『チャックとラリー おかしな偽装結婚!?』

2008年06月18日 23:59

〔米〕I NOW PRONOUNCE YOU CHUCK & LARRY (2007年)
監督:ミデニス・デューガン
脚本:バリー・ファナロ/アレクサンダー・ペイン/ジム・テイラー
アダム・サンドラー/ケヴィン・ジェームズ/ジェシカ・ビール/スティーヴ・ブシェミ/ダン・エイクロイド/ヴィング・レイムス/ニコラス・タートゥーロ/アレン・コヴァート/レイチェル・ドラッチ/リチャード・チェンバレン/ニック・スウォードソン/ブレイク・クラーク/ロブ・シュナイダー

チャックとラリーは消防士、幾つもの危険な任務を共に闘って来た親友同士だ。ラリーは幼い子供が2人いるが、妻は既に他界していた。その元妻が年金の受け取り人のままだったと知ったラリーは、子供たちに何も残してやれなくなると大慌て。手っ取り早く、最近施行されたばかりの『パートナー法』を利用して、年金の受取人をパートナー、つまり男、つまり親友であるチャックに託そうとする。最初は激しく拒否したチャックだったが、親友の為の虚偽行為に加担する事に。しかしあっという間に当局に怪しまれ、2人に対して厳しいな捜査が行われる事に・・・。

アメリカではそこそこの興行成績だったものの、日本では劇場未公開・・・。仕方が無いさ、だってA・サンドラーだもん!いまだに日本での知名度が低い彼だが、アメリカでの人気はかなり高いそう。シリアスもロマ・コメもこなす器用な役者だが、彼の真髄はやはりコメディ。
・・・とはいえ、A・サンドラーのコメディ映画って、何度か観ると飽きる・・・のよね。日本人ウケしないというか、笑いの質が同じというか、、、とにかく飽きたな・・・としんみり思わせる。『A・サンドラーの』と限定するというよりは、『1人のコメディアンの』と言えるかもしれない。
世に有名になったコメディ俳優は、それぞれの個性を生かした作風に多く出る。ジム・キャリーが顔芸なら、トム・ハンクスは飄々とした笑いを、スティーブン・カレルは、やたらと文字数の多い台詞といささかお堅い仕草の笑いを。勿論それで有名になったわけだから、その後もそうした個性で繋げたいのだろうが、同じ作風なので何作も観ると飽きるのよね。
で、大方はシリアス路線に変更していく。ということで!A・サンドラーもその例に漏れず、ちょこちょこシリアス系に顔を出し始めているが、そっちの方は更に日本では影が薄いのでは?それでも、A・サンドラーはまだその枠に舞い戻ってくれる。そんな初心を忘れない姿勢が好きである。なので本作も勿論観る(笑)。そして意外にも?A・サンドラーのコメディ個性は、『ドラマティック・コメディ』とでも言えそうな、割合と筋のしっかりした作品が多いのだ。
というわけで、本作も比較的しっかりしたストーリーは用意されている。導入部分がかなり強引かと思われるが、まぁそこは、コメディですから(笑)、そこまで追求しない。冒頭から中盤頃まで、これは・・・同性愛の方々がご覧になったら、大変不愉快になるのじゃないか?と妙な心配をしたが、後半は何とか盛り返す。もう一押し!という感じもしたけれど。
ラストもベタな感動路線に走らずに、笑いに走ってくれたところは良かった。不愉快になるほどアクの強いコメディはイヤだけど、有名俳優が出ている最近のコメディって、どこかで感動させようという小ズルイものが多くて微妙だと思っていたが、丁度良い加減の笑いで納まっている。
この絶妙なコメディの匙加減を見せてくれた功労者は、私思うにD・エイクロイド。もうほとんど名人芸だわ。いや〜良いわ、間の絶妙さや台詞回しなんか最高、もっとフューチャーされても良い役者よね。ついでにS・ブシェーミが、気持ち悪くてかなり良い(笑)。あんな男に付回されたく無いわ。更におまけに、ノン・クレジットのR・シュナイダー、あれ日本人だそうで。R・シュナイダーだと解って見ると、腹抱えて笑えます。この方もとても芸達者。
男女にこだわらず、『友情』というものの良い形を見せてもくれるこの作品。大いに笑って適度に感動して、やはり地味な印象は否めないが、かなり力のある脇役に固められ、手堅い作品に仕上がっていると思う。デート・ムービーとしても有効じゃないかな?こういう作品に大満足してくれる彼女なら、将来は明るいかも・・・知れません(笑)。

チャックとラリー おかしな偽装結婚!?チャックとラリー おかしな偽装結婚!?
(2008/06/12)
アダム・サンドラー.ケヴィン・ジェームズ.ジェシカ・ビール.スティーヴ・ブシェミ.ダン・エイクロイド.ヴィング・レイムス

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ぽすれん『チャックとラリー おかしな偽装結婚!?』紹介

『ゾンビーノ』

2008年06月09日 23:06

〔加〕FIDO (2006年)
監督:アンドリュー・カリー
脚本:アンドリュー・カリー/ロバート・チョミアック/デニス・ヒートン
キャリー=アン・モス/ビリー・コノリー/ディラン・ベイカー/クサン・レイ/ヘンリー・ツェーニー/ティム・ブレイク・ネルソン ミスター・テオポリス/ソニヤ・ベネット/ロブ・ラベル

