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『アフター・レイン』

2009/02/25 23:30 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ウィリアム・トレヴァー著/安藤啓子・神谷明美・佐治小枝子・鈴木邦子 訳/彩流社
弱視のピアノ調教師が連れ添った、2人の妻の物語。厳格な老夫婦は、年に一度、都会で暮らす息子の誕生日会を楽しみにしていたのだが、その歳息子ティモシーは現れず・・・。親の再婚によって兄妹となった幼い2人、彼等は屋根裏で、日毎大人ののフリをして遊ぶのだった。16歳のある日、リンゴ園で出会った不思議な女性。その日から少年は、異郷の神に取り付かれてしまう。

ピアノ調律師の妻たち//ある友情/ティモシーの誕生日/子どもの遊び/小遣い稼ぎ/アフター・レイン/未亡人姉妹/ギルバートの母/馬鈴薯仲買人/失われた地/一日/ダミアンとの結婚

W・トレヴァーアの作品を読む毎に、その魅力に目覚めて行く気がする。最初はいまいち・・・と消極的だったものが、今ではもう面白くて面白くて(笑)。今回の短編集もまた、特に日常から大きく逸脱する事は無く、それでいて人物の造詣は深く、表面的な物語の深層はいくばくかと思わせられる、深みのある作品ばかりだった。
特に全体的に感じたのは、ちょっと息苦しいまでの絶望感。現実的に落ち込む原因が示されるというわけではないが、読後魂を引き下げられているかのような虚脱感が・・・、あんまり良い表現じゃないね(笑)。
例えば『ある友情』、女性の友情の脆く儚い部分と、儚いなりに強く結ばれた思い出を巧みに引き出し、女性の友情の終焉をリアルに描き出している。友情の脆さと共に、立場の脆さ、女性にとっての愛や家族の存在感などもじっくりと描き出されるが、それとない緻密な描写に、なんだかどんよりした気分。
『子供の遊び』なんかもう・・・切なさを通り越して焦燥が。いたいけな子供の無垢なイメージを利用して、これ以上ないほど研ぎ澄まされたナイフのように、大人の身勝手をバッサバッサと切り刻む。『ギルバートの母』もいたたまれなかったが、『失われた地』もねぇ・・・。北アイルランドの宗教戦争を真っ向から捉え、著者なりの様々な解釈が描きこまれているように感じた。そしてあのラストは、著者からの何だかの批判だったのだろうか?それとも、現状を憂いているだけなのか。
『馬鈴薯仲買人』が何となく・・・救いがあるような気もしたが、その割りにあっさりした結末。いずれにしろ、全てが面白かった(笑)。どんな感情を呼び覚まされようが、間違いなく秀作揃いである。物語に潜む様々な解釈や意味を想像しつつ、読書に没頭する。今現在、これほど充実した短編を書く作家はそうはいないと思う。

アフター・レインアフター・レイン
(2009/01)
ウィリアム トレヴァー

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