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『Eggs 夜明けなんて見たくない』

2009/08/30 01:33 ジャンル: Category:読書【ヤングアダルト】
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ジェリー・スピネッリ作/千葉 茂樹 訳/理論社
9歳のデイビッドは、1年ほど前に母親を事故で亡くした為に心を固く閉ざしていた。友達も作らず、面倒を見てくれる優しい祖母にも辛く当たってばかり。そんなデイビッドには、規則は絶対に破らず、日の出は絶対に見ないという密かな誓いがあった。そして彼はプリムローズと出会う。占い師の母を嫌い、庭の車で暮らす年上のプリムローズは、デイビッドと喧嘩ばかりしながらも、孤独という絆で結ばれているようだった。子供たちは、互いの傷を埋めあうように、時にぶつかりながらも歩き出していく。

ミルクウィード 天使の羽根のように』がなかなか面白かったので、新しく翻訳出版された方を先に、代表作はいずれ。こちらもまた、ちょっぴりいつもの著者とは雰囲気の違う作品らしい。変化し続ける作家、ということなのかな?
主人公のデイビッドは、母親の死を受け入れられない9歳の少年だ。周囲の優しさを素直に受け入れられない彼は、優しさではないエッジを持つプリムローズを受け入れる。それはまるで、自分を痛めつけて罰せられようとしているかのよう。反面、プリムローズとは呼応する感情がある。孤独や疎外感、愛するもの(親たち)に受け入れられない、『不在』という大きな恐怖だ。
物語が2/3ほど過ぎるまで、デイビッドの身勝手さが何となく受け入れられなかった。母親を亡くしたことは確かに辛すぎることではあるが、父親は十分な愛情を持っている事を知っており、祖母は果てしなく深い懐でデイビッドを包もうとしている。
奇妙な母親とみすぼらしい家に暮らし、父親は誰かも分からないプリムローズに比べると、遥かにましで愛されている少年なのだ。それなのに、プリムローズの真の姿を見ようともせず、ただ自分の悲壮感に浸っているところが納得がいかない。
しかし良く理解しようと努めてみると、まだたった9歳なのだと思い至った。良くある出来過ぎな児童小説の主人公より、遥かにリアリティがあるのだろう。しかもこれはデイビッドの物語、プリムローズの物語ではないのだ。
確実にフィクションであるのに、プロットのその奥に脈々と息づくリアリティ。奇抜さと現実的な様が見事に調和して、少年少女は引き込まれて行くのだろう。これは紛れも無く、子供の為に描かれた作品、大人は、この巧みな技巧を楽しむのが良いかも。
それを証拠に、ラストに向けて急激に動く物語。気がつけば、息を飲む美しい描写にうっすら涙さえ浮かべていた。

Eggs―夜明けなんて見たくないEggs―夜明けなんて見たくない
(2009/07)
ジェリー スピネッリ

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  • Author:hiyo
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