地球に放射能の雲が掛かり、それがきっかけで死者が復活する現象が起こった。ゾムコン社が開発した、生者を喰らうゾンビを大人しくする首輪や様々なゾンビ対策のお陰で、増え続けるゾンビを使用人として活用する事に成功する。ゾンビを怖がる父がいるロビンソン一家にも、初めての使用人ゾンビがやって来る。孤独な少年ティミーは、ゾンビをファイドと名付けて親しくなるが、ご近所のおばあさんをファイドが食べてしまった事から、事態は深刻な方向へ転がって行く。

確かこれ、幾つかの映画祭で上映されて、意外にもかなりの好評を博した・・・という噂を聞いたような?という事で借りてみた。人気が高かった理由は、この悪趣味さによるものではなかろうか?という想像。悪趣味スレスレで回避と言いたいところだが、やはり一線は確実に超えている。
ほのぼのとして可愛らしく、50年代をイメージした牧歌的な雰囲気、友情や親子愛といった感動系のネタで適度に攪拌されてうやむやにされてるようだが、サラっと受け流す道徳観の著しい欠如に、昨今の極悪な事件の数々を思うと、私などは背筋がひんやりする思いがする。しかしこういうあっけらかんとした道徳観の放棄っぷりが、人気の秘密なんだろうなとも思うわけだ。願わくば、こういう映画で悪趣味を目一杯楽しんで、実生活には反映させない事を。
ついつい眉をひそめたくなるような描写が多々ある作品だ。ゾンビ映画にオマージュを捧げているのか、揶揄っているのかも解らない、でも結構面白い(笑)。小難しい事とか真っ当な道徳観とか、たまには棄てても良いよねぇと思える作品でもあるのだ。
映画として純粋に、ストーリーや演出で悪ふざけが過ぎる!と思う箇所も幾つかあり、特にラストの展開は、それが過ぎたのかいまいち『面白く』は無かった。あれはちょっと収集が着かないというか、むしろ変にシリアスに持って行こうと言うのか、リズムに一貫性が無くてまとまりが無い。全体的にも少し暴走気味で、良く練られた巧みな展開とは言い難いのが残念。
とは言え、程よく現実離れした舞台設定、不道徳だから逆に道徳観を得る事が出来そうな、シニカルな細部の捻りなど、基本としては優良な作品だと思う。あくまでも『ゾンビ』のパロディなのだろうが、他の方の感想を幾つか探ってみると、あのポップな雰囲気のDVDジャケット、多くの粗筋紹介を経てもまだ、純粋な『ゾンビ』映画として評価している方がいたので驚いた。しかし、この映画を評して『カナダ版シザーハンズ』というのは如何なもだろか?『ゾンビ版名犬ラッシー』は、なかなかどうして的を得てる(笑)。全体的には、ラッシー要素は結構強い。
ファイド役のB・コノリーは何をやらせても上手いと思うが、ゾンビのクセに何となく惹かれる雰囲気を醸しているのは、さすが!という感じだ(笑)。実際はピーター・ストーメアが演じるはずだったとか?だとしたら、大分切れ味鋭い雰囲気のゾンビになっていた事だろう。ティミー少年と暖かい友情は築けるようには思えない(笑)。B・コノリーで正解だったのでは?
ティミー役のK・レイがマコーレー・カルキンと激しくダブりつつも、顔立ちと話し方と声が、なんとも絶妙な特徴のある子役だと思った。出来ればコメディに突っ走って貰いたいが、どうやら割かし『演技派』として評価があるようだ。ではでは、将来に期待だ。

ゾンビーノ デラックス版ゾンビーノ デラックス版
(2008/04/23)
クサン・レイビリー・コノリー

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ぽすれん『ゾンビーノ』紹介

『ナルコ』

2008年05月15日 23:10

〔仏〕NARCO (2004年)
監督:トリスタン・オリエ/ジル・ルルーシュ
脚本:ジル・ルルーシュ
ギョーム・カネ/ザブー・ブライトマン/ブノワ・ポールヴールド/ギョーム・ガリエンヌ /フランソワ・ベルレアン/ジャン=ピエール・カッセル/ヴァンサン・ロティエ/レア・ドリュッケール/ジル・ルルーシュ/オネル・アベランスキ/フィリップ・ルフェーヴル

見た目は普通の青年のギュスは、過度のストレスを感じると一瞬で眠ってしまう、『ナルコレプシー』という病気を患っていた。まともな仕事には就けないので、子供の頃から得意だったイラストの腕を活かして、頻繁に陥る夢の話をコミックにしようと思い立った。そんなギュスを嘲笑する妻のパムだったが、通っていたせラピーの医師ププキンは、彼の画の才能に嫉妬して意外な行動に出たのだった。それをきっかけに、ギュスの眠れる精神までもが目覚める事件へと発展する。

