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『ハルムスの世界』

2011/05/20 23:43 ジャンル: Category:読書【コメディ・その他】
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ダニイル・ハルムス著/増本 浩子 訳/モンキーブックス
スターリン政権の弾圧のため逮捕され、獄中死したと言われる著者の書き残した無数の『ナンセンス』な短編。妻の機転によって救い出された作品の数々は、20世紀後半になって発見され、ロシア国内はもとより世界中で親しまれるに到った。代表作を含めた39編の短編集。

初めて、冒頭のあらすじが書けなかった(笑)。実に短い短編ばかりで、『小噺』と呼ぶほうが相応しいようなものが多いのだが、クスリと笑ってしまう見事なオチ、芸術を弾圧していたソビエトを皮肉るようなシニカルなものあり、ブラックありと豊富な内容だ。以前『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』を観たときに、フィリップ・シーモア・ホフマン演じる男が専攻していたのが『不条理文学』。それって一体何なのよ?と思ったものだが、そうか、これがそうなのかと(笑)。
とにかく面白かった。これほどの短さなの中に込められた意味。それを崩壊させてしまう無意味な描き方。これはもう、文字の羅列をもってするインスタレーションアート?いやいや、抽象アートですよね。一応は意味を持つ文章として並べられた文字を何度も頭の中で反芻し、心の中で組み立てなおせば、どこか違った印象がムクムクと浮かび上がってくる。ただ『無意味な』文章を書いたところで、こうは面白くならない。
ピカソの画がなぜ世界中の人を魅了するのか?それはもう、他を圧倒するほどのデッサン力と精密な描写力をもってして描く計算された抽象画だからだ。ウチの母などは良く言う『こんなのあたしにだって描けるわよ~』と・・・。ではいざ筆を持って、あらゆる絵の具を好きに使って、何となくの抽象画を描いたとしよう、きっとそこには、あらゆる色が混ざって茶色で埋まった見苦しいキャンバスがあるはず。根本に揺ぎ無く高い技術が無ければ、画も文章も、いやあらゆる芸術は生み出せない。
文章を短くするのは相当な技術が要るものだ。多くの作家は、良かれと思って描いた作品を、結果的に添削して短くする作業を行うという。ただ書けば長くなる、短くまとめるには技術がいる。この短さでこの面白さ、卓越した技術あっての作品群なのだ。
惜しむらくは、図書館で借りて期限内に読んで返すという、通り一遍等の読了で終わらせてはならないと思ったこと。ずっと手元に置いて、繰り返し読んで、その度に味わう面白さを経験するべき作品集だ。1度読んで終わりにするのでは勿体無い。誕生日プレゼントで貰いたいと思うような本がたまにあるが、これはその1冊。さりげなくて普遍性があって、読み返して何度も違った印象を持てて、ユーモアがあって刺激的、一生側に置いておける類の本なのだ。

ハルムスの世界ハルムスの世界
(2010/06/20)
ダニイル ハルムス

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