢者の贈り物』。中学生でこの作品をまともに読んだ私は、『恋愛に於いては、常に女が得をするという話だな』と思ったのでした。可愛くない?あら、、、、そうよね、、、。でもそう思ってしまったのですよ。ポイントは、一応女の方もそれなりに苦労しているが、それを上回って、男の方が遥かに取り返しのつかない苦労をしているという辺り。女は代替があったり、取り返しがつく様になってるのねぇという。
この作品も、シベルは結局、ほぼ全てを手に入れたのじゃないだろうか?シベルの不幸は、誰の責任でも無く、自らが呼び込んだと言っても過言ではない気がする。一方ジャイトは、完璧にシベルに翻弄されたという印象。まぁ確かに、40歳も過ぎて小娘に翻弄される方が悪いと、私なんぞは思ってしまうのだが。
物語が急展開を見せる半ば頃までは、展開も気になりつつ楽しんで観ていた。そして急展開後、ラストの大枠を予想させるエピソードが続き、まさかな、待てよ?と思っている間に終了。恐ろしいほど典型的で、全く捻りの無い、教則本にでもなりそうなラスト。正直ちょっと驚いたわね・・・。ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作なのよね、これ。やぁっぱり、金獅子は絶対的だけど、銀熊とは相性悪いみたい・・・私って。どの変が・・・銀熊なのか解らない・・・、無念だ。
太陽に恋して』は、物語のタイプもあっただろうが、トータルでは十分面白いと言い切れる出来だったのだが、本作も比べて考えると、どうも全体的に物語が薄い気がする。訴えかけるものが薄弱というか、全体の印象が弱いというか?全体的に軽々しい雰囲気を感じてしまうのだ。
ドイツに生きるトルコ移民という背景などは解るのだが、それも上手く活かしきれていないような気がしてしまう。物語を作る要素として根底に横たわっているだけで、扱いが薄いのよね。。。
1つだけ凄い事があるとするなら、シベル役の女優が素人だったこと。街中でスカウトされて本作の主演女優に決まったそうだが、その度胸と大胆さに感服だ。道を歩いていて『主演女優やらない?』『OK!』というのも凄いが(笑)、あの演技、あの大胆さには敬服する。相手役は、本気なのか演技なのか解らない、異様な渋さを称えた良い男(笑)、迫力負けしそうなところを、十分に渡り合ってるところも凄い。個人的には、シベルとジャイトの愛に全く必然性が感じられなかったのだが、それも何となく納得してしまうような、双方の演技と存在感に救われた気がする。
自由を謳歌する小悪魔的な奔放さと、伝統に絡め獲られて傷つく繊細さ。一旦は人生に負けたのか、最終的には勝つ事が出来たのか?そうした二面性を表現できる素材が際立っていて、スカウトする人も、伊達な眼力じゃないのねぇやはり。

愛より強く スペシャル・エディション愛より強く スペシャル・エディション
(2007/02/23)
ビロル・ユーネルファティ・アキン

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ぽすれん『愛より強く』紹介

『不完全なふたり』【ラストがネタばれ!】

2008年05月26日 20:50

〔仏/日〕UN COUPLE PARFAIT (2005年)
監督:諏訪敦彦
構成:諏訪敦彦
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ/ブリュノ・トデスキーニ/ナタリー・ブトゥフ/ジョアンナ・プレイス ナターシャ/ジャック・ドワイヨン/アレックス・デスカス/レア・ヴィアゼムスキー/マルク・シッティ ローマン/デルフィーヌ・シュイロット アリス

周囲の憧れのカップル、マリーとニコラは結婚15年目。完璧な夫婦だと思われていた2人だったが、実情は寂れ切っていた。離婚を決意した2人は、長年暮らしているリスボンから故郷フランスへと、友人の結婚式のために戻ってくる。旅行と言う新密度から逆に、無用な緊張状態に晒された2人は、言い合い、突き放しながら、今までの、そしてこれからの関係を見つめ直していく。