ほっほう〜?という感じ(笑)。良い意味でなのか悪い意味でなのかは自分でも解らないが、フランスらしくない作品だった。こちらも良いのだか悪いのだか解らないが、イギリスっぽい作品だったかな。まるきり発展性の感じられない自堕落さが特に、要するに嫌いじゃないよ(笑)。
まずG・カネが観たかったのね、何でか?というと、いつもこの方を想う時、スコット・カーンとパトリック・デンプシーが混ざって出てくる。早いところ剥離してあげないと!と思っていたのだが、『戦場のアリア』とか『世界でいちばん不運で幸せな私』とか、G・カネ以前にダイアン・クルーガーとかダニエル・ブリュールとかマリオン・コティヤールとか、もっともっと気になる俳優にもって行かれちゃって、やっぱりスコット・デンプシー(パトリック・カーン)のままで・・・。
で、今回、主役、出ずっぱり、、、、う〜ん、良いんじゃないか?ちょっと印象の薄い役者だけど、長い息で祖国で頑張りそうな感じ。なんと言っても『童顔』で、なんだか釈然としない顔立ちなのが、微妙さを増長させるのかしら?しかし、この映画のために太ったのかな、あのお腹は・・・?
童顔ついでに触れさせていただくと、妻パム役の女優、年食いすぎですから。お母さんですか?というぐらい歳の開きを感じる14歳差。G・カネが若く見えるから、なお更違和感が。フランスって・・・、いやヨーロッパ映画って、こういう詳細には余りこだわらないよねぇ。
もう1つ観たかった理由は、日本公開時に、強烈な直感で『面白そうだ!』と思ったから。何でそう思ったのか?とか、そういう理由はほとんど無い、ただもう直感。たまにこういう直感が記憶に衝撃を与える事があるのだが、その直感が『当たるか』というのは、また別のお話ね。
今回は当たったと思うなぁ〜、思う・・・自分で自分に問いかけてるのだが(笑)。ちょっとイギリス風のブラック・(排他的)・ユーモアをやりすぎちゃったかな?というクドさは感じたが、展開としては面白かった。物事の発端は良いのだが、まとめがいまいち、だったかな?と言うところ。
ハリウッド風を気取っているのか風刺しているのか、強引な展開はそれなりに融合していたとは思うのだが、逆に、フランスらしいエンディングのドライさが浮いてしまった感じでもあった。やるならやる!という潔さが感じられなくて、どこか小奇麗にしようというのか、似た映画と一線を画したいのか、それが裏目に出ちゃった感が否めない。
・・・面白かったんだけど(笑)。どこか掴み所の無い雰囲気の作品ではある。単純なバカらしさとおふざけに、一抹のシリアスな結論が欲しい方にはお薦めかも。ところで私、ジャン=クロード・ヴァン・ダムがフランス語を話しているのを始めて聞いた(笑)。ベルギー出身の彼、フランス語は母語になるのかな?こういうベタなギャグが、解る人にはツボな作品だと思うのよ(笑)。

ナルコ!ナルコ!
(2008/04/23)
ギョーム・カネ

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『ダーウィン・アワード』

2008年05月15日 22:53

〔米〕THE DARWIN AWARDS (2006年)
監督:フィン・テイラー
脚本:フィン・テイラー
ジョセフ・ファインズ/ウィノナ・ライダー/デヴィッド・アークエット/ジュリエット・ルイス/トム・ホランダー/ジュリアナ・マーグリーズ /タイ・バーレル/ティム・ブレイク・ネルソン/クリス・ペン/ジョシュ・チャールズ/マックス・パーリック/D・B・スウィーニー /ルーカス・ハース

血を見ると失神してしまうマイケル・バロウズは、サンフランシスコ警察では優秀なプロファイラーだった。しかし、連続殺人犯逮捕で失策を犯したマイケルは、警察をクビになってしまう。新しい仕事に選んだのは保険会社。雇用に際して、おかしな死に方をした人達を称えるインターネットサイト『ダーウィン賞』の再調査を願い出る。自らのプロファイリング能力を駆使して彼等の動向を検討すれば、多額の保険金が節約できるだろうと踏んだのだ。かくして、特殊ケース担当の調査員シリと帯同して、全米に散らばるダーウィン賞候補者の再調査に向かったのだった。

