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『この自由な世界で』

2009/05/13 21:57 ジャンル: Category:映画【ドラマ】
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〔英/伊/独/西〕IT'S A FREE WORLD... (2007年)
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァーティ
カーストン・ウェアリング/ジュリエット・エリス/レズワフ・ジュリック/ジョー・シフリート/コリン・コフリン ジェフ/レイモンド・マーンズ

シングルマザーのアンジーは、勤務先を突然解雇されてしまう。何をやっても長続きせず、1人息子は両親に預けたまま、人生に焦ったアンジーは、ルームメイトのローズと共に、前職のスキルを生かした派遣業を始める。主に東ヨーロッパからの移民者達に、日雇い労働を斡旋するのだ。多少の違反は犯したが、事業は徐々に軌道に乗り始める。しかし、劣悪な環境に耐える労働者との溝は深まるばかりで、とうとう無視できない危険な問題へと発展してしまう。

ケン・・・、ローチ・・・、監督・・・。今回もまた、社会的ヒエラルキーの底辺をさ迷う弱者を巧みに描いた作品。もう、なんなの、このもやもやした出来は!?全く素晴らしいわよ!このも釈然としないが完成された展開、脚本も同じく上手いのである。
現在まで、K・ローチ監督が一貫して取り上げてきた人間的・社会的テーマは変わらないが、ここ数年の単独作品の中では、比較的解り易い仕上がりだったのではないだろうか。というのも、主人公アンジーに、私が近かったからかも知れない。
そのアンジーだが、彼女を悪者とする人が多い。個人的にはそうは思えない。道は踏み外したように見えるし、ミイラ捕りがミイラになったと言えそうなラストだが、彼女を追い込んだのは何なのか?結局は、移民者達の態度だったのではないだろうかと思うのだ。彼女がいなければ、食べられなかったパンがあったはず、持ちつ持たれつの均衡を破ったのは、アンジーか移民者達か、果たしてどちらだったのだろう。
逃げられなかったという現実もあるのかも知れないが、自分の人生を強引に切り開き、そこに踏み止まったアンジーの方が、理想論を振りかざして途中で逃げ出した友人ローズより、遥かに潔く正しいように感じられた。ただより良く生きたいというアンジーが身勝手だと言うのなら、移民者もローズも、等しく身勝手だと私には感じられた。
移民者達の強大な資本主義国家に対する怒りはもっともだが、それら全てが本当に純粋に正しいのかと考えてしまう。自らの意思で国を抜け出した彼ら、そこに一抹の甘さは無かったのか、ローズのような理想論にすがっているのではないか?
苦しい国の人々が憧れる強国に暮らすアンジーも、そんな社会に於いて精神的な異国人である。完璧を求められ、必死に頑張っても認められることはない。仕事ぶりを見ていれば、アンジーは非常に有能な女性だ。そんな彼女が落ちぶれる世の中、自らが信じ、己の内に見出す価値観と世間とのブレ、それは国家に関わらず、現代人を蝕む高すぎる理想論の落とし穴なのかも知れない。
良い違反も悪い違反も等しく描かれている本作で、物事の選択の難しさを感じる。法を犯して不法移民を助けたことは善で、法を遵守して彼等を摘発した行為は悪、世の中の矛盾と、この作品の趣旨の一端を明瞭に見せてくれるエピソードだと思う。
アンジーを含めて、誰が悪いわけでもないが、全ての人に非があるような気がする。強く感じるのは、こんな社会が蔓延る世界に対する憤り。その渦中に自分がいることを、痛烈に意識する。誰かを悪者にしてしまえたらどんなにスッキリするか・・・。ああ、もやもやする、出口が見えない。素晴らしい映画だったけど、希望が無い。しかし意味はとても深い、まったくこのおっさん(監督)、毎回毎回やってくれる・・・。

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