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『シャムロック・ティー』

2009/03/12 23:22 ジャンル: Category:読書【幻想・奇想・奇譚】
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キアラン・カーソン著/栩木 伸明 訳/東京創元社
『ことによるといつの日か、自分が最初にいた世界へ戻れないともかぎらない。』そう思ったカーソン氏は、少年の頃の思い出話を始める。子供の頃に初めて貰った絵の具、仲良しだった従妹、寄宿学校で出会った少年。ある時『シャムロック・ティー』と呼ばれるお茶を飲んで煙草を吸った途端、ヤン・ファン・エイクが描いたアルノルフィーニ夫妻の肖像画の中に入り込んでしまう。たくさんの聖人伝や寓話、薀蓄を交えつつ、カーソン少年が辿った数奇な人生を描く。

そもそも、前翻訳作『琥珀捕り』を読もうか読むまいか?悩みに悩んでいた。本書紹介を少しここに転記すると『ローマの詩人オウィディウスが描いたギリシア・ローマ神話世界の奇譚『変身物語』、ケルト装飾写本の永久機関めいた文様の迷宮、中世キリスト教聖人伝、アイルランドの民話、フェルメールの絵の読解とその贋作者の運命、顕微鏡や望遠鏡などの光学器械と17世紀オランダの黄金時代をめぐるさまざまの蘊蓄、あるいは普遍言語や遠隔伝達、潜水艦や不眠症をめぐる歴代の奇人たちの夢想と現実—。』はい?何ですか?とか、思いません?
本屋で中身を見てみたが、やはり私が読めそうな内容でもないと半ば諦めていたのだが、本作の素晴らしすぎる装丁を見たらもう・・・、しかもタイトルが『シャムロック・ティー』って、どんなティーなの!?と気になって仕方が無いので借りてみた(笑)。
結論から言うと、面白かった。まったく普通に読めるし、分類不能、説明不能な摩訶不思議小説では無いと思う。確かに、ファンタジーと言い切ってしまうには敷居が高く、かといって物語性はさほど高くなく、とは言え、百科事典やノンフィクションものでもなく・・・、やはり分類は難しいか(笑)。
魅力的な書き出しを読んだだけで、物語にぐっと引き込まれる。そこからは、独特なファンタジーワールドが展開される。ヤン・ファン・エイクが描いたアルノルフィーニ夫妻の肖像画を軸にして、シャムロック・ティーの謎に迫り、主人公達がいる世界の謎に迫っていく。そして本筋の物語以上に、『脚注』がメインである。
本編の後に良くある脚注、これの豪華版が本編に組み込まれてしまっているという感じ、割り箸が本筋だとしたら、その周りに絡みつくワタアメが、本書における聖人伝や寓話や蜂や色の薀蓄やらなんやら、膨大な四方山話だとイメージして欲しい。枝分かれのようにはっきりした関連性は無いが、フラっと始まってメインエピソードになっている、語り口事態が変身譚をイメージさせる。
そんな目くらましによってか知らないが、とても幻想的に感じる。とは言え舞台は普通の世界で、この鏡の国状態がなんとも良い雰囲気だ。そうした独特の世界観に絡め取られながら辿り着くラストは、意外と普通に小説風で、そのあっけなさと明かされた真実は妙に納得。著者が用意したそのラストを知った時、なんだかこちらまで、異次元に住んでいるような気持ちになった。

シャムロック・ティー (海外文学セレクション)シャムロック・ティー (海外文学セレクション)
(2009/01)
キアラン カーソン

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