なんだかですねぇ、かなり無理矢理な展開の物語だった。話の導入部分からしてかなり強引。ただねぇ、その無理矢理感が、不思議と良い感じなのだ(笑)。あくまでも、話の主題は『ダーウィン賞』と『プロファイリング』。奇妙な死に方をした人、不可解な事件を起こした人、そんな人達の動向の真意を、才能あるプロファイラーが探っていくという面白さが先決。
基盤として、マイケルとシリの保険調査の旅がある。加えて、調査対象の物語がオムニバス作品のように、テンポ良く組み込まれていく。こちらのパートも、奇妙な結末を迎える道程を、語り部となるマイケルの解説付きで、順序良く追っていく冷静な目線が面白い。
結果として、話がちぐはぐな方向へ走ってしまうのは致し方ないと思えるし、全体としては不自然に感じられる連続殺人犯に関わるエピソードも、有り得べきパートだと思える。実際あのエピソードが無かったら、四方八方に話が飛ぶ、取り止めが無いだけの映画になってしまっていたろう。
ダーウィン賞にとり付かれ、狂信的なまでにリスク回避を実践する男マイケルがおもしろい・・・。飄々としているようで、単に世間と上手く融合できない、ちょっとばかり壊れ気味の中途半端な主人公の存在があるから、この映画がいささかバランスが悪くても面白いと思える。
大分以前に『リスク・コンサルタント』が主人公のミステリ小説を読んで、リスクを統計や想定に基づく精神構造などから論理的に解釈し、それを回避する手立てを講じるという面白さを知った。以来何となくそういうことには興味がある、プロファイリングもまたしかりだ。
自分だけは、そんな単純な統計の枠には収まらない!現実は想像よりバラエティに富んでいる!と息巻いてみても、所詮は何かしらの基準に当てはまってしまうのかも知れない。個人的には、大変興味深い話題だった。
さてさて、実はこれ、結構役者が豪華!そうでもない?いや、そうでしょ?(笑)。全部書くときりが無いので(笑)、主役2人にまで端折ります。まず、W・ライダーがめちゃめちゃ可愛かった。いやむしろ、こんなに可愛かったっけ?と考えてしまうぐらい可愛かったわぁ。妙に素に感じられる笑いの間、個人的にはこの方のコメディセンスはかなり好きなのだ。
そして、『キリング・ミー・ソフトリー』の原作(『優しく殺して』)を読んで、映画化されると聞いて楽しみにしていたのに、主役の美形さんの役を演じたJ・ファインズ。『なんだこの下睫の長い気持ち悪い男は!』という反感から始まって、当時大好きだったレイフ・ファインズの弟だと!?似とらん!と反感は更に強まり、『恋に落ちたシェイクスピア』を観てあっさり恋に落ちたJ・ファインズ(笑)。
そもそもシリアスなイメージのあるJ・ファインズが、コメディ?しかも冴えない男の役とな?最近ではすっかり恋も冷め、どうも忘れがちな役者だったのだが、そんな面白そうな役なら絶対見なくちゃダメじゃない!と、大分前から楽しみにしていたのだ、DVD化されて良かった♪
いや〜、面白かったわ。あの顔だからなお更、こういうもさ〜っとした役が面白い。しかも真面目な顔して大真面目に演じるから更に面白い。あのJ・ファインズが、、、吊られてたよ、、、お風呂で・・・。ああ、面白かった。そのくせふとした瞬間が格好良いから、ズルイよねぇ〜。ズボンの裾がツンツルテンでも格好良いなんて、やっぱりズルいよねぇ(笑)。
とにかく少しばかりつかみ所の無い映画で、フィルムの粗い質感と良い、雑な感じの演出と良い(これにはちょっとした理由があるのだが)、インディ風作品でもある。好みによって意見が大きく分かれそうな気もするが、個人的にはかなり気に入った作品だ。

ダーウィン・アワードダーウィン・アワード
(2008/04/25)
ジョセフ・ファインズ、ウィノナ・ライダー 他

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『リンガー! 替え玉★選手権』

2008年04月01日 22:42

〔米〕THE RINGER (2005年)
監督:バリー・W・ブラウスタイン
脚本:リッキー・ブリット
ジョニー・ノックスヴィル/ブライアン・コックス/キャサリン・ハイグル/ジェド・リース/ビル・コット/エドワード・バーバネル/レナード・アール・ハウズ/ジェフリー・エアンド/ジョン・テイラー/ルイス・アヴァロス/レナード・フラワーズ/ゼン・ゲスナー デヴィッド

人の良い会社員のスティーヴは、仲の良い雑用係りスタービーをクビにするよう言い渡される。大家族を養うスタービーを無下に扱えず、自分の家の芝刈りとして雇ってしまう。しかしスタービーは芝刈りの最中に、誤まって指を刈ってしまう。保険も無い彼の指を繋げるには大金が必要、ヤクザな伯父ゲイリーにその話をしたばかりに、スティーヴは障害者のフリをして『スペシャル・オリンピック』に出場する事になってしまう。大会7連覇を目指すジミーの敗北に大金をかけたゲイリーは、健常者であるスティーヴならジミーの優勝を阻止できると考えたのだ。

