2008年06月04日 23:08
ロバート・ルイス・スティーヴンスン著/南条 竹則・坂本 あおい 訳/光文社古典新訳文庫
世に稀に見る高潔漢であり、まさに騎士道の華と呼ぶに相応しい、ボヘミアの王子フロリゼル。王子の腹心の部下であり、忠義に生きるジェラルディーン大佐。噂に高い両名は、冒険を求めてロンドンの町に乗り出した。『自殺クラブ』と称する秘密クラブに潜入し、人の心を狂わせる『ラージャのダイヤモンド』を巡る陰謀を暴きだす。幻想的で冒険に溢れた魅力的な7つの夜話。
スティーブンソンと言えば『宝島』、『ジキル博士とハイド氏』辺りだろうか?以前暇潰しに、『ジキル博士とハイド氏』の方は携帯小説で読んだような・・・?余りに有名な話過ぎて、逆に確かな記憶が無い(笑)。ちなみに私、小学校の頃はまず読書が苦手だった上に、『宝島』とか『ロビンソン・クルーソー』とか、とにかくそういう系統の話には全く興味が無かったので未読だ。
この作品の感想を書くに当たってざっと調べてみたところ、『子供の頃に読んだ、懐かしい!』というご意見が結構多くて、そうか、これは子供さんも読める話なのかと(笑)。『自殺クラブ』なんて、結構ディープで危険なネタのような気もするが、子供に読ませても安心な奇麗事は満載だ。
後書きによると、発表当初この作品はいささか不評だったとある。確かに、大人の読者に向けては、全てが奇麗事に過ぎるのだ。容姿端麗で信義に篤く公明正大で地上最高の君主のようなフロリゼル王子。その部下で、同じく眉目秀麗、忠誠心に富み、立派な紳士たるジェラルディーン大佐。その他の人達は普通に人間臭いのではあるが、あらゆる逸脱をこの両名があっけなく軌道修正して回るので、物語には嫌味な印象が一切無い。無さ過ぎるのも玉に瑕で、何とも美しく華麗な辺りが1番、『ファンタジック』と呼ぶに相応しいかも(笑)。
著者が書き飛ばしたという風聞もあるそうだが、残念ながら読者としても、読み飛ばす事が甚だ簡単な作品である事は否めない。とは言え、一般的に『つまらない』と思われる要素が一切排除されており、型通りに冒険譚のツボを綺麗に押さえている感じ。特に前半の『自殺クラブ』などは、プロットや導入部分は大変興味深く、全体的に楽しめる作品である事は間違いないのだ。
ここまで完璧な人間なんて、実際にいたらむしろ不気味だとスレた事を思ってもみるが、やはりこういう人物には抗い難い魅力を感じる。フロリゼル王子が颯爽と歩く、19世紀のロンドンの町並みを労せずして想像できる、そんな魅力に溢れた作品でもある。時を経て古典になったからこそ、その魅力が輝きだしたのかも知れない。
深い霧に飲み込まれ、夜露だか生活水だか霧雨だかで濡れそぼった石畳が、月光に鈍く反射する夜の街角。遠くには賑やかな喧騒が聞こえ、まだこの町が眠っていない事を教えてくれる。小粋な山高帽を・・・いや私は女性なので、流行に結い上げた頭髪を夜風に揺らし、足元を仄かに照らす街頭の明かりに助けられ、半ば慌てるように、邪魔なスカートを片手で軽く持ち上げ、前方に浮かび上がる逞しい2つの背中を追いかける。その先には、胸躍る冒険をが待ち構えている事を、私ははっきり知っているから・・・。うん、総体的な感想はこんな感じだ(笑)。
世に稀に見る高潔漢であり、まさに騎士道の華と呼ぶに相応しい、ボヘミアの王子フロリゼル。王子の腹心の部下であり、忠義に生きるジェラルディーン大佐。噂に高い両名は、冒険を求めてロンドンの町に乗り出した。『自殺クラブ』と称する秘密クラブに潜入し、人の心を狂わせる『ラージャのダイヤモンド』を巡る陰謀を暴きだす。幻想的で冒険に溢れた魅力的な7つの夜話。
スティーブンソンと言えば『宝島』、『ジキル博士とハイド氏』辺りだろうか?以前暇潰しに、『ジキル博士とハイド氏』の方は携帯小説で読んだような・・・?余りに有名な話過ぎて、逆に確かな記憶が無い(笑)。ちなみに私、小学校の頃はまず読書が苦手だった上に、『宝島』とか『ロビンソン・クルーソー』とか、とにかくそういう系統の話には全く興味が無かったので未読だ。
この作品の感想を書くに当たってざっと調べてみたところ、『子供の頃に読んだ、懐かしい!』というご意見が結構多くて、そうか、これは子供さんも読める話なのかと(笑)。『自殺クラブ』なんて、結構ディープで危険なネタのような気もするが、子供に読ませても安心な奇麗事は満載だ。
後書きによると、発表当初この作品はいささか不評だったとある。確かに、大人の読者に向けては、全てが奇麗事に過ぎるのだ。容姿端麗で信義に篤く公明正大で地上最高の君主のようなフロリゼル王子。その部下で、同じく眉目秀麗、忠誠心に富み、立派な紳士たるジェラルディーン大佐。その他の人達は普通に人間臭いのではあるが、あらゆる逸脱をこの両名があっけなく軌道修正して回るので、物語には嫌味な印象が一切無い。無さ過ぎるのも玉に瑕で、何とも美しく華麗な辺りが1番、『ファンタジック』と呼ぶに相応しいかも(笑)。
著者が書き飛ばしたという風聞もあるそうだが、残念ながら読者としても、読み飛ばす事が甚だ簡単な作品である事は否めない。とは言え、一般的に『つまらない』と思われる要素が一切排除されており、型通りに冒険譚のツボを綺麗に押さえている感じ。特に前半の『自殺クラブ』などは、プロットや導入部分は大変興味深く、全体的に楽しめる作品である事は間違いないのだ。
ここまで完璧な人間なんて、実際にいたらむしろ不気味だとスレた事を思ってもみるが、やはりこういう人物には抗い難い魅力を感じる。フロリゼル王子が颯爽と歩く、19世紀のロンドンの町並みを労せずして想像できる、そんな魅力に溢れた作品でもある。時を経て古典になったからこそ、その魅力が輝きだしたのかも知れない。
深い霧に飲み込まれ、夜露だか生活水だか霧雨だかで濡れそぼった石畳が、月光に鈍く反射する夜の街角。遠くには賑やかな喧騒が聞こえ、まだこの町が眠っていない事を教えてくれる。小粋な山高帽を・・・いや私は女性なので、流行に結い上げた頭髪を夜風に揺らし、足元を仄かに照らす街頭の明かりに助けられ、半ば慌てるように、邪魔なスカートを片手で軽く持ち上げ、前方に浮かび上がる逞しい2つの背中を追いかける。その先には、胸躍る冒険をが待ち構えている事を、私ははっきり知っているから・・・。うん、総体的な感想はこんな感じだ(笑)。
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