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『男の事情 女の事情』

2009/03/26 23:15 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ジョン・マクガハン著/奥原 宇・清水 重夫・戸田 勉 編/国書刊行会
舞台はアイルランドとイングランド、男達と女達は出会い、語り、共に過ごす。ダンスパーティで出会った先進的な娘、パブに置き忘れた傘と雨と恋人の思い出、気が触れた男から教わった男女の秘密。様々な男女の関わりを軸に、日々を生きる人々を描いたドラマの数々。

ほかの男たちのように/僕の恋と傘/神の御国へ/ラヴィン/クリスマス/鍵/朝鮮/オコジョ/ストランドヒル、海岸通り/行き違い/信徳、望徳、愛徳/ジョッコ/車輪/われわれの存在理由/ワインの息

タイトル通り、男女の関係を克明に描いた短編が前半の数編に、後半に進むに連れ、イングランドに生きるアイルランド移民労働者の息詰まる日常や、閉塞的な海岸保養地の昼下がりの倦怠、息子の将来に自分の安泰を期待する身勝手な父親など、性別を取り払った、より人間的な繋がりを描いた作品に移行していく。
そこでやはり思うのは、多分に私小説的であるということ。著者J・マクガハンは本当に、過去の責め苦を背負い続けた人なのだと思う。それに対して悩むだけのタイプとは違い、こうした文学作品に昇華させる手腕があったことは素晴らしいのだが。
父親の描写は容赦なく冷酷で、しかも多くの短編に父親が登場するかその影響が描写される。若くして死んだ優しい母の面影、追放されるように渡ったイギリスで余儀無くさせられた工事現場の重労働、祖国を追われる寂しさ、しかしその重圧から逃れた開放感。様々な作品に、著者の実体験が反映されている事が解る。
だとすれば、前半に描かれる若い娘の姿は、妹達の面影だったのかも知れない・・・、なんて思ったり。そしてこの前半数編の恋愛物語、ちょっと驚くほどに赤裸々だ。性に対して厳格なまでの重圧を課していたアイルランド、しかもそれは上辺だけで、その体裁を保つための無意味な修繕が、マグノリア修道院、多くの父無し子や孤児、回復不能な貧困にあえぐ母子家庭などに見えてくる。要するに、水面下では当たり前のようにあった事実なのだ。むしろ、制限されるから余計に活発になる、反抗心が若者を急き立てる、そんな相乗効果もあったのかも知れない。
世間体という薄い皮膜を通してしか、性に対する物事を見ようとしない人達に挑戦した意欲作・・・というか、もうほとんど喧嘩を売っているような(笑)。節操のない青春時代を送った身としては、突如現われるこうした赤裸々な描写は妙にチグハグに感じる。挑戦するのは何事も良いことだが、私個人としてはこれが成功かどうか解らない。世間的にはもちろん成功、高い評価を得ているし。
結果的には私も、文学作品にはそれなりの節度を保ちつつ、秘めたる部分は曖昧なままで良いという綺麗事主義なのだろう。ドラック・ノベルとか、ブチ切れてる内容の作品なら、全然構わないんだけどね(笑)。

男の事情女の事情男の事情女の事情
(2004/06/24)
ジョン・マクガハン

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