* WanderLust *=memorandum for me=

読書はライフワーク、映画鑑賞は人生の潤い、旅行は趣味にしたいなぁ♪日記は日々の覚書き。

スポンサーサイト

--/--/-- --:-- ジャンル: Category:スポンサー広告
TB(-) | CM(-)Edit

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

故郷

2011/03/22 00:30 ジャンル: Category:2011年☆日記☆
TB(0) | CM(0) Edit

今回の震災で、『故郷』を失った人達がいる。そんな考えが思い浮かんだ。
私の『故郷』とは、東京都新宿区だ。子供の頃から繁華街新宿には歩いて行き、頑張れば渋谷などにも歩いて行けた。特に高校時代の若かりし頃は、終電を逃して徒歩でご帰宅、なんてことはざらだった。『映画を見に行こうか!』と言えば新宿の松竹だったし、暇だからどこか・・・と思えばアルタ辺りをふらついた。
地方から出てきている友人達に話すと、大抵は『凄い!』などと言われるが、生まれて育ってしまえばそう思うことは無い。そうした意見の真意は分かるのだが、表面的に同意できる程度だ。私にとって新宿と言うのは、小学校の頃の穏やかな地域であり、商店街があり、小さな商店が軒を連ね・・・というのはやはり嘘か(笑)。それでも、昔からやっているお肉屋さん(ここのコロッケが私の生涯ナンバー1の味)、八百屋、金物屋などは点在し、駄菓子屋さんなどもあったのだ。こうした店はいまやほとんど無くなってしまい、私の故郷はここ数年で大きく様変わりしている。ドラマの舞台になったことで知名度も上がった、『神楽坂』が新宿の中でもコアな私の故郷だ。ふるさとは遠くにありて思うもの。。。私にとって新宿区とはそういう場所。遠くにあって、美しい思い出を輝かせる糧となる場所だ。頻繁に遊びに行く場所ではないのである。
子供の頃の私は思っていた、靖国神社という有名なものが家の近くにあるのは、なんと誇らしいことだろうと。そう思うほどに、当時の新宿区神楽坂は牧歌的な場所だったのだ。祖母はそこに弟が眠っていると言い、格別の思いを込めて参拝していた。初詣と言えば靖国神社。地元の有名な名所、私にとってはそれ以上の場所では決してなく、時折、離れて暮らす母と散歩に出かけた思い出の場所。母とのんびり過ごすのは、そうして靖国神社まで歩く時間くらいのものだったので、とても大事な時間と場所だったのだ。大きくなって、この場所が日本という国に『特別な』意味があると知ったが、それは私に一抹の悲しみをもたらした。

誰しも、かなり特別の事情が無い限りは、子供の頃の家族や友人との思い出というのは、淡い郷愁のベールに包まれて、心穏やかになれるものではないだろうか?ノスタルジーという言葉が私は好きだ。この言葉を聞くと、少し物悲しいような、それでいてその悲しさが心地よく胸を満たすような、なんとも言えない感覚を味わえる。この言葉が想起させる様々なことが好きだ、ほろ苦さや、思わず微笑を浮かべてしまうような思い出の数々が。

それが、一瞬にして失われたらどうだろう?新宿区が崩壊するというのは、余程のことが無いと想像が付かなくて、この部分が私にはどうしても理解できない。私が育った場所が、思い出の数々が、ほんの一瞬、数分の大きな揺れによって全て奪われる。
子供の頃、雪が降るとそりを持ち出して姉と遊んだ坂道、通った幼稚園、実は、小学校と高校は統廃合で既に無い。しかし、通いつめた学校への道、途中良く立ち寄ったコンビニ、神楽坂の石畳、意外と未だに牧歌的な商店街の町並み、子供の頃から今もある商店、三味線屋、よく行った喫茶店。実家のあった辺りの、製本所が立ち並ぶ殺伐とした風景。良く遊びに行った新宿アルタ、伊勢丹、ルミネやその他の複合ビル、花園神社、厚生年金会館(はもうないか?)、そして私にとっては良い思いでしかない靖国神社、皇居のお堀、日の丸公園、九段の辺りのお堀の散歩道、桜の綺麗な散歩道。その川沿いに、私の生まれた病院がある。祖父母と暮らしていて母と会えない毎日の中で、母と歩いた思い出のあちらこちら。全て瓦礫に埋もれてしまったら・・・?
こうして書いているだけで、言いようの無い悲しみに襲われる。それら全てを、私は思い出にはしたくない。それでも、本人の意思に関わらず、それら全てを失われてしまった人々がいる。彼らにとっては、昨日まで育んできた思い出の『故郷』が。

東北の方々は、あの、津波で崩壊した地域の方々は、家を失い、財産をほぼ全て失い、明日着る服も、食べ物も全て失ったかも知れないが、それ以上にもっと、もっと大切なものを失った。なぜだかその真実に、気がつくまでに時間がかかった。そこに気付いてしまうと、募金や支援物資などでは埋められない、大きな損失があるのだと虚しくなる。故郷を失った人々に、失った思い出を取り戻す術は無い。そうしたものは、絶対に買うことが出来ない『時』が作り出すものだから。
それでも私は、虚しいつぶやきと思いつつ、あえて自分を鼓舞したい。ポーランドの人々は、戦争でドイツに打ち壊されたワルシャワの町並みを、当時のヒビの一本まで、正確に再現しようと復興に挑んだそうだ。今もワルシャワの町は美しいが、それは戦後の再建によるもの。彼らは奪われた思い出を、自らの決意と努力で『再構築』したのだ。その再現がどれほど実際に即しているのかは分からないが、きっと、町角の何気ない通りを曲がるとき、幼い頃のあれこれがふと脳裏を過ぎるような、完成された町並みなのだろうと推測する。

全く同じは無理かも知れない、いや、恐らく無理だろう。あれほどまでに破壊された町々は、そう簡単には復興できない。失われた『故郷』は、もう2度と見出されることは無いだろう。それでも、ポーランド人と同じ、いやそれ以上の熱意を持って、新しい東北地方を再構築して欲しい。そのための長い支援を、被害を免れ、故郷を失わなかった私たちは続けて行くのだ。彼らの『故郷』はもう戻らない、その苦しみを和らげることは出来ないが、その苦しみや悲しみの深さを推察し、新しい『故郷』作りに、日本中が力を預ける事はできるだろう。

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
この記事のトラックバック URL

プロフィール

hiyo

  • Author:hiyo
  • たった二つの趣味、映画と読書を中心に、日記を書いてみたいと思います。
    最近、自分の時間を充実させたいな、と結構真剣に思っていたりして。文章を書くのも結構楽しいし、誰かが通りすがりに読んでくれたら、嬉しいかな、とか思っている。
名言・格言集
Now on-line
現在の閲覧者数:
Thanks for visiting
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
ブログ内検索
googleで検索
2011年読書記録更新中!
今はこんなところ・・・
hiyo07さんの読書メーター
携帯でも、読みたいですか?
QR
Blog Ranking
ちょっと登録してみたよ?


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。