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『硫黄島からの手紙』

2009/09/06 22:47 ジャンル: Category:映画【戦争・アクション】
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〔米〕LETTERS FROM IWO JIMA (2006年)
監督:クリント・イーストウッド
原作:栗林忠道
脚本:アイリス・ヤマシタ
渡辺謙/二宮和也/伊原剛志/加瀬亮/松崎悠希/中村獅童/裕木奈江/ルーク・エバール/マーク・モーゼス/ロクサーヌ・ハート

1944年6月、太平洋戦争における日本の戦局は厳しく、日本軍はアメリカからの攻撃を阻むため、戦局の大事な拠点となる硫黄島の守りを固めようとしていた。硫黄島の新しい指揮官である栗林中将は、アメリカ滞在の経験がある男。理不尽な軍国主義を尻目に、『勝つための』兵士管理と戦略を進めていく。それでも、悪化する戦局のため硫黄島への応援は絶たれ、僅かな兵力で強大なアメリカ軍を迎え撃つ羽目に。とうとう始まった凄惨な戦いの中で、栗林に命を救われた若い兵士西郷は、心に疑問を持ちながらも、日本軍兵士として戦いを続けていく。

正直なところ、外国人が日本を描いた作品に興味があった。『ラスト サムライ』はまぁまぁではあったが、所詮『外国人が作った日本の映画』という印象は拭えなかった。しかし、生きる伝説、演じさせても撮らせても天下一品の映画人であるC・イーストウッドが作るとどうなるか?と思ったのだ。正直な感想は、製作陣も見事に『外国人』ばかりであるにも関わらず、素晴らしい『日本の映画』になっていて驚いた。
脚本すら日系人らしいお名前なのに、この映画には良い意味でも悪い意味でも、『日本の心』が横たわっている。一見すると、アメリカ生活を知り、アメリカ的考えを持ち込んだような栗林中将ではあるが、彼の行動、言動の全てに、日本らしい心遣いと潔さと強さが現れている。アメリカの方針を、手放しで称えてはいないのだ。
悪しき軍国主義に反発しつつも、最終的には『日本人』として戦い抜き、栗林を称えた西郷、横暴な軍の規律に馴染めず、最終の激戦地に送られてきた清水にしても、日本兵であるという誇りと理不尽さの狭間で苦悩する姿が真摯に描かれていた。
私は神楽坂の生まれだ。そのため、靖国神社は馴染みのある場所。散歩がてらに行くと必ず、神風特攻隊の出撃前の手紙を読んだ。日本兵としての誇り、信奉心などもあるが、家族を思う気持ち、優しい心も切々と綴られていた。
明日命を落とすというその時に、彼ら若い兵士たちは心底何を思ったのだろうと良く考えたものである。ある手紙に、『明日は陛下のお名前と共に敵陣に突っ込むが、心の中で、母上の名前を浮かべます』などということが書いてあって、若くして亡くなった勇気ある青年の、深い心の内、その複雑さを見た思いだった。
外国人から見たら、実に理不尽極まりない日本軍の有り方だったろう。しかしその奥には、家族のため、愛する人のためという日本人らしい犠牲的精神が脈々としており、そのために生きたいと願う人間らしさ、しかし辱めを受けてまで・・・という潔さや大和魂の葛藤があったのだ。
そうした難しい日本的感情を、栗林、西郷、バロン西などというキャラクターを巧みに利用して、理解し易く物語に絡めている。外国的鷹揚さのあるバロン西にしても、最後は『日本兵』として尊厳のある最後を遂げる。アメリカの戦争映画では『自決』など出てこないが、この作品ならば、この行動の意味も少しは世界に伝わるだろうと思えた。一見馬鹿げて見えるだろうが、そこには尊敬すべき高潔さがあったのだと。
かの大戦では、非常に悪者である日本。事実、歴史に残る数々の悪行を行っていた。しかしその根底を支えたのは、硫黄島で戦った彼らのような一市民である。ただ戦局に踊らされ、上層部の無謀な考えを押し付けられた人々。彼らは人間であり、死をかけた極限の情況の中で、必死に戦ったというだけなのだ。責任は一蓮托生という思いもあるが、こうした戦いで実際に命を落とした人たちを責めるのは、余りに理不尽であると常々思っていた。
特に誰を責めるでもなく、アメリカを賛美するでもない。世界的見地からすれば責められて当然の日本軍を、これほど公平に尊厳を持って描いてくれたC・イーストウッド始めスタッフたちは、やはり凄いと私は思う。溢れ出る兵士たちの手紙の束、伝えられなかった思い。時を経て、そうした素朴で真摯な言葉が、世界中に伝わる機会があったことに感謝する思いである。
どの国の軍隊だったかとは問わず、戦場で戦う兵士たちの『心』を捉えた作品として、この作品が評価されたのだと思いたい。外国人が作ったがゆえに、必要以上にお涙頂戴にもならず、日本軍を賛美していなかったのも良かったと思う。
最後になるが、話題になった『二宮君』。彼は良いですね、本当に良い。名だたる監督たちに気に入られるのも分かる。自然で目立たぬ名演。こりゃ真剣に、役者1本の道にお進みになれば良いのに。事務所変えて・・・。

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