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『はじめての大切なもの』

2011/05/30 22:48 ジャンル: Category:映画【ドラマ】
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〔伊〕LA PRIMA COSA BELLA (2010年)
監督:パオロ・ヴィルツィ
脚本:パオロ・ヴィルツィ
ヴァレリオ・マスタンドレア/ミカエラ・ラマツォッティ/ステファニア・サンドレッリ/クラウディア・パンドルフィ/Marco Messeri /Giulia Burgalassi/Francesco Rapalino/セルジョ・アルベッリ/Paolo Ruffini

アンナはとても美しい女性だった。2人の子供と愛する夫、それだけで幸せだったはずなのに、ある夏の海辺の美人ママコンテストで優勝してしまう。どうということの無い娯楽賞だったはずなのに、嫉妬深い夫はアンナを責める。元から酒癖の悪かった夫に危険を感じたアンナは、子供たちを連れて家を出る。それから母アンナの恋愛遍歴が始まり、子供たちの流浪の日々が始まった。成長した息子ブルーノは、母や家族と距離を置き、どこか捻くれた専門学校の教師となっていた。そこへ妹のヴァレリアが現れる。母の末期癌は深刻で、兄の訪問を促す目的だった。仕方なくアンナの見舞いに訪れたブルーノは、辛かった過去のあれこれを思い出すのだが、その裏に隠された母の愛もまた、同時に思い出していた。

見わたすかぎり人生』が面白かったので、同監督の新作を鑑賞。本国でも好評を博したらしく、アカデミー外国語映画賞にノミネートされた作品だそうだ。前作とプロット的に似通った部分をかなり感じるが、より複雑に深く描いていて高評価も納得の出来。
複雑で少しばかりエキセントリックで魅力的な女性『アンナ』、彼女だけで物語が成り立っている感じだが、それが上手く機能しているのだ。をたった一人だけ深く堅実に描き出すだけで、周囲の人物も自ずと浮き上がってくる手法は見事。徹底的に掘り下げて描かれるこの役を演じるのは難しかっただろうが、若き日、老年を演じた両女優が素晴らしかった。
そうしてアンナ主体に感じられる物語だが、それでも、誰の目線で物語を見るか?というので、かなり印象が違って見えるだろう。アンナだろうか、ブルーノだろうか、嫉妬深い父か、妹ヴァレリアか、アンナの姉だろうか?恐らくブルーノの目線だけで観ていたら、この映画の魅力は半減してしまうだろう。しかしご安心を、前半はブルーノの目線で描かれて行くが、特にこれといった告白や切り替えがあったわけでもないのに、徐々に目線が切り替わっていく感覚を味わえる。特に苦労しなくとも、アンナの目線で全体を捉え、父の気持ちを感じ、同時に母を嫌悪するブルーノの目線も忘れないように出来ているのだ。
無知で放漫で危険なほどの楽天家だと思えたアンナだが、計算された楽天性と実直な性格に思えてくる。家族を愛する純粋な気持ち、苦しみを遠ざけようとする努力、内に秘めた悲しみや苦労を、誰にも悟らせずに生きてきたのだと思わせられる。ラストで、脇にいたはずの妹ヴァレリアとアンナの姉の真意を知らされたとき、物語は否応なしに深みを増して、重厚な人物が入り乱れて1つの作品になったことを感じさせる。その大渦のような人間模様を、ライトでコミカルなタッチで包むことによってソフトな仕上がりにしている。
確かに子供としてみれば、アンナのような母親は迷惑千万だろう。もう少し上手く立ち回れば・・・と思ってしまうが、上手く立ち回れないのがアンナなのだ。不器用なのかも知れない。家族を愛することすら、一生懸命なのに不器用なのだ。ブルーノの詩の朗読会に現れたアンナの、雰囲気にそぐわない誇りに満ちた笑顔は秀逸。アンナという女性を、あの笑顔だけでも理解できるだろう。
かなり深刻な物語だが、コミカルさが素晴らしいクッションとして効いている。役者たちの引いた演技も相乗効果としては万全。深刻で物凄い意義のある人生も良いとは思うが、私はこうした深みと明るさのある人生が良い。家族が一同に会したアンナの家、それはアンナが望んだちぐはぐだけど完全な『我が家』。
人生って複雑だけど面白い、アンナのように一生懸命で、苦しみを遠ざけて、愛を探して、愛を与えられれば。アンナはただただ、『はじめての』美しくたいせつなものを守り抜いたのだろう。アンナにとって、自らの美しさは『はじめて』ではなかったのだ。物語を動かした基盤である美しさは、アンナにとっては何の意味も持たないものだったのだろう。ブルーノは大分振り回されてしまったようだが、素敵な恋人が側にいてくれて、母の愛を知ることができたのだから、これからは楽しい楽しい人生が待っていることだろう。この作品も是非、DVDとして多くの方に楽しんで頂きたいと思う。

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