あらすじだが、どう頑張って書こうとも、かなり節操無く非常識な印象を与えてしまう。私もこの映画の話を初めて聞いた時は、バカや冗談もここまで来れば完璧に悪趣味としか思えなかった。それなのに、アメリカでは結構な成績を残したと、はて・・・?アメリカのモラルは一体どこへ?しかしこの映画に対するコメントは、日本でもかなり好意的なのだ、感動的とすら言う人もいた。
で、実際観てみると確かに、悪趣味なジョークにならないギリギリのラインを保っており、かつ、奇麗事や偽善的にもならないラインをちゃんと保ってる。これは上手い脚本。観客の自尊心を損なうほど大笑いさせるブラックな要素や悪ふざけも無くて、匙加減が抜群だ。
むしろこの映画を通して、障害者とは言わず『スペシャル』な人達のスポーツの祭典があるという事、そうした人達の能力は、のらりくらりと怠惰な生活を送っている健常者より、遥かに優れているという事などを伝えるのに、一役買っているのではないだろうか?
主人公スティーヴのキャラクターも良い。悪意は無く、かと言ってしらけるような偽善者でもなく。何となく純粋さ漂うスティーヴなのだが、こちらは究極のおバカ映画『ジャッカス』で有名になった、J・ノックスヴィルが演じている。私は『ジャッカス』は観ていないのだが、あの作品のファンの方は、こうした毒の無い役を演じているJ・ノックスヴィルをどう受け止めているのだろう?
例えば『あの』ジュード・ロウが『アルフィー』でジゴロを演じるのは良いが、『ホリデイ』での誠実な役は信憑性が無さ過ぎてちゃんちゃらおかしいと、むしろ胡散臭く観ていられないわと、そう思うのと同じような居住まいの悪さは感じなかったのだろうか?そう感じてしまうと、この映画の良さも半減してしまうと思うので残念だ。
私個人としては、このJ・ノックスヴィルがずっと気になっていたのだが、どうにも観たい映画に出演していないので、残念ながら未確認のままだった。初めて画像で見た時は完全にヴィンス・ヴォーンと勘違いしたが、動いている所を見ると、明らかにジム・キャリーが入っている。似すぎててちょと可哀想なぐらいだが、個人的にはこの役者は気に入った。早いところ、『ジャッカス』より万人向けの『映画』で、人気も同じくらい高い作品に出演できると嬉しいのだが・・・?
主演のスティーヴ以外では、メインとなるのはスペシャル・オリンピックの出場者達。という事で、様々な障害を持っている役者たちが多数出演している。彼等は映画の中で、キャラクター的にも役者としても、普通過ぎるほど普通に扱われている。多くの役者に強烈な個性があるのと同じように、全ては彼等の個性という見方が出来る。だからきっと、悪趣味にもならず奇麗事にもなっていないのだろうと思う。
惜しむらくは・・・先日見たC級映画に追従しそうなほど、セットがショボかった。大会シーンはもとより、パーティーやスティーヴ等が暮らす寮等など、レストランのように撮影し易い場所では無い場合が、とにかくお粗末だった。大会シーンも何だか、地域の運動会レベルで痛々しい感じすらする。。。恐らく低予算だったろうが、不釣合いなほど良い脚本だったので非常に残念だった。

リンガー!替え玉★選手権リンガー!替え玉★選手権
(2007/12/05)
ジョニー・ノックスヴィル

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『エバン・オールマイティ』

2008年03月05日 00:11

〔米〕EVAN ALMIGHTY (2007年)
監督:トム・シャドヤック
脚本:スティーヴ・オーデカーク
スティーヴ・カレル/モーガン・フリーマン/ローレン・グレアム/ジョン・グッドマン/ワンダ・サイクス/ジョン・マイケル・ヒギンズ/モリー・シャノン/ジョナ・ヒル/ジョニー・シモンズ/グレアム・フィリップス/ジミー・ベネット

テレビのキャスターから下院議員へ転身を果たしたエバン・バクスター。彼は家族を連れて新天地へ引越した。自分は勝者だと自信満々のエバンだったが、初登庁の前夜、ついつい神様にお願いしてしまう、『世界を変えられますように』と。そのおかげか何なのか、エバンは神に見出され、やがて来る災難に向けて『箱舟』を作るように言い渡される。初めは否定していたエバンだったが、神様のちょっとしたいたずらから、本腰を入れて『箱舟』作りに挑む事になる。

どうせまぁ、単純に笑えるおバカ映画なんだろうと思っていたら、ちょっと馬鹿にし過ぎていたみたい。意外にも(笑)、家族で一緒に楽しめそうな、ソフトなコメディだった。むしろお子様大喜びじゃないかな?動物もたくさん出てくるし、子供が好きそうなギャグも満載。物語の複雑さやそこに込められたメッセージ、それらを暗示させる展開など大人向け要素もあるのだが、その辺りはいささか弱い印象。
なのだが!これはもう、M・フリーマンの起用勝ち。何でこの方って、重すぎず軽すぎずどんな作品でも演技の度合いを合わせられて、そのくせちゃんと個性もあって、そのくせちゃんとキャラクターになれているのかしら(笑)。おちゃめな神様を好演しているのだが、とにかくM・フリーマンが言うと台詞に重みがある。実際中々良い事を言っているのだけど、M・フリーマンだからなお更良い。肩肘張らずにこういう映画にたくさん出てくれるのも、M・フリーマンが好きな理由の1つだ。
S・カレルも中々良くて、控え目な演技や他の役者との絡みなど、調和を取るのが上手い役者だなと思った。単に騒々しくて、それがまたウケているコメディ役者が多い中で、この人は結構貴重な演技をする人かも?シリアスな演技も抑え目で、実際本当に二枚目だったりするから(笑)、上手い事そんな画面にはまる。
物語自体は、ここで全てのあらすじを書いてしまっても、ネタバレと言われないのでは?と思えるほど想像通り。ただ展開や演出のリズム感はとても良く、さほど時間も長くないので飽きずに最後まで楽しめる。
笑える部分も程良い制御が利いていたし、個性的なキャラクター達が面白く、役者陣にも抜かりは無い。実に気持ち良いぐらい型通りで、それが逆に成功している。しかし余りに正攻法過ぎなので、毒気はかなり抜けている。コメディとしては逆効果ギリギリのラインかな〜?結果的に印象はかなり薄いが、お薦めしやすい作品になっている。
CGに力を入れたそうだが、、、そこはいまいち過ぎ。ラストのスペクタクル?部分は全くの子供騙しで興が殺がれるというか、なんと言うか。このレベルの映画では大作クラスのCGは望むべくも無く、だったら他にやりようがあったのじゃないか?とか思っちゃったり。ラストを変えるとかね(笑)。無理しなくても十分面白かったのに。
果たして、エバンの作った箱舟は何に役立つのか?その根拠は何なのか?という、物語の基盤も実はちょっと弱い。本来なら重要な部分が多少弱くても面白いと言えるんだから、これってある意味凄い事だ(笑)。