ヨーロッパで絶大な人気を誇るという諏訪監督、『パリ、ジュテーム』でも、唯一の日本人監督として参加を果たしている。その監督が、完全フランス・ロケ、ヨーロッパの役者を使い、全編フランス語の台詞で挑んだ本作、興味だけがやたらと先立っての鑑賞だった。
脚本は無く、その場のリハーサルによって展開を作っていくのがスタイルだそうだ。某中国人監督さながらだな・・・。だからなのか、いや間違いなくそうなのだろうが、余りにも典型的なこじれたカップルの姿が全編に溢れている。なんとも、胸が痛いやら居住まいが悪いやら(笑)。主演のV・B・テデスキは結構好きな役者なのだが、そうか、彼女もこういう典型的にこじれた恋愛を経験しているのね・・・とニヤリ。
お互い言いたい事を言い切るだけで、『話し合い』にはなっていない2人。怒鳴り合いにはならず、どちらかの言い分が激しい時は、不必要なほど相手は冷静で、だからこそ言いたいことは言えるのだが、全くスッキリしないのだ。不満はいや増すばかり。相手のことを思うから、愛は冷めてはいないから、気持ちを受け止めて欲しいのに・・・、どうしてあなたは聞いてくれないの?どうしてお前は弱さを見せないんだ!?・・・ああ・・・・・まどろっこしい!!!
まぁだから結局、そういう2人の物語。そんな作り方だから、格別捻りも深淵さも無い。この作品を観て、大方の観客が最も強く感じるのは、『思い出したくない過去』なのじゃないだろうか?女性はマリー、男性はニコラに己の姿をダブらせて、なんだか嫌な汗でもかいてしまいそう(笑)。
ラストは嫌いじゃない、むしろ好きな雰囲気と展開だ。しかしこれほど先の展開を予測させ、また『一時的』としか思えないハッピー・エンドも珍しいのでは?個人的には、最後までマリーとニコラが『話し合い』をしなかった事が気にかかった。
お互い愛情があるのは解るのに、不満をぶつけるだけ。周囲にとって理想のカップルだった2人だが、そうであり得たのは、間違いなくお互いのプライドの高さからだったのだろう。自分たちの傷を頑なに隠そうとするプライド、そのプライドは、そのままお互いの関係に大きな楔を打ち込んで、結局2人は、その邪魔なものを取り除ける努力を一切していない。
表面的な失態はあったかも知れないが、心底から人間らしい醜態は見せていないのよ。プライベートで、たった2人だけであっても、演技するかのように『自分』を曝け出さなかった2人。だから彼等はこれからも演技を続け、『危機を乗り越えた2人』を演じ続けるのだろうが、いずれまた鬱憤は溜まる。そしてまた、自分は見苦しくはならないけれど、相手にだけ曝け出す事を求める諍いが始まるのだろう。。。不毛だなぁ、マリーとニコラ。面白く興味深く観られたし、演技も良かった。演出や映像も雰囲気にとても合っていたのだが、なんとも不毛な愛の姿だなあと、妙な後味の悪さがあることは否めない。

不完全なふたり不完全なふたり
(2008/02/08)
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ

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『イタリア的、恋愛マニュアル』

2008年05月07日 21:13

〔伊〕MANUALE D'AMORE (2005年)
監督:ジョヴァンニ・ヴェロネージ
脚本: ジョヴァンニ・ヴェロネージ/ウーゴ・キーティ
シルヴィオ・ムッチーノ/ジャスミン・トリンカ/マルゲリータ・ブイ/セルジオ・ルビーニ/ルチャーナ・リッティツェット/ディーノ・アッブレーシャ/カルロ・ヴェルドーネ/アニタ・カプリオーリ/フランチェスコ・マンデッリ/ロドルフォ・コルサート/ダリオ・バンディエーラ

職なし恋人無しのトンマーゾは美しいジュリアと『出会い』、猛然とアタックをしかけるのだが?倦怠期の夫婦マルコとバルバラは、『すれ違い』を何とか修復しようと試みるが、事態は悪い方へと転がって・・・。オルネッラは自分達の結婚生活に満足していた。しかし偶然夫の浮気現場を目撃、彼の『よそ見』が許せないオルネッラはある行動に出る。妻に棄てられたゴッフレードは、余りのショックから立ち直れない。書店で見つけた『恋愛マニュアル』を購入するが、『すてられて』の章は余り彼には合っていないようだった。恋愛における4つの要素を軸に、4組の男女が恋愛マニュアルによって紐解かれていく。

イタリア映画の割りにはアクがなくて(笑)、無難に面白かったかな〜と言うところ。こういう無難さは安心できるのだが、強烈な印象が残る面白さには繋がらないのが残念。『ハリウッド以外で何か面白い恋愛映画は?』と聞かれた時に、迷わずお勧めできる作品ではある。十分にヨーロッパ的であり、面白さにそつもなく取り付きやすい、ラストも誰もが納得の展開だろうし。
万人受けする解り易さと面白さ、それでいて悪ふざけがすぎないコミカルさ、人間臭くてスマートな、実にイタリアらしい恋愛模様の描き方。このテイストは何となく馴染みがあるぞ?と思ったら、『踊れトスカーナ!』の脚本家・・・の監督(&脚本)作品!どおりで(笑)。
上記の映画で強烈に印象に残っている部分も、そのイタリアらしい恋愛テクニック。いやはや、クッションを抱きしめて、『きぃ〜っ!』となりながら観ていたものだ。特にイタリアに於いては、男性のテクニックの方が遥かに上だと思われる。というより、女性は男性に任せておける美しさがあるから良いのだ。だからコチラは、ただ見て『きぃ〜っ!』と、羨ましがるしかない(笑)。
イタリアの恋愛映画を見ていると時折思うのだが、あえて醸し出す人間臭さやドン臭さ、計算しているくせに、あたかも無計画なように見えるさり気なさがあると思う。気が強い女性が多いからなのか(笑)、どこと無く頼りなげな雰囲気を装いつつ、その実男性側の押しは、他のどの国より強い!愛情をアピールするにおいても、飽くなき赤裸々さがあると思われる。
その反面、『すれ違い』のエピソードに見られるように、ダメとなったら絡まない事この上ない。なんとも、感情に素直な国民性が窺える。浮気に関しても、男性なら実に85%も浮気すると!?映画で言ってしまうぐらいだから、それなりに筋の通った統計による数字なのだろうが・・・なんともはや。痴漢が文化な国だものねぇ・・・。浮気より遅刻の方が罪が重いと、アンケートで出ちゃうぐらいだものねぇ・・・。んで、『よそ見』における浮気夫の態度も、なんとも天晴れな開き直りの態度であるが、対する女性の仕返しも面白い(笑)。あそこまで出来れば、気も晴れそうだ。
やはり私は、ラストのエピソードが一番良かったかなあ?それと最初ね、若い恋♪そもそも『踊れトスカーナ!』では、その台詞の巧みさと、台詞と絡めた小粋な演出が堪らなかったのだが、その雰囲気を一番良く感じられたのが、このラストのエピソードだったのだ。
なんと言っても二度見返したくないぐらい悲惨なのは、第二章目の『すれ違い』。余りにも悲惨極まりなく感じたのは、私自信も似た経験を何度と無くしているから・・・。はぁ、身につまされる。
劇中は小ばかにされる扱いだった『恋愛マニュアル』。人間の気持ちが濃く深く関わる事柄に、マニュアルなんて馬鹿らしさの極み!というスタンスだったのだろうが、ラストから鑑みるに、これも中々捻りの聞いたオチに利用されていたのではないかと?
何にしろ、鑑賞後には、あのマニュアルを手元に置いておきたい気持ちになっていた。私の場合はやはり『出会い編』なのだが、今後のためにも、全編揃いでぜひとも(笑)。

