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読書はライフワーク、映画鑑賞は人生の潤い、旅行は趣味にしたいなぁ♪日記は日々の覚書き。

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『難民少年』

2009/02/22 22:27 ジャンル: Category:読書【ヤングアダルト】
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ベンジャミン・ゼファニア著/金原 瑞人・小川 美紀 訳/講談社
父と共にイギリス旅行に来たアレム・ケロ。1日楽しく観光し、翌日父は消えていた。アレムの祖国は民族間で戦争をしており、エチオピアとエリトリア、敵対する両国のハーフであるアレムに居場所は無かったのだ。自由を求めて紛争する父は祖国に戻り、1人残されたアレムは、難民救済団体の力を借りて新たな生活を始める。祖国を愛するアレム、しかし祖国は危機的な状況だ。二つの国の狭間で揺れ、新しい国の恩恵に戸惑うアレム、彼の求める世界は来るのだろうか。

いや~泣いたわ、泣いた泣いた。涙で文字が追えないくらい。さて何で泣いたのか?というと、話が悲壮だったからではない。確かに戦争や少年難民など、取り上げている題材はどれも同情をそそるものではあるのだが。
過酷な状況に置かれても、健気に生真面目さを失わない優等生なアレムの、実直な言動に泣いたわけでもない。そんなアレムを助けるのは周囲の人々、主には学校の友人達だ。まだ若い彼等が、偏見も持たず、ただ人を人として、そして優れた人格として受け止め、そんな存在を守ろうと奮闘する、その素晴らしさに泣いたわけでは・・・・・・ちょっとある(笑)。
私が泣けて泣けて仕方が無かったのは、言葉の美しさと強さ、目には見えない真摯な勢いなのだ。詩人として著名な作者の持つ魔力とでも言おうか、この沸々と湧き上がる言霊のような威力、読んで頂きたいと心から思う。
翻訳者の方々にも、もちろん感謝しなくてはいけないだろう。シンプルで簡単だが、完成された構成で最大限の効果を発揮している言葉。選択を間違えたら台無しになりそうな文章だが、原書の意図を忠実に再現しているだろうと信じている。
前作『フェイス』と同様、悪意の無い物語である。酷く痛めつけられても立ち上がろうとする、若い力の物語だ。ただ前作との違いは、現実の世界が余りに悲惨なこと。キャラクターは創作だが、現実は身近なのだと実感させられる。
例え戦争をしていても、祖国を愛するアレム。単純に考えて、物は豊富だし、教育レベルも高く、世界的に立場の確立された国で暮らすほうが遥かに良いと思える。ただアレムは、子供らしい純真さで祖国に帰りたいと切に願う。その反面、冷静で大人びた部分もあり、恩恵や非道な待遇の是非も理解しているのだ。
なぁんて言ったら良いんだろうねぇ~。あらゆる意味で複雑な立場におかれたアレムの心境や変化が、実にさりげなく巧みに描かれている。上手いのよ、とにかく『人間』を描くのが上手い。そしてあらゆる状況の複雑さを、丁寧に簡潔に描きこんでいる。法律の世界、移民の歴史、人種間の戦い、そこから派生する様々な感情などなどだ。悲惨さは余り描かれていないが、描かないことによって、ふとした描写が余計に隠された狂気を伝えてくる。
とにかく、たくさんの人に読んで欲しい。それにこういう本こそ、日本の若者達が出会うべき作品ではないだろうか。自分達がどれほど、どれほど、どれほど恵まれた環境にいるのか、時に思い出すのも良い事だから。
でもさぁ・・・・・・なんでこんなに素晴らしい作品が『絶版』なの?日本中の学校が購入して生徒に配るべきだわ、フン(鼻息)。

難民少年難民少年
(2002/07)
ベンジャミン ゼファニア

商品詳細を見る

是非前作も!
>TKATさん
お薦め欄もチェックしていただいて、作ってる甲斐がありますよ♪
ところで、良かったでしょぉ~これ。絶版なんて許せませんよね!!

TB出来ませんか?って、以前もTKATさんにそんな事を言われた気が・・・?なんでだろ??
[ 2009/03/22 23:21 ] [ 編集 ]
hiyoさんのおススメはハズレなし!
こちらのブログの横にある"おすすめ!Novel"にあったんで早速図書館で借りてきちゃいましたよ。hiyoさんを泣かせた小説なら是非とも読まなきゃ。
はい、私も2度ほど涙が…(TT)。

>言葉の美しさと強さ、目には見えない真摯な勢いなのだ。詩人として著名な作者の持つ魔力とでも言おうか、

そうなんだ!詩人さんだったんですね。それで納得。こりゃホント訳者さんにもお礼を言わなきゃですね。

それよりこの本って絶版なんすか?!そりゃいかんわ!義務教育をナメてる今時の学生に読ませるべきです!フンッ(鼻息)!!

P.S TBさせていただこうと思ったんですがな何故か出来ない…。承認制でしたっけ?えっ?私のやり方がマズいだけって?こりゃ失礼^^;
[ 2009/03/20 22:25 ] [ 編集 ]
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