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『アントニー・トロロープ短篇集Ⅱ ピラミッドに来た女』

2009/02/01 12:08 ジャンル: Category:読書【古典】
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アントニー・トロロープ著/津久井 良充・谷田 恵司 編訳/市川 薫 他訳/鷹書房弓プレス
またしても、仕事でアイルランドに来た男。今度は狐狩りで出会った地元の名家に立ち寄るが、ここでも思いがけない災難が待っていた。女独りでエジプトに来た女性、彼女は次なる目的地に同行してくれる、親切な人達を物色していた。イタリア統一以前のヴェネツィア、オーストリアの支配下で揺れる恋と友情のお話。ぶち犬亭が身元保証人?編集者の男が出会ったのは、博学で天才肌の学者であり、身も世も無く落ちぶれた1人の大酒飲みだった。

メイヨー州コナー館のオコナー一族/ピラミッドに来た女/馬に乗りパレスチナを旅する/アーロン・トロウ/ヴェネツィアを去った最後のオーストリア人/ぶち犬亭

引き続き、2008年に刊行されたばかりの短編集である。前作『電信局の娘』に比べると、物語の毛色がはっきりと分かれているようにも思った。コミカルなものはより面白く。巻頭の『メイヨー州コナー館のオコナー一族』は、ウッドハウスを髣髴とさせる面白さ。著者自身がモデルと言われる、『バリモイのジャイルズ神父』と同じ男が主人公だ。今度は希望通りの名家に招待されるが、用意していおいた夜会用の靴が無い!という事で、従順な執事を巻き込んですったもんだする。
実は単純に笑えて楽しめるのはこの1作だけで、そう考えると前作より全体的にシリアス度は増しているかも知れない。『ヴェネツィアを去った最後のオーストリア人』なども、私好みの甘いロマンス絡みではあるが、イタリア統一以前の混乱が舞台となっており、かの国が辿った近代史を紐解きつつ、人間としての価値観や祖国の意味など、なかなか考えさせられる部分がある。
『ピラミッドに来た女』は・・・、なんだか身につまされた(笑)。今の世の中、女の1人旅は幾らでも出来る。著者の生きた時代では、珍しいとは言え許されないほどではない程度か?自分を立派に見せようとする浅はかさが主人公の女性にはあるのだが、それでも、この女性の寂しさを実感出来てしまう。誰も連れて行ってくれないなら自分で行ってやろうじゃないの!という気持ち、痛いほど解る・・・。
『ぶち犬亭』も、前短編集の『トルコ風呂』と同じ語り部による作品だが、こちらも相当シビアである。語り口や表面上からはそう感じられないかも知れないが、それがまた、この作家の魅力なのかも知れない。
頭脳と生まれた時の環境と、自分自身が選ぶ人生との隔たり。人生を切り開くのは頭脳なのか運なのか?心がけ次第で全てが上手く行くとは言わないが、少なくとも、転落するのはどれほど簡単な事なのかと思わせられる。
痛烈な痛みを密かに残す作品ではあるが、心優しい博士の気遣いなどが、その衝撃を和らげてくれる。一方で人生の厳しさをまざまざと描き、もう一方でこうしたクッションを用意する。綺麗事と言ってしまえばそれまでだろうが、人々に対する捨てきれない希望の表れなのだと、私は思う。

ピラミッドに来た女―アントニー・トロロープ短篇集〈2〉 (アントニー・トロロープ短篇集 2)ピラミッドに来た女―アントニー・トロロープ短篇集〈2〉 (アントニー・トロロープ短篇集 2)
(2008/11)
アントニー トロロープ

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ジッドのこと
こんにちは。トロロープの短編集の感想を検索しているうち、こちらにたどりつきました。そして、ジッドの田園交響楽の感想を読みましてコメントをしようかと思いました。私はジッドが大好きなのですが、その私でも田園交響楽は出来が良くないと思います。ただ、あれはジッドの他の作品を読み終えた後に振り返ってみると、ジッドの生涯のテーマのようなものが題材となっていると思えるので、それで、重要な位置にある作品なのではないかと思います。彼は父親不在の厳しいプロテスタントの家庭で育ちましたので、それこそ自慰などは大きな大きな罪だと思って育ちましたので(一粒の麦落ちて死なずばより)、多分肉体関係を伴う正常な愛情がもてなくなってしまったのだと思います。そのあたりは他のものを読んでいくとわかっていくと思います。未完の告白、女の学校、ロベール、狭き門、一粒の麦落ちて死なずば、の順で読まれるのが私のおススメです。ジッドはもういいや、と思われているんですよね、でももし良かったら、未完の告白だけでも読んでみてください。他に私は、ブロンテのヴィレット、EMフォスターのハワーズエンドとかが好きです。ちなみに40歳です。ながながと失礼しました。
[ 2012/06/01 09:58 ] [ 編集 ]
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