エバン・オールマイティエバン・オールマイティ
(2007/12/13)
スティーヴ・カレル.モーガン・フリーマン.ローレン・グレアム.ジョン・グッドマン.ジョン・マイケル・ヒギンズ.ワンダ・サイクス.ジョナ・ヒル.ジミー・ベネット.グレアム・フィリップス.ジョニー・シモンズ

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『9 Dead Gay Guys』

2008年02月19日 22:35

〔英〕放題:9人のゲイ、殺される (2002年)
監督:Lab Ky Mo
脚本:Lab Ky Mo
Glen Mulhern/Brendan Mackey/Steven Berkoff/Michael Praed/Vas Blackwood/Simon Godley/Carol Decker/Raymond Griffiths/Abdala Keserwani/Karen Sharman/Leon Herbert/Steven Woodhouse/John Michaels/Rickardo Beckles-Burrows /Deban Aderemi

ロンドンで暮らすバイロンは、失業保険受給者。故郷には体の良い話を伝え、実際は男娼まがいのバイトをして日銭を稼いでいた。そこへ、故郷アイルランドの親友ケニーがやって来た。実情はあっさりバレ、逆にケニーを仲間に引き入れてしまう。そんな折、女王と呼ばれるゲイが殺された。女王の愛人は金をたくさん持っているらしい?という事で、その金を狙ってバイロンとケニーは動き出すのだが、、、?次々と増えるゲイの死体、果たして彼らは目的の金に辿り着けるのか?

ああ・・・バカだ、バカ野郎達が一杯だ・・・。
『N.アイルランド・フィルム・フェスティバル』鑑作、第3弾作品。。。ちょっとやり過ぎだけど、このバカさ加減は嫌いじゃない(笑)。しかし、結局この作品も舞台はロンドン、主演の2人がアイリッシュというだけで、テイストは正しく『ブリティッシュ』。北アイルランドの映画祭に行ったのに、何かイギリスの映画祭に行った気分だ。とは言え、北アイルランドは一応英国の一環なんだけどね。。。うん、複雑だ。
ついでにまたも、女王の愛人の住まいはゴールダーズ・グリーン。先日見た第一弾、『Kings』の舞台Kilburnから程近い場所にある。って事は、私が暮らしていたフラットの近く、というか、Kilburnより我がフラットの方が近かった(笑)。とまぁ、思い出話はこのぐらいにして・・・いや、思い出話くらいしかする事ないかも、この映画に関しては。。。
見始めて暫くは、バカらしさの中にも一欠けらの深遠が潜んでいて、最後には胸に残るものがあるはずだ!と思っていた。こういうお下劣一徹の映画でも、何かしらそういう部分があるものだ。鑑賞後、自分のこの期待は過剰だった事を思い知った。下品とバカがやりすぎなのよ。もう少し控え目に、、、と言うかセンスのある見せ方だったらまだしも、センスすら無い、言うなればトイレの下らない落書きレベルの下品さと下ネタが満載なのだ。やりすぎちゃったかな〜?という感じ。
だから後半や締めで一生懸命『何か意味のある事』を描こうとしても、逆に全く意味を成さない、取って付けたような感覚しか味わえないのね。その分たっぷり笑える映画だから、そのまま突っ走ってオチなし、意義なしで終わらせてしまった方が、よほど潔いというか。。。
ちなみに、ゲイが次々亡くなる事やその意味、それがタイトルにもなってしまった関連性はかなり薄弱、主人公バイロンには重要な意味があったようだが、それも随分なこじつけで失笑レベル。
それでも結局、好きだねえ、こういうバカ映画は(笑)。何故って?普段どちらかと言ったらまじめに清く生きている分、こういう突拍子も無いバカを楽しめるようじゃなくちゃ、人生つまらなすぎるから。自分の代わりにとことん落ち切って頂いて、私はただスカっと笑うだけ(笑)。それにこの作品は、演出や進行も小気味良く、内容はバカらしい限りだけど見飽きるレベルでは無かった。バカらしさの応酬の中にも、展開を想像させる面白味もちゃんとあったのだ。
しかも、ケニー役のGlen Mulhern が好みで(笑)。調べたがなんと、、、この作品以降、映画どころかドラマの出演すらない。。。あら、どうしちゃったのかしら?非常に残念、しかも代表作がこの作品だなんて。。。(笑)

『ハロルド・スミスに何が起こったか?』

2008年02月11日 22:18

〔英〕WHAT EVER HAPPENED TO HAROLD SMITH? (1999年)
監督:ピーター・ヒューイット
脚本:ベン・スタイナー
トム・コートネイ/マイケル・レジー/ローラ・フレイザー/ルル/スティーヴン・フライ/デヴィッド・シューリス/マーク・ウィリアムズ/チャールズ・サイモン/チャーリー・ハナム