イタリア的、恋愛マニュアルイタリア的、恋愛マニュアル
(2008/01/25)
ジョヴァンニ・ヴェロネージ

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『幸せのレシピ』

2008年03月24日 01:08

〔米〕NO RESERVATIONS (2007年)
監督:スコット・ヒックス
脚本:キャロル・フックス
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/アーロン・エッカート/アビゲイル・ブレスリン/パトリシア・クラークソン/ボブ・バラバン/ブライアン・F・オバーン/ジェニー・ウェイド/セリア・ウェストン/ジョン・マクマーティン

N.Yで人気のレストランのシェフを務めるケイトは、完璧主義で自分の仕事に誇りを持つ余り、いささか周囲との折り合いが付けられない性格だった。姉の事故死で保護者を無くした姪のゾーイを引き取るが、仕事一徹の日々の中に子供がいる事に戸惑いを隠せないケイトだった。不安定なケイトを尻目に、職場に新しいスーシェフ・ニックが雇われた。彼は騒々しく周囲を巻き込み、ケイトの完璧な職場を荒らし回るかに見えた。しかし、悲しみを乗り越えようとするゾーイや、ニックの暖かい本性を知る内に、自分自身が固い殻を被っていた事に気が付いて行く。

どちらかと言ったら、↑の粗筋は本家『マーサの幸せレシピ』の方に近いかも?完璧主義で周囲と上手く溶け合えない不器用なマーサが、不安定だけど素直な姪っ子、職場に現れた騒々しくも人間味のあるイタリア人男性との触れ合いを通して、それまでの凝り固まった自分の考えや生き方を少し軌道修正して、その不器用さを周囲に晒す勇気を持つ話だ。
ドイツ映画らしくと言うべきか、いきなりマーサが器用になったりしないところが良い。最後まで彼女は不器用なままだけど、素直に感情を表す事、完璧さを打ち捨てる事を学び、より人間らしい素朴さを身に着ける。大仰でないところがまた良い。これはあくまでも、主人公マーサの物語であり、恋や姪との触れあいは、そうした彼女への影響の一部でしかない。姪との関わりのほうがよりマーサを突き動かした原動力であったのも、単純に恋愛に逃げない深みがあって良かった。
リメイクである本作は、話の主軸が『恋』に集中している感があり、コメディではないけれど、ライトタッチのロマンス映画になっている。しかしそれはそれで、中々良かった。
何しろ姐さん、キャサリン姐さんが最高(笑)。美貌は健在だが、メイクも控え目でファッションは全てパンツ・スタイル。堅実な料理人を見事に演じていた。が、やはり姐さんが料理って(笑)。
対するA・エッカートもナイスなキャスティング。うっとりするほどの美男子じゃないけれど、溢れる人間味がそれだからこそ感じられる。元映画のようにイタリア人という特性は持ち合わせていないが、それに相当する人当たりの良さが滲み出ていて良かった。
元映画ではとにかく周囲に対して不器用な主人公であったが、こちらのケイトはさほどでもなく、仕事に対しては確かにとっつき辛いところはあるが、同僚やご近所さんに関しては至極まともな人間らしい対応が見られる。この辺からも、ケイトに修正すべき人間性は無いと感じられるので、『恋』に集中して物語を楽しめる。
思えば、制作年代の近いリメイク作品は殆ど見た事が無い。元映画は見るのだが、ハリウッドのリメイクには興味が無いのだ。往年の名作のリメイクとなれば、往年の方を知らないので、全く新しい作品として観る事はある。記憶にある限りは初めてそうした作品を観たが、変更点も気になるどころか上手い転換を見せていて、少しばかり無機質で透明感があった元映画の雰囲気を極力再現したような全体の雰囲気と良い、元映画を大事に再生し感じで好印象だった。
んぐぅぁあ〜(が〜!)許せない、1つだけ許せない箇所があった。ラストだ、ラストが全然違う!!!これはどうなの、これはいかんのぉ〜。元映画では、あのラスト、あれが良かったのだ。確かにお国柄的にちょっと難しい設定だとは思うが、ラストのエピソードを全て削ってしまうの!?と気が付いた時には既にエンディング・ロール。うぉぉぉ!とクッションを引っ掴んだ(笑)。
姪との関わりを大切に描いた心温まるあのラスト、確かにロマンス映画としてはちぐはぐな印象だろうとは思うので、是非とも、未見の方は『マーサの幸せレシピ』でお楽しみ下さい。

