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読書はライフワーク、映画鑑賞は人生の潤い、旅行は趣味にしたいなぁ♪日記は日々の覚書き。

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『告発のとき』

2009/08/18 01:24 ジャンル: Category:映画【ドラマ】
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〔米〕IN THE VALLEY OF ELAH (2007年)
監督:ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス
トミー・リー・ジョーンズ/シャーリーズ・セロン/スーザン・サランドン/ジョナサン・タッカー/ジェームズ・フランコ/フランシス・フィッシャー/ジョシュ・ブローリン/ジェイソン・パトリック/ジェイク・マクラフリン/メカッド・ブルックス/ヴィクター・ウルフ

アメリカ軍を無断離隊したかも知れない息子マイクを探すため、引退した元軍警察のハンクは、基地のあるフォート・ラッドへ向かう。息子の不名誉を信じず身を案じるハンクに対して、軍の対応は型通りで非協力的だった。そしてとうとう、マイクの無残な死体が発見されてしまう。地元警察のエミリー・サンダースは、署内唯一の女性刑事としての差別と戦いつつ、事件の不正を嗅ぎ取ってハンクに助力を求める。息子のために犯人追跡に着手したハンク、果たして、事件の真相は何だったのか?

もう~、もう~、まぁたぁ~、いや~、参った参った、こりゃ参りましたよ。何だこの作品、なんだかね、この脚本、凄いよね。小説張りの重厚感、でも、小説よりも映画の方が遥かに適していると思える、見せることで倍増する恐怖と狂気を利用した脚本。
全体的に物静か過ぎて、動きの少ない作品なだけに冗長に感じられたのはマイナスだが、この素晴らしい脚本に対して称賛を惜しまない。真実に触発されて描いたという本作、きっとこの話は、誇張でも何でもないのだろうと思う。下手に大袈裟な葛藤や後悔を入れるより、こうした静かで平静と思える心理描写の方がリアルで、価値観の違い、狂気が当たり前の理屈になった恐怖をまざまざと感じる。
いきなり脚本ベタ褒めなのだが、とにかく難しい、自分の心の中では理解できているのだが、それを感想として端的に著そうなんて土台無理。心理的な部分が深く、経験による同調も不可欠だろうし、戦争体験の無い私には想像するしかない。
とは言え、戦争体験の無い観客が大多数だろうし、そうした人たちは、どこに視点を置いて、なにをどう理解するのかによって、この作品に対する意見も様々になるだろう。しかもこの作品、戦争における兵士たちの心の歪み、軍という特殊な環境の広がり続ける平凡との境界線といった主軸に絡めて、サンダース刑事が受ける性差別を通して、閉鎖的な地域性の汚点なども描いている。範囲が広い、おまけに重い。
結末は余りにあっけなく、期待するような意外な事実は微塵も無い。そのあっけなさから、この作品が単なるサスペンスではないことに気がつくだろう。しかもこの肩透かしのようなラストの真実から、その単純さ故に恐怖と憐憫を感じてしまうのだ。戦地で戦った兵士たちの心の変化と、彼等を受け入れる民間社会との大きなズレ。兵士たちにとって『普通』であることと、それが普通になってしまった現実への恐れ。
冒頭で帰宅した兵士の夫に愛犬を殺された主婦が出てくるが、何て事のないサブエピソードに思えたものが、後半大きな意図として物語に絡んでくる。これによって、ラストの展開を理解する一助になるわけだが、この辺の含ませ方がとにかく上手い。
『クラッシュ』でもそうだったが、基本的に綺麗事が無い。だから鑑賞中、自らの偽善的精神を刺激され、妙にいたたまれない気持ちになる。しかし胸がむかつくほどの状況もそれが現実なのであり、受け入れる勇気が無いからむかつくのだ。
しかし『クラッシュ』には救いがあった、どんな環境でも受容する寛容さ、乗り越える可能性、日々の中の些細な幸せ、救いがあったのだ!・・・しかし本作にはない。ハンクすら例外ではなく、彼が責めを負う部分がはっきりと描かれる。アメリカ万歳!のアメリカ賛歌が多いアメリカの戦争絡みの映画、最近は軍を攻撃する内容もあるにはあるが、本作はかなり痛烈に『アメリカ』を批判したものだと思う。『クラッシュ』では様々な差別を仔細に描き、そんな環境を容認しているアメリカを叩いてはいたが、結局はまとまりの良い救いを用意していたと思うのだが、今回は・・・。あ~もう、自分の自己欺瞞に最大限イライラする・・・、疲れる映画だ、でも凄いと思う。
さて最後になるが、豪勢な役者陣、期待を裏切らない好演を見せてくれる。T・L・ジョーンズの絶妙な演技は必見。S・セロンもますます惚れたし、S・サランドンが端役ながら素晴らしい存在感。しかしです、大穴が隠れている。
マイクの友人兵士を演じる数人がとても良い、無名ながら、それだからこその緊迫感ある演技だ。中でもボナーを演じたジェイク・マクラフリン。なかなかの二枚目だが、本作がデビュー作。なんと、実際にアメリカ軍に在籍し前線に行き、除隊後に未経験でオーディションを受けてこの役を勝ち取ったのだとか。それだけに、緊迫感あるその演技は本物なのか?と思わせつつ、こうして見事に社会復帰している元兵士の姿を見ることが出来て、それが1番の救いに思えたりして・・・。

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