1977年、ディスコ・ブームで若者が踊り狂い、ユリ・ゲラーが超能力を話題にした頃、法律事務所で働くヴィンスはパンクスのジョアンナに恋をした。父ハロルドは朴訥で地味な男だが、実は凄い超能力の持ち主。老人ホームでその能力を使ったために老人3人が死亡、殺人の嫌疑をかけられた事から有名人になってしまう。本物か嘘か?の論議が繰り返され、父の殺人容疑は晴れないまま。母の浮気も発覚して、ヴィンスは悩める青春時代を送っていた。

いや〜〜、最高この映画(笑)。『ビルとテッドの大冒険』の監督、懐かしいねぇ〜。詳しい事は余り憶えていないが(笑)、バカらしくて面白くて夢中になったのだけは覚えている。この作品は、『ビルとテッド』に比べるとバカらしさはかなり控えめ・・・だと思うけど?どうだろ(笑)。
1970年代後半のイギリスのブームを、という事は日本でもほぼ同時期にブームになったものを満載にして贈る、面白くて少しだけホロリとさせて、恋あり、家族の愛あり、愛憎ありの、イギリス発、という事でちょっとだけ地味目な扱いの娯楽作品だ。
堅物な父親に窒息寸前のジョアンナはパンクに走り、安泰な(だと思っていた)家庭に暮すヴィンスは穏やかな青年。この2人の恋の在り方も、時代を反映させた若者像を的確に捉えていたのじゃないか?と。パンクとディスコ・ミュージックという2つの対比、そこから生まれるはっきりとした若者文化の違いも面白かった。攻撃的なパンクといささかブルジョワ的なディスコ派。その2つが最後に融合していく様は中々見物だった。パンクとディスコって同居した世代だったのねぇと改めて思うと共に、その毛色の違いを上手く利用した作りはお見事。
そうした若者文化に絡まってくるのが、老若男女を巻き込んだ『超能力』ブーム。映画全体では、父ハロルドと絡む超能力ネタの方が有力で、ロマンスというよりは父と息子の思い出を描いた家族ドラマと言った印象。一家を巻き込んだ父の騒動と、そこから誘発された数々の問題を、青春真っ盛りだったヴィンスの目線で語った感じかな。
地味ながら役者陣がまた良いんだ。父ハロルド役のT・コートネイトの昼行灯的な感じも様になっているが、だからこそ数多くの笑いが呼び起こされる。弁護士のD・シューリスは必見。いや〜、見てるだけで笑えるんだわ。ドラマではジーヴスを演じたS・フライが、ジョアンナの堅物親父を演じているが、これもまた・・・いや、良いわ。
オヤジ陣のほとんど怪演とも言えそうな熱演に圧されて(笑)、女優陣はちょっと控え目。若者陣もちょいと控え目だったのだが、ヴィンス役のM・レジーが・・・あら、『アンジェラの灰』のオールド・フランクの子じゃないの!あの映画で気になってはいたのだが、余り映画には出演していないので残念だったが、よもやこんなところでお目にかかろうとは。
可愛らしい顔にまといつくなんとも言えない『もさ〜』っとした雰囲気、フランクを演じた時も、醸し出される頼りなさと貧乏ぽさが非常にマッチしていたのだが、今回もその雰囲気が役柄に大きく貢献していた。のほほんと育ち、何の心配も無いはずだったのに、いきなり父の能力と母の乱行が暴かれて狼狽するヴィンス。強いジョアンナに気圧されっぱなしのヴィンス。いきなりパンクに転向してみたが、どうもしっくり決まらないヴィンス。。。いや〜、ぴったり。
思い出したのだが、何故この映画を見ようと思ったかというと、C・ハナムが出ていたからだった。今では良い役者に育って・・・いるはずのC・ハナムはまだ19歳の頃の作品。おぼこさが残るものの、『フーリガン』を髣髴とさせる演技が見られて良かった。パンク姿も様になってる(笑)。
結構心温まるエンディングだったし、コメディ要素も制御が効いていて、おまけにバカらしさもブラックな感じで個人的にはかなり好みの作品。良い拾い物をした気分だ♪

ミラクル*ショー〜ハロルド・スミスに何が起こったか?〜ミラクル*ショー〜ハロルド・スミスに何が起こったか?〜
(2001/11/22)
トム・コートネイ、マイケル・レジー 他

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『赤ちゃんの逆襲』

2007年12月21日 19:58

〔仏/西〕MAUVAIS ESPRIT (2003)
監督:パトリック・アレサンドラン
脚本:パトリック・アレサンドラン/ロラン・シュシャン
ティエリー・レルミット/オフェリエ・ウィンテル/レオノール・ワトリング/ミシェル・ミューラー/フランソワ・レヴァンタル/マリア・パコム/クレマンティーヌ・セラリエ

建築家を志す35歳のシモンは・・・今はしがない路上の絵描き。ある時建設中の美術館を見つけたシモンは愕然とする。それは彼が学生時代に設計した建物だったのだ。自らの設計を盗まれたと思ったシモンは建設会社に乗り込む、社長のポレル氏と揉めた後、通りに飛び出してなんと車と激突死!しかも轢いたのはポレル氏だった。怨みを抱えたまま亡くなったシモンは、ポレル氏の息子として即生まれ変わる。そして赤ちゃんの立場から、父親に復讐しをしてやろうと目論むのだった。