幸せのレシピ 特別版幸せのレシピ 特別版
(2008/02/08)
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、アビゲイル・ブレスリン 他

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『恋は突然に。』

2008年02月19日 22:39

〔米〕CATCH AND RELEASE (2006年)
監督:スザンナ・グラント
脚本:スザンナ・グラント
ジェニファー・ガーナー/ティモシー・オリファント/サム・ジェーガー/ケヴィン・スミス/ジュリエット・ルイス/ジョシュア・フリーセン/フィオナ・ショウ/ティナ・リフォード/ジョージア・クレイグ

結婚式を目前に控えて、婚約者のグラディを事故で亡くしたグレイ。悲しみに暮れる彼女を何かと気遣ってくれるのは、グラディの友人達だった。しかしグラディの身辺整理をする内に、次々と彼の秘密が明らかに。衝撃的な事実に狼狽するグレイだったが、グラディの秘密を知る友人のフリッツが真実を伝え、助けになってくれる。順調に思え始めた矢先、グラディの『秘密』が突然目の前に現れる。

T・オリファントがここ最近気になっていて、思い切って借りてみた。
思っていたよりロマンス色も濃くなく、信頼していた婚約者の秘密を知った女性が、逆に痛手を糧に替えるかのように、親切な彼の友人、そして彼の『秘密』だった人達との触れ合いを通して、それまでの硬い殻を徐々に壊していくという、言わば女性版再生の物語。やはり女性が主体だと軽やかで可愛らしい感し。こういうのは嫌いじゃない。
しかも!勝手にアクション俳優だと思っていた(笑)J・ガーナーが、以外にも可愛くて良かった。羽目を外す事も無く、いつでも誰かの手本のように振舞う『完璧』な女性像がしっくりはまり、映画後半では、不器用ながらも柔らかい自分に変わっていこうとする頼りなさも披露。そんな不器用な感じもまた可愛らしくて、結構良い女優さんだったんだなと再確認。
難を言うなら、愛していた人が死んで数日で、別の人に恋をするというのはいかがなものかと(笑)。その言い訳が通るためにも、元恋人の裏切りを暴露するというプロットがあるのだろうが、その割にはグラディという死んだ恋人が、あくまでも『良い人』的描かれ方でしっくり来ない。それに、信じていた人に酷く裏切られたのなら、そう簡単に次に乗り換えるのも・・・かなり精神的に難しいのじゃないか?と思うのだが。これを言ったら、ロマンス全否定になってしまうけど(笑)。
逆に、グラディの秘密だった2人の人間は、定説通りに『嫌な人達』じゃなかったのが良かった。そうした人達を素直に受け入れる事で、グレイも偏狭な堅物さを打ち捨てる事に成功したのかも知れない。もちろん観客も、変な苛立ちも無く、グレイが彼等を受け入れた事実をすんなりと信じる事が出来るのだ。
ちなみに、こういう役をやらせると、J・ルイスは上手い(笑)。がさつで派手で無遠慮で、だけどしっかり前を見てる、物事の真実もちゃんと見えてるという、隠れ聡明タイプが良く合う女優なんだな。
適度にコミカルで、なんだか優しい作品。出演者達の演技も自然体で、舞台となっている町の雰囲気がまた最高。劇中フリッツが語るように、日常と非日常を併せ持ったような、賑やかで自然が美しい所なのだ。嫌味な人も出てこないし、とにかく爽やかな印象の作品、女性にはかなりお勧めできると思うんだけど。
さて、そろそろ良いかしら?冒頭で述べたように、T・オリファントが見たくて借りた。ヤバイ、、、これはヤバイ。素敵過ぎます。この衝撃はエイダン・クインを見付けた時以来。いや〜、いや〜、いや〜〜〜、カッコ良いわ〜。驚いたわ〜。あれだけ紫の花柄ワイシャツが似合う人、他にはいないね。素敵過ぎるね。
少しエキセントリックだったり、脇役過ぎたり、シリアス過ぎたりする役柄が多いから、こんなに素敵で爽やかでセクシーな役柄なのは貴重な作品かも?新作がアメリカでヒットして、遅まきながら名前の売れ始めた彼。本年度の新作は2作(今の所)、多分トップ・クレジットもあるはず。
何はともあれ、新作『ヒットマン』が日本でもヒットして(ギャグじゃない)、日本でも知名度がグンと上がり、次々回作共々、無事日本でも観られますように・・・と思わず拝んでしまうぐらい素敵だったわ(笑)。

