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『ヴァーノン・ゴッド・リトル 死をめぐる21世紀の喜劇』

2009/06/07 10:57 ジャンル: Category:読書【ミステリ・サスペンス・犯罪】
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DBCピエール著/都甲 幸治 訳/ヴィレッジブックス
もう直ぐ16歳になるヴァーノンは、学校で起こった悲劇的大事件の参考人だった・・・いや、無理矢理犯人に仕立てられようとしていた。何しろ事件を起こしたのは、ヴァーノンの親友ジーザスなのだから。しかし彼は、事件の時に自ら命を絶っている。犯人は明白なのに、警察は何としてでも『生きている』罪人を見つけたいらしい。突然に窮地に追い込まれたヴァーノンは、悲劇的で滑稽な大人達に包囲されて爆発寸前だった。禁止用語連発ながら、驚きのブッカー賞受賞作。

ずっと、ずぅ~っと読もうと思っていて、先延ばしにしていた作品。今の私の状態からいうと最悪のタイミングで借りてしまったが、何とか読みきることに成功(笑)。そもそも、スレて反抗的で冷めた子供が主人公の作品って好きではなくて。言葉使いが汚いのも、今更カッコ良いと思うわけもないしね(笑)。
でもね、こうした攻撃的な雰囲気も、全て計算の上でのことなのじゃないかと思った。ヴァーノンというキャラクターを掘り下げていった上での結論。この作品全体で、『ヴァーノン』というキャラクターを説明しているよう。
汚い言葉使いも、大人びた態度も、それは逆に不安や幼さを覆い隠すもの。とても優しくて、真面目で、事件のことに打ちのめされているはずなのに、目前の危機的状況で全てが麻痺してしまっている。私はヴァーノンに、そんな印象を持った。作品を読み進むと、意外なほどに子供らしく弱いヴァーノンの姿が見えて来たのだ。
無理をしてでも悪びることで、別の人物になれる。そうすることによって、内に秘めた自分を守っていたのではないだろうか。そんなヴァーノンがとことん追い詰められることによって逆に、素のままでいても、何者にも侵されない強さを学ぶのだ。
ヴァーノンを取り巻く世間の滑稽な様も豊富に描かれている。メディアに対して、法制度に対して、身近な警察という集団に対して、世間一般がどれほど洗脳されやすいか、資本主義に踊らされる醜さ、とりわけ、世間一般のオリジナリティの無さを批判していたように感じられた。この辺の目線は、実体験だろうなぁ・・・。
ということで本作は、著者渾身の作だ、起死回生の一発なのだ。恐らくは、彼の全てが詰まっていると言えるのだろう。後書きに詳しいが、とんでもない半生を送った男である。その著者紹介は、何かの映画のあらすじかと思えるほどだ。
間違いなく、自身の半生をそのまま小説にしたほうが面白いと思うのだが、それをソフトにデフォルメして、エッセンスだけを注入したかのような処女作。ブッカー賞らしい奥の深さを探すも良し、素直に娯楽小説として楽しむも良し。いずれにしろ、最終的に賭けに勝った男の才能と強運を、本書によってお裾分け頂きたいものである。

ヴァーノン・ゴッド・リトル―死をめぐる21世紀の喜劇ヴァーノン・ゴッド・リトル―死をめぐる21世紀の喜劇
(2007/12)
DBCピエール

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