はい、上のあらすじでちょっとおかしな箇所がありますかね。生まれ変わったシモンが復讐?そう、前世の記憶をしっかりと持ったまま、シモンは生まれ変わってしまうのだ。そして、最愛の息子を失った父ポレル氏は後を追って死ぬだろう、と予測したJr.(シモン)は、なんと生後間もなく自殺未遂を繰り返すのだ。
この・・・極端な発想がね、、、ちょっと痛々しい。確かに見た目は赤ちゃん、だけど胸のうちは立派な35歳の男、おまけに人生に何の楽しみもない奴の訳だが、何しろこの赤ちゃんが可愛いだけに、段々とげんなりしてくる。とにかくシモンがうざったい!余りにも被害妄想は過ぎるしネチネチしてるし、こんなうざい奴が傍にいたら心底堪らんなと。
復讐の基盤に余り正当性が無く、単にシモンの思い込みや、やり場の無い鬱憤を全てポレル氏にぶつけているよう。しかし思うのだが、ここまで卑屈なシモンのキャラクター、これはフランス流のコメディのセンスなんだろうなぁ〜。思うに、この卑屈さに、かの国の人たちは大笑いしそうだと(笑)。
コメディ要素としてはこの『復讐劇』だけなので、ある意味かなりブラックだと言えそう。だって、死のうとしている人・・・というか赤ちゃんを見て笑わそうとしてるんだものねぇ。この部分をあっさり受け入れてしまえば、ちょっとしたサブエピソードも含まれていて、ラストの閉め方もあっさりと面白く、まずまずの出来栄えだと思う。確かに・・・、フランスのコメディってどこか、痛い笑いが多いような気がするし、、、そんな中ではかなり、まともな部類なのかも?

赤ちゃんの逆襲赤ちゃんの逆襲
(2006/07/07)
ティエリー・レルミット、オフェリエ・ウィンテル 他

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ぽすれん『赤ちゃんの逆襲』紹介

『ヘイフラワーとキルトシュー』

2007年12月17日 21:36

〔フィンランド〕HEINAHATTU JA VILTTITOSSU (2002)
監督:カイサ・ラスティモ
原作:シニッカ・ノポラ/ティーナ・ノポラ
脚本:カイサ・ラスティモ/マルコ・ラウハラ
カトリーナ・タヴィ/ティルダ・キアンレト/アンティ・ヴィルマヴィルタ/ミンナ・スローネン/メルヤ・ラリヴァーラ/パイヴィ・アコンペルト/ロベルト・エンケル/ヘイキ・サンカリ

7歳のヘイフラワーと4歳のキルトシュー、2人はとても仲の良い姉妹だけど、妹のキルトシューはとってもお転婆で我侭。ママは家事が全く苦手で、パパはジャガイモの研究でいつも忙しい。妹の面倒を見るのもお掃除をするのも、家族をまとめるのはヘイフラワー。なのに彼女は、夏が終わったら学校へ行ってしまう!家族を心配したヘイフラワーは、何とかママとパパがそれらしくなるように、神様にそっとお願いするのです。

北欧の女性はそもそも、透明感のある綺麗なタイプが多いとは思っていたが、この映画の姉妹(特に姉のヘイフラワー♪)は天使ならぬ妖精といった感じ。天使っぽいあどけなさというよりは、妖精のような透明感(勝手なイメージ)と儚さを併せ持ったような、、、とにかく可愛い、可愛い♪可愛ければ何でも良い(笑)。
物語は有名な原作があるらしいが、そちら私は未確認。童話がベースらしく、ちょっとファンタジーの要素が強いらしい。なのでこの映画も、変わったお隣さんとか、コミカルな警察官とか、時代ずれした脇役がたくさん出てくる。
アキ・カウリスマキの作品と同じ国が舞台とは思えないほど(失礼(笑))、ポップでキュートな世界観。衣装もカラフルで可愛ければ、家も内装も全てがビビットな色合いを多用して、それでも全く嫌味じゃない可愛らしさ。まるで玩具箱そのもののような『お家』に、冒頭で即ノックアウトされた。住んでみたい〜〜!!!
先に紹介したように童話が原作だ。だから、物語はあってないような物だろう。想像するに少し古い類のお話を、ほとんど手を加えずに現代を舞台に挿げ替えたと思われる。なので、牧歌的で楽しい夏の家族の姿が、とことんほのぼのと描かれている。
小難しい映画とか、深い意味合いとか、そうした映画も好きではあるが、たまにはこんな風に、優しさと楽しさの一杯詰まった映画も良いよね。
北欧の緑美しい景色と共に、キュートな姉妹の冒険あり、喧嘩あり、思わず抱きしめたくなっちゃうような交流ありの素敵な映画だ。

ヘイフラワーとキルトシューヘイフラワーとキルトシュー
(2006/07/07)
カトリーナ・タヴィ、ティルダ・キアレント 他

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ぽすれん『ヘイフラワーとキルトシュー』紹介


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