恋は突然に。恋は突然に。
(2007/11/21)
ジェニファー・ガーナー; ティモシー・オリファント; サム・ジェーガー; ケヴィン・スミス; ジュリエット・ルイス

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『9 Songs ナイン・ソングス』

2008年02月08日 21:53

〔英〕9 SONGS (2004年)
監督:マイケル・ウィンターボトム
脚本:マイケル・ウィンターボトム
キーラン・オブライエン /マルゴ・スティリー/プライマル・スクリーム/フランツ・フェルディナンド/マイケル・ナイマン/エルボー/ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ

コンサートで出会った男と女。彼らは直ぐに意気投合し、やがて激しい愛に落ち込んでいく。我侭で奔放な彼女だが、男はそんな彼女の全てが愛しい。2人はコンサートを楽しみ、愛を楽しむ。やがて別れの時が来て、彼女は去って行った。男は今、南極の大地であの愛を思い出す。彼女が残した、肌の感触と匂いを感じながら。

最初にお断りしておくと、多少回りくどくても、直接的な表現は出来るだけ排除して感想を書きたいと思う。そうでもしないと、逆検索で不愉快なサイトに色々と引っかかってしまいそうなので。それ程に、この映画の内容は・・・、え〜、、、っと?大人向けだった(笑)。
1人の男が過去の恋愛を思い出し、愛した女性との濃密な時間を思い出すという構図。男が立たされているのは、何物も無い、ただ白銀の世界広がる静謐な南極の大地。そうして煩雑な現実から遠く離れて、男はとことん、思い出の中に浸る事ができたのだろう。時折差し挟まれる荘厳さを包括した、むしろ穏やかとでも言えそうな南極の風景が、作品のほとんどを占めているとんでもなく濃厚な愛の描写との極端なコントラストになっているようで印象深かった。
愛する人を思い出すとき、あなたなら何を基準にして思い出すだろう?時に笑顔であったり、共通の趣味を軸にした語らいだったりするかも知れない。主人公マットは、ずばり『愛=体の営み』という直接的な思考だった。愛した人の肌や匂いによって、全ての思い出を封じ込めている。
1組のカップルが辿る様々な経験、出会いから別れまでの時間と関係の流れを、単に愛し合うという行為の描写とコンサート風景だけで表現したものだ。コンサート風景1/3、愛の営み2/3と言ったところ。2人の気持ちの変化が見え始めた事ですら、愛の行為によって表現される。しかも、かなりどぎつい。
表現する要素を2つに絞った、だからこそ、その描写を他とは一線を画す程の印象深さで表したい、その意気込みは良く解る、非常に意欲的ですらあると思うが、やはり私も、多くの方が言っているように、これは『普通の映画』と言えるのか?という部分に疑問を持つ。
普通の俳優にここまでさせる必要はあったのか?その道のプロならいざ知らず、良く出演を承諾したなというのが正直な感想。男はまだ良いよね、女優にしてみたらかなりの犠牲を払っているとしか思えない。しかも映画初出演だというから、足元を見られていたのじゃないか?と邪推したくもなる。この作品以降余り目立った活躍もないので、なおさら複雑な見方になる。普通の映画とアダルト映画、その線引きはどこにあるのか?ここまでやられちゃうともう解らない。
映像は綺麗で、芸術的な音楽をバックに流し、全体的に静かな流れ。思い出を語る映画という点からも、どこか霞のかかった様な美しい印象すら残った。あれほど凄まじい描写だった割に、記憶に残っているのは静謐でしっとりとした愛の姿というのも、ある意味この監督の凄いところだなとは思うし、少なくとも私にとっては、監督の試みは成功していると言えるのかも?
単に1組のカップルの出会いから別れを描いているだけなので、物語に深みや面白みは一切無い。監督の深みを探りたいならお勧めだし、演出や表現方法など、物語を除いた映画としての楽しみところはたくさんあると思われる。そうした映画は得てして『芸術映画』的扱いを受けるが、私はやはりこれを芸術とは認めたくは無い。
映画としての楽しみどころはたくさんあると書いたが、純粋な興味以外のいやらしい観点でしか見られない人もたくさんいるだろう。そうした要素が強すぎる、だからこそ芸術とは思えない。だって、ボッティチェルリの『ヴィーナスの誕生』を観て、性的興奮を覚える人は殆どいないでしょう?だから芸術と呼べるのではないだろうか?どんなに良い要素を含有していようとも、くだらない興味や中傷などが判断の目を狂わせる可能性が多くある場合、それは芸術とは言い難い、単なる『やりすぎ』の域にあると思うのだ。

