『屍衣の流行』
マージェリー・アリンガム著/小林 晋 訳/ 国書刊行会
有名女優のジョージア・ウェルズは、3年前に婚約者が失踪し、現在ではサー・レイモンド・ラミリーズという男と結婚していた。有名ブランドのトップ・デザイナーであり、アルバート・キャンピオン氏の妹でもあるヴァル・フェリスは、重要な顧客でもあるジョージアを、複雑な思いで見つめていた。彼女が思いを寄せていた、航空会社の社長アラン・デルをジョージアに取られ、それでも尚親友であろうとするジョージアに、一種の嫌悪を持っているかに見えた。そんな折、ラミリーズが不穏な死を遂げる。妹のため、そして自らが追っていた事件の究明のためにも、キャンピオン氏は危険な賭けに出る。
アルバート・キャンピオン・シリーズ第2弾・・・と言うわけでも無く、言うなれば、今なら読めるシリーズ第2弾!と、何も無理やりタイトルを付けなくてもね(笑)。
前回読んだ『甘美なる危険』から約6年ほど経っているらしい、、、8年だったかな?あれ??前回でも活躍したアマンダ・フィットンが、淑女になって戻って来ている。前作で既に仄めかされていたように、キャンピオン氏にとって大切な人になるアマンダ。前作ではお転婆過ぎてちょっと・・・と思ったが、女性らしさが加味されてとても魅力的なキャラに成長していた。
もちろん、キャンピオン氏の複雑な恋心がまた良くて(笑)、周囲を欺くようなボケ面の仮面を被るキャンピオン氏が、素に近い姿を見せるのがアマンダなのだ。そのため、いささか魅力に欠ける描き出しをされている主人公に、人間味を添える役割も担っている事が良く解った。
さて前作では、推理小説というよりも多分に冒険小説風味で、派手なアクションなどは無いものの、秘密の機械なども使って中々活力ある出来栄えだったものが、今回は推理部分に焦点がずれていたため、盛り上がり、結末共に味わいは落ちる気味があった。
キャンピオン氏が時たま年齢の事を気にしてみたりするので、お年柄派手な冒険は控え目に・・・という配慮なのか?前作では『冒険家』と称されていたと思うが、今回はしっかり『探偵』と明言されていた。友人連中との楽しい絡みも無く、雰囲気としては大分違った感じかな。
とは言え、魅力的なキャラクターに彩られ、謎解きが力技だろうがなんだろうが、物語として面白い事に変わりは無い。シリーズ物の利点を生かして、余分な説明を省いても、読者の虚栄心をくすぐる演出も用意されている。
ただ残念だったのが、キャンピオン氏の本名があっさり明かされてしまう事。しかも本人の口から(笑)。妹も登場し、母の手紙も登場する。キャンピオン氏の素性は、公然の秘密として明かされないのかと思っていただけに、なんだか肩透かしを食らった気分だ。
今作では、女性作家らしく3人の目だった女性が活躍する。その全てが自らの魅力と才能を最大限に引き出せる特殊な仕事に就いており、女性の社会進出目覚ましかった時代感を感じた。
我侭だけど憎めない、あくまで女性らしい小悪魔的なジョージア、独立心旺盛だが、アーティストとしての繊細さに揺れるヴァル、独立心はもとより、素朴な人柄と堅実な育ちで実際的なアマンダと、働く女性という基盤の上に成り立つ性質は様々。女性を熟知したキャラクター構成の上手さを感じた。ただ、せっかく巧みなキャラクターを作り上げ同席させていながら、心の内を余り上手く利用できていなかったかな?というのが残念なところだ。
どうやら近所の図書館には、この作品の前作となる長編が眠っている模様。近い内チャレンジするつもりであるが、こちらは余りキャンピオン氏が目立たないらしい上に、アマンダも登場しないので、いささか気勢が殺がれてしまうのだ(笑)。
有名女優のジョージア・ウェルズは、3年前に婚約者が失踪し、現在ではサー・レイモンド・ラミリーズという男と結婚していた。有名ブランドのトップ・デザイナーであり、アルバート・キャンピオン氏の妹でもあるヴァル・フェリスは、重要な顧客でもあるジョージアを、複雑な思いで見つめていた。彼女が思いを寄せていた、航空会社の社長アラン・デルをジョージアに取られ、それでも尚親友であろうとするジョージアに、一種の嫌悪を持っているかに見えた。そんな折、ラミリーズが不穏な死を遂げる。妹のため、そして自らが追っていた事件の究明のためにも、キャンピオン氏は危険な賭けに出る。
アルバート・キャンピオン・シリーズ第2弾・・・と言うわけでも無く、言うなれば、今なら読めるシリーズ第2弾!と、何も無理やりタイトルを付けなくてもね(笑)。
前回読んだ『甘美なる危険』から約6年ほど経っているらしい、、、8年だったかな?あれ??前回でも活躍したアマンダ・フィットンが、淑女になって戻って来ている。前作で既に仄めかされていたように、キャンピオン氏にとって大切な人になるアマンダ。前作ではお転婆過ぎてちょっと・・・と思ったが、女性らしさが加味されてとても魅力的なキャラに成長していた。
もちろん、キャンピオン氏の複雑な恋心がまた良くて(笑)、周囲を欺くようなボケ面の仮面を被るキャンピオン氏が、素に近い姿を見せるのがアマンダなのだ。そのため、いささか魅力に欠ける描き出しをされている主人公に、人間味を添える役割も担っている事が良く解った。
さて前作では、推理小説というよりも多分に冒険小説風味で、派手なアクションなどは無いものの、秘密の機械なども使って中々活力ある出来栄えだったものが、今回は推理部分に焦点がずれていたため、盛り上がり、結末共に味わいは落ちる気味があった。
キャンピオン氏が時たま年齢の事を気にしてみたりするので、お年柄派手な冒険は控え目に・・・という配慮なのか?前作では『冒険家』と称されていたと思うが、今回はしっかり『探偵』と明言されていた。友人連中との楽しい絡みも無く、雰囲気としては大分違った感じかな。
とは言え、魅力的なキャラクターに彩られ、謎解きが力技だろうがなんだろうが、物語として面白い事に変わりは無い。シリーズ物の利点を生かして、余分な説明を省いても、読者の虚栄心をくすぐる演出も用意されている。
ただ残念だったのが、キャンピオン氏の本名があっさり明かされてしまう事。しかも本人の口から(笑)。妹も登場し、母の手紙も登場する。キャンピオン氏の素性は、公然の秘密として明かされないのかと思っていただけに、なんだか肩透かしを食らった気分だ。
今作では、女性作家らしく3人の目だった女性が活躍する。その全てが自らの魅力と才能を最大限に引き出せる特殊な仕事に就いており、女性の社会進出目覚ましかった時代感を感じた。
我侭だけど憎めない、あくまで女性らしい小悪魔的なジョージア、独立心旺盛だが、アーティストとしての繊細さに揺れるヴァル、独立心はもとより、素朴な人柄と堅実な育ちで実際的なアマンダと、働く女性という基盤の上に成り立つ性質は様々。女性を熟知したキャラクター構成の上手さを感じた。ただ、せっかく巧みなキャラクターを作り上げ同席させていながら、心の内を余り上手く利用できていなかったかな?というのが残念なところだ。
どうやら近所の図書館には、この作品の前作となる長編が眠っている模様。近い内チャレンジするつもりであるが、こちらは余りキャンピオン氏が目立たないらしい上に、アマンダも登場しないので、いささか気勢が殺がれてしまうのだ(笑)。
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