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『ぼくとペダルと始まりの旅』

2011/02/21 23:18 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ロン・マクラーティ 著/森田 義信 訳/新潮文庫
スミシー・アイドは43歳、独身で、仕事は退屈な工場の製品管理。酒とタバコにまみれて体重は126kg、人との付き合いが苦手な男だった。ベトナム戦争で負傷した過去を持ち、親しい人間は両親だけだったのに、そんな2人は交通事故であっけなく死んでしまう。葬儀の後、残る肉親である姉べサニーの死を知らせる手紙が届いていた。スミシーの心には、姉と過ごした長く辛い日々が蘇る。心を病んだ姉は家族の愛の中心であり、大きな痛手の原因だったのだ。突然天涯孤独になったスミシーは、子供の頃の愛車に跨り、L.Aで待つ姉のもとへと旅に出る。家族の傷で心を満たされ、後悔と孤独に直面したスミシーは、長い自転車の旅で何を得ることが出来るのだろうか?

作家を志し、俳優をやりながらコツコツと書き続けていたという著者。本作もみっちり綿密に描いたなぁという感じ。この作品の背後には、膨大な時間が詰っているように感じた。時間に追われるのではなく、『いつか』出版されることを夢見て、書きたいことを純粋に描いたと言う感じ。
個々のキャラクターも完成度が高く、容易にその姿を想像することが出来るだろう。いくつか冗長に感じられるサブエピソードもあったので、これをもう少し削ってくれれば、スミシーの旅というメインにより没入できたかも?と思う。
スミシーの旅と、アイド家とべサニーを巡る(スミシーだけの過去も少し)過去の出来事が交互に語られる。実は私、個人的にこうした交互に物語が入れ替わる手法が好きではない。上手く稼動していればもちろん問題ないのだが、そう言える作品は本当に少ないのだ。
本作も、もうちょっと簡潔にして欲しい・・・と思う反面、べサニーを迎えに行くスミシーの心情を理解し読者に共感させるには、べサニーを効果的に語らなければならず、それと平行して、スミシーを助けるノーマの存在なども浮き彫りにしていくとするなら、この手法が最適だったのだろうとも思うわけだ。
元はスリムで走ることが好きだったスミシーは、長い自転車旅行を通して、本来の自分を取り戻して行く。新たに生まれ変わったわけではなく、古くなった自分を再生したわけだ。奇行を繰り返す姉べサニーに対しても、それで苦しんでいささかスミシーを放置した感のある両親に対しても、一貫して深い愛情を持ち続けたスミシーは優しい男だったのだと思う。その優しさが災いして、潰れてしまいそうな心を閉鎖してしまったのだろう。だからこそ、自由になるための自転車旅行で出逢う人々を素直に受け入れ、そして最後には、本当に大事な人を受け入れることができた。卑屈なのでは無く、とんでもなく不器用なスミシーに不思議ともどかしさは感じず、果敢によろよろと前に進んでいくスミシーを応援する気持ちで読み続けることが出来た。
良いお話だったよね・・・とは思うのだが、これと言って強烈に訴えかけるものが無い。べサニーの存在やノーマの不遇など、爽やかな印象に潜むダークな部分も、決定的な特徴になっていなかったのが残念だ。高度なプロットやそれを完成させた緻密な筆致などは素晴らしいと思うのだが、素直に受け止められない私の完成が鈍っているということだろうか?何しろ、スティーブン・キング絶賛という鳴り物入りの書籍化だったわけだから・・・。

ぼくとペダルと始まりの旅 (新潮文庫)ぼくとペダルと始まりの旅 (新潮文庫)
(2010/09/29)
ロン マクラーティ

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