9Songs ナイン・ソングス (レンタル専用版)9Songs ナイン・ソングス (レンタル専用版)
(2005/09/02)
キーラン・オブライエン

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ぽすれん『9 Songs ナイン・ソングス』紹介

『赤いアモーレ』

2008年02月03日 23:39

〔伊〕NON TI MUOVERE (2004年)
監督:セルジオ・カステリット
原作:マルガレート・マッツァンティーニ
脚本:セルジオ・カステリット/マルガレート・マッツァンティーニ
セルジオ・カステリット/ペネロペ・クルス/クラウディア・ジェリーニ/アンジェラ・フィノチアーノ /マルコ・ジャリーニ/ピエトロ・デ・シルヴァ/エレナ・ペリーノ

外科医ティモーテオは、娘が交通事故に遭い、勤務先の病院に搬送された事を知る。娘の安否を気遣うティモーテオだが、窓の外にある女性の姿を見出し、かつての愛の思い出へと立ち返っていく。その頃ティモーテオは、深い孤独の中にあった。そんな折に出会った貧しい女性、イタリアに恋をしたティモーテオ。心から愛する女性と思えたのだが、隠された2人の関係は悲劇的な結末を迎えたのだった。

これは恐らく、ティモーテオという男をどれほど好意的に見る事が出来るか?というのが、観客においてこの映画の価値を決める基準になりそう。もう1つ、ティモーテオの愛人となるイタリアを、どういった女性像として捉えるか?これもそれなりの意味を持ちそうだ。
見方は様々だと思う。医師として成功して、美しい妻もいて、確かにかつて父親に捨てられたかも知れないが、それを償って余りある人生だったのではないだろうか?しかもイタリアを手に入れた経緯も酷いもの。その後の行動もどっちつかずで自分勝手。変に悲劇的な雰囲気を装っている様に見える。イタリアを愛したのだって、ただ単に彼女が無心に自分を愛してくれたから、という理由以外に、根拠は無いように思えた。
しかし私は、このティモーテオという人間像にそれほどの嫌悪を感じなかった。むしろ人生を思うままに謳歌できない、不幸な人なんだなと思えた。ただ憐憫だけを、ティモーテオに感じたとでも言おうか。不器用で哀れな男が、ようやく見つけた愛する幸せ、しかしそれも、無残にも手放す事になる。結果この男は、延々と自らを責め続けていく羽目になっただろう。
イタリアに関しては、とにかく胸が痛くて痛くて、これほど切ない女性像を作り出すなんて、なんて罪な映画かしら・・と(笑)。いやとにかく、その幸薄い姿に胸が痛み、とことんまで悲劇的な運命を甘んじて受け止めるイタリアの姿に泣かされた。これがまたP・クルスの演技の凄い事!というか変身ぶり。整形?という失礼な疑惑まで起きてしまうほど、洗練さの一片も無い、田舎の薄汚れた、貧乏でがさつな女を演じている。まさに捨て身の演技と言えそう。
とにかく、主演2人のキャラクターに同情の波が押し寄せる。愛する事しか出来ないイタリアの、何か壊れてしまったような惨めさが辛い。立ち居振る舞い1つを取っても可憐さや儚さは欠片も無く、痛々しいまでの惨めさだけが漂っているイタリア。そんなイタリアに、悪気は無いが辛い決断を迫るしかない、生きる事全てに不器用なティモーテオ。ああ、胸が痛いったらない。
結果として、ティモーテオはイタリアに救われたのだろうが、それをどう観るか?というのも最後の最後の鍵になるだろう。所詮愛人なんてそんな役割。私にはそう思えた。影である事を知った上で愛した男なら、最後までその男の幸せを願う、それが愛しすぎる不幸な女の、転じて幸せになるのかも知れないじゃないか?
最初から報われないと解っていた、だからティモーテオが自分の元に返ってきた時も、どこか完璧には信じられないような、受け止めてしまえないような、不安な気持ちが表情に滲み出ていた。イタリアには最初から解っていたのだろう、ティモーテオは自分の物には永遠にならないと。だから、潔く身を引いた、そして永遠に。あ〜、痛い、痛い、痛すぎるこの映画。
でもね、この映画なんだか良かった。正直、『素敵なロマンス映画』なんて口が裂けても言えないが、ある種の『純粋な恋愛映画』と、小声でなら言っても良いのじゃないだろうか?

