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『日曜日のピッチ 父と子のフットボール物語』

2010/11/04 01:09 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ジム・ホワイト著/東本 貢司 訳/カンゼン
ロンドン郊外でスポーツジャーナリストをしている『わたし』は、息子を含むアンダー14のフットボールチームの監督をしている。たかが子供の球遊び・・・なんてとんでもない!試合毎の一喜一憂(主に両親連中の)はプロリーグ顔負け、監督の悩みはナショナルチームのそれと同等、地域リーグのチェアマンともなれば・・・その苦労推して図るべし。ティーン真っ只中の子供たちは妙に生意気で達観していて、それでいて純粋で真っ直ぐなプレー精神を見せてくれる。時に大人のように振舞う彼らに、『わたし』は翻弄され、そして胸が熱くなる。フットボールの産みの親イングランドから、地域密着型のリアルなフットボール奮闘記。果たして彼らは、Aリーグに残れるのか!?

最近どうも、あまり読書事情がぱっとしない。これは、ざっくばらんに読み散らかしたが上の飽和状態か、果たして、単に良書が減ってしまったからなのか?と鬱々とした思いを抱えていたところに手にした、まさに、ロスタイム終了間際の勝ち越しゴール並(おまけに弾丸のようなミドルシュートで)の勢いの本作(笑)。いや~、面白かった面白かった、時間も無いのに休日を潰して、僅か2日で読破、だって、本を閉じることが出来なかったんですもの!
物語は恐らく著者と思われる『わたし』が語り手。作品中一度だけ彼が名前で呼ばれるので、間違いなく著者である(笑)。その次男バーニー含む個性的なチームメイトを擁するアンダー14の涙と笑いの奮闘記である。
とは言え、なんともすっとぼけた『わたし』の語りがとにかく面白く、なおかつ、素直さと生意気さの狭間にいる微妙な年頃の少年達の姿も清々しくも滑稽で、全体的に笑える作品だ。その上、飾り気のない親父と息子の交流や、フットボールを愛し、チームを愛する『わたし』の胸のうちにホロリとさせられたりもする。
特に大仰な演出は無いのだが、その率直な姿に思わずぐっときて、最後のほうは声を出しながら大笑いしてなおかつ泣いていた。余りにも普通に素朴で素敵な親子の姿に感動して涙して、しかしその筆致の面白さに大笑いなのだ。
あとがきにもあったが、リアルなフットボール小説である。プロの世界は描かれず、劇的な展開も無い。極普通のフットボールファンと家族の物語。プロのスポーツジャーナリストをしている著者の経験を生かした、世界的に有名なフットボール関係者のご神託付きで。これがなかなか意義のある忠告だったりするので、フットボール関係者も一読をお薦めしたい。。。かも?とにかく現実的で素朴な内容だ。言い換えれば日記のようなもので、これといってドラマも無い。
しかしなんと言っても、著者の極上の筆致があり、小気味良い展開でどんどん先を読ませてしまう。構成力も見事で、ラストには冒頭に繋がるループがあるが、過去と現在が入り乱れる中間も、見事なまでにまとまっている。
とにかく、色んなもの、全部が詰っている感じ。親子愛とか、中年のぼやきとか、爽やかな友情とか虐め問題とか、地域密着のフットボールリーグの実態とか、イングランドナショナルチームへの愛憎乱れる思いとか、有名選手の逸話とか、有名監督の逸話とか、監督の気苦労とか、親と子の葛藤とか、親の空回りする思いとか、モンスターペアレンツの脅威とか、スポーツ精神の高潔さとか必要性とか、負けることの意義だとか、偏見の無意味さとか、人間付き合いの難しさとか、高潔であるための難しさとか、スポーツの素晴らしさとか、色々。で、最後には親子愛とフットボールへの愛に帰着する。恐らくは、著者がなぜスポーツジャーナリストになったのか?ということに対する深い意味が全部込められている。そして何より、『父親にしか書けない』物語だった。
思春期で子離れしていく息子を、誇らしく思いながらも寂しさを持って見つめる父。1人目の失敗を繰り返さないように頑張るのだが、この次男バーニーがまた、小憎らしいくらいに良い奴なのだ。こんな息子がいたら、『わたし』ならずとも誇らしく思って当然だ。オランダ遠征のエピソードはとにかく秀逸で、母ですらない未だ子という肩書きのみの私ですら、子供に対する尽きない愛情を感じたほど。男親ならではのぶっきらぼうな優しさにジーンと来た。
子供に関しては恵まれた家庭らしく、ティーン揃いではあるが、どの子も皆、両親に歩み寄ろうとしているのがまた微笑ましい。特にバーニーに関しては、父と同じ興味を持っているのだから、自然と距離が近くなる。自分のことを思い起こしてみても、思春期にあって、親と同じ価値観や興味を共有している場合、ぶっきらぼうながら親と接近するのは楽しかった。親然として上から目線で来られると子供は反発するが、『わたし』のように自然体で、時にみっともない姿をみせてしまう場合、子供はそれほど離れては行かないものなのだろう。何事も肩肘はらずに・・・が良いのかも。とはいえ、応援に現れる親族の狂喜乱舞ぶりは・・・とにかく・・・(笑)
いささか、女性除外の雰囲気は感じられるが、この面白さに免じて許すとしよう(笑)。それにしても、イギリスの根強いフットボール文化の一端を垣間見、日本とは土壌が違うのだなと改めて実感した。少年フットボールリーグの本格的な様にも驚いたが、意外にも少年達は片手間にフットボールをしている事実にも驚いた。意外にハングリーさは無いのね(笑)。そして結局最後の心残りは、ケトルの問題はどうなったのかということだ・・・(笑)。

日曜日のピッチ 父と子のフットボール物語日曜日のピッチ 父と子のフットボール物語
(2010/07/17)
ジム・ホワイト

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