赤いアモーレ赤いアモーレ
(2005/06/03)
ペネロペ・クルス、セルジオ・カステリット 他

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『四角い恋愛関係』

2008年01月26日 20:36

〔米/英/独〕IMAGINE ME & YOU (2005年)
監督:オル・パーカー
脚本:オル・パーカー
パイパー・ペラーボ/レナ・ヘディ/マシュー・グード/セリア・イムリー/アンソニー・ヘッド/ダーレン・ボイド /スー・ジョンストン/エヴァ・バーシッスル/ベン・マイルズ

レイチェルとヘックは長年のカップル、ようやく結婚式の当日を迎えた。しかしその日レイチェルは、運命の人と出会ってしまう。しかしその相手ルースは女性だった。初めはルースに対する感情に戸惑っていたレイチェルだったが、次第にその気持ちに歯止めが効かなくなっていく。そして、優しい夫と運命の相手との間で、激しく揺れ動く悩みを抱える事になる。

全然四角くない、いやむしろ、三角ですらない。これは、お互いを運命の相手と認めた2人の女性が、困難を(と言うか本当の問題はレイチェルの夫だけなんだけど)乗り越えて、お互いの気持ちを通い合わせるという普通のロマンス。
問題点としては同性愛、片方が新婚という2つに絞れるが、当のレイチェルは『同性愛』という部分にはほとんど感心を見せず、至極当たり前に受け止めているように見えた。むしろ彼女の悩みは、余りにも優しい夫を傷つけるのが忍びないと、この点だけに集中していたよう。
これがちょっとばかり不自然だと思った。長年1人の『男性』を愛してきた異性愛者の『女性』が、一瞬にして同性愛に変わる。別にこれはまだ良い、運命ってそういうものなのかも?と思えば何となく形が付く。しかしね?例えばこの状況を自分に置き換えてみたら、先ず間違いなく自分のそんな感情に戸惑って、逆に夫の存在に逃げるだろう。新婚だし、世間体的にも問題の少ない状況を選ぶだろうし、自分の気持ち自体が信じられなくて退けようとするだろう。
レイチェルには全くその辺の動揺が見えない。ただひたすらに、夫の存在を気にかける。親でもない、会社でもない、友人でもない、夫ヘックを傷つけたくない、問題は夫1人なのだ。
さてこの夫ヘックが、お前おかしいよ!と怒鳴りたいくらいに(笑)、優しくて良い人過ぎた。だから三角関係というには弱すぎる存在感。大好きなM・グートが演じていなかったら、ほとんどその存在が残らないくらい薄い。従って、この映画は単なるロマンス映画という印象で、せっかく新婚なのに妻が同性の運命の恋人に出会ってしまった!という面白いプロットが用意されていたのに、その辺のポイントは全く生かされていなかったな?という感じ。
でも、普通のロマンス映画だと思えば、テンポも良いし、まずまず際立った派手な演出も無いし、可も無く不可も無く、無難に楽しめる映画だろう。まぁこの『可も無く』というのが問題で、夫ヘックのように、印象の薄い恋愛映画になってしまっているのだけど(笑)。

四角い恋愛関係四角い恋愛関係
(2007/09/07)
パイパー・ペラーボ

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ぽすれん『四角い恋愛関係』紹介

『THE LAST DAY』

2008年01月22日 23:10

〔仏〕LE DERNIER JOUR (2004年)
監督:ロドルファ・マルコーニ
脚本:ロドルファ・マルコーニ
ニコール・ガルシア/ギャスパー・ウリエル/ブリュノ・トデスキーニ/クリストフ・マラヴォワ/Melanie Laurent/Thibault Vincon/Alysson Paradis

クリスマス休暇で実家へ帰る途中のシモンは、列車でルイーズという少女と出会う。そのままルイーズを実家に連れて帰ったシモン。故郷で親友のマチューとも再会し、ルイーズと3人で出歩く内に、3人には奇妙な関係が出来てしまう。ルイーズに惹かれるシモンだが、ルイーズはマチューに感心があるようだ。そしてそのシモンの感情が、ある悲劇を招く事になる。

何かなぁ、私、切ないロマンス映画と勘違いして借りてしまった。この映画の少ない解説の『そこにはあまりにも悲しい結末が待ち受けていた。』という辺りから勝手に、ルイーズかサイモンのどちらかが不治の病かなんかだろうなと・・・(笑)。私も昨今の日本の感涙系恋愛映画にかなり影響されているみたいだ。
フランスはそんなに甘くない、そう、全く甘くないのだ。この映画のタイトル(ちなみにアメリカでのタイトルをそのまま日本でも使っている)、直訳すれば『最後の日』。観終わった時、『あ〜なるほど』とタイトルの意味を実感した。上手いのかどうかは良く解らない。そこまでは必要ないじゃない?という感じ。話の流れから考えると、ラストの比重が重過ぎる気がした。
『冗長』、私がこの映画を1言で表わすならまさにこの言葉がピッタリ!105分の映画なのだが、とにかくダラ〜っと長く感じた。印象的な風景や台詞の無いキャラクターの行動などで、深い精神性や芸術性を出そうとしていたのかも知れないが、正直逆効果?と思えた。無駄なアップがあるかと思えば、変に軽い雰囲気もあり、そのくせ無意味にシリアスにはまり込んでいたりする。バランス感が悪い。
ただし!G・ウリエルがまぁ綺麗!あら綺麗!とんでもなく綺麗(笑)。私この役者、美形だからというので好きなのではなく、むしろ気になる役者だったのだ。美形ではある、確かに綺麗だ。女装でもさせたら、ゴツイなりに綺麗だったガエル・ガルシア・ベルナルなんぞ目じゃないぐらい、いや、普通の女性より格段に綺麗になるだろう。そのままスーパーモデルにもなれるんじゃないか?と思えるほどなのだが、幼少の頃につけた傷が僅かに頬に残り、それが大きなエクボのようになっている顔が、印象深さを決定付けているようにも思っていたのだ。
彼が弱冠20歳の頃のこの映画、この監督(男だけど)、G・ウリエルが単に撮りたかっただけなんじゃないの?と思わせるほど、彼だけがやたらと美しく撮られている(笑)。
思えば彼の映画、変な役ばかりだもんなぁ(笑)。『ハンニバル・ライジング』で結実したか?と思えるほど、良くも悪くも妙な役が良く似合う。汚れ役というのでもないが、普通じゃないのが似合うのだ。『パリ、ジュテーム』ですら妙な役だったしね。『かげろう』はそうね・・・?影がある役で、決して普通の好青年じゃないのは確か。それがまた良いのです。
んで、たまには・・・いや、初めて、普通の青年の役でも見てみるか?と思ったらこれじゃない。その美しさばかりに目が行っちゃうのね(笑)。今までの役選び、かなり正解と思われる。単なる美形俳優で終わっちゃ勿体無いし。しかし今回の役も、決して普通ではない。影もあるが、あんな事やこんな事、あんな格好、色々やらされてます(笑)。
という事で、G・ウリエルがとにかく好き!彼だけを観ていたいの!という女性には徹底的にお薦め。それ以外の方は、感受性がすこぶる豊かな方にのみ、お薦めできそうな映画だ。

THE LAST DAYTHE LAST DAY
(2007/10/26)
ギャスパー・ウリエル

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ぽすれん『THE LAST DAY』紹介

『薬指の標本』

2008年01月19日 14:55

〔仏〕L' ANNULAIRE (2004年)
監督:ディアーヌ・ベルトラン
原作:小川洋子
脚本:ディアーヌ・ベルトラン
オルガ・キュリレンコ/マルク・バルベ/スタイプ・エルツェッグ/エディット・スコブ/ハンス・ジシュラー/ソティギ・クヤテ

イリスは職場の事故で薬指の先を失ってしまう。新しい仕事を求めてやってきた港で、彼女は人々の記憶を留めた品物を何でも標本にするという、不思議なラボでの事務職を見つける。上司はラボの技術士ただ1人。謎めいたその男は、イリスに美しい靴をプレゼントし、それを始終身につけていて欲しいと頼む。そして、謎めいた技術士の雰囲気にのまれるように、イリスは彼の虜となっていくのだった。

日本人作家、小川洋子さんの原作に魅せられた監督が、フランスに舞台を移して映画化した作品だ。少し調べてみると、この不可思議なプロット、展開、全ては小川氏の作品世界の特徴であるらしい。その作風はファンからも欧米風と評されており、だとしたら、フランスにおいてこういう映画になったのは頷けるものである。
非常に『フランス的』なこの映画。際どい愛の描写、それでいて飄々としたような素っ気無さ。気持ちの深遠を映し出しているようでいて、掴み所の無い展開。ラストにおいても、さもありなんと納得しつつ、その展開や意味するところにおいては、かなり慎重な考察時間を要する。
果たして、技術士がイリスに与えた『靴』の意味するところは何なのか?ラストにおいてイリスが取った行動がもたらす結果は?イリスは最終的に、何を技術士に預けたのか?疑問とも付かない様々な思いが残った。
これは愛の物語、余りにも芸術的で表面的に美しい愛の物語。そしてその芸術を奥深くまで覗き込んだ時、観る人様々に感じる物が違う、そうした芸術センスの高い作品だと思われる。
それにしても、主演のO・キュリレンコ、先日観た『パリ・ジュテーム』にも出演。イライジャ・ウッドと共演していたあの・・・。そして最新作では『ヒットマン』だが、とにかく綺麗!綺麗なんであるが、この作品では極普通の女性を演じていて、これほどオーラが消せるものなのか!と感嘆する思い。しかしこの作品でも、どうしようもない程落ち込んだ主人公イリスが、徐々に美しくなっていく様をさり気なく見せられるあたり、素材が良いって素晴らしいと思わせる。
平たく言うと、非常に幻想的で綺麗な映画ではあるが、苦手な部類なのである(笑)、そんな中、昼間と夜間でイリスと部屋をシェアしている港の労働者コスタを演じた役者。ほとんど台詞も無く、暗い陰影を多用していたため顔の判断も付き辛いが、この人・・・『ベルリン、僕らの革命』のピーター役の人じゃない!と、気がつけた自分に二重丸(笑)。
『ベルリン、僕らの革命』では、主演クラス3名中、ダニエル・ブリュールは言うに及ばず、ユリア・イェンチも『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』で高い評価を受け、ドイツ俳優界の先陣を切る勢いなのに対し、中々別作品にお目にかかる機会の無かった彼。いや〜、巡り会えて良かったよ♪

薬指の標本 SPECIAL EDITION薬指の標本 SPECIAL EDITION
(2007/03/23)
オルガ・キュリレンコ、マルク・バルベ 他

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ぽすれん『薬指の標本』紹介


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