* WanderLust *=memorandum for me=

読書はライフワーク、映画鑑賞は人生の潤い、旅行は趣味にしたいなぁ♪日記は日々の覚書き。

スポンサーサイト

--/--/-- --:-- ジャンル: Category:スポンサー広告
TB(-) | CM(-)Edit

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『さあ、気ちがいになりなさい』

2011/05/30 23:31 ジャンル: Category:読書【幻想・奇想・奇譚】
TB(0) | CM(0) Edit

フレドリック・ブラウン著/星 新一 訳/異色作家短篇集2 早川書房
見知らぬ星で肩に乗った動物だけを相棒に、地球に帰る日を夢見続けた男の話。逃亡した凶悪犯、駅で出会った不審な男2人、張り詰めた空気が闇を支配する。世界を救った少年は如何にして悪魔に勝ったのか?空からやってきた電気を喰らうもの、地球からは電気が消え、人々は狼狽するが、1人の男だけはそんな情況を楽しむかのように。。。ユーディとは何者か?ユーディは望みを叶えてくれる、言葉にすれば何でも望み通りに。星々を廻って娯楽を提供する一家は、故郷に帰る途中に地図上にない星を見つける。町を牛耳る犯罪者、その男が目指す町とは?気ちがいになって病院に入る、不思議な提案を受けた男。彼は事故の影響で記憶を無くしていたばかりか、自分は『ナポレオン』だと思っていた。未来、不可思議な世界、奇怪だけど面白い物語を集めた短編集。

みどりの星へ/ぶっそうなやつら/おそるべき坊や/電獣ヴァヴェリ/ノック/ユーディの原理/シリウス・ゼロ/町を求む/帽子の手品 /不死鳥への手紙/沈黙と叫び/さあ、気ちがいになりなさい

いや~、久々のF・ブラウン、面白かった~。シカゴ探偵シリーズではまった作家だが、SFも面白い。SFとは言え、舞台が別の惑星だったり交通手段が宇宙船だったりするだけで、物語の基盤は普遍的なものが多い。こういうSFだったら私にも読めるのだ。
本作を読み始めたのは3月の上旬、地震の後だったか先立ったか定かではないが、節電が始まった頃であったのは確かだ。しかも丁度その頃に、『電獣ヴァヴェリ』を読み始めた。この話は、何者かによって世界中の電気が無くなってしまうというもの。ある新聞記者が主人公なのだが、彼はいち早く『電気が無くなる』ことに気が付いて行動する。電気によって発展したと思える現代社会が、不可抗力によって電気を喪ったその後の展開は大変興味深く、恐怖を感じるとともに少し羨ましくもある出来だった。本当に電気が無くなってしまったら?これほどスムーズに電気以前の生活に移行できるとは思えないが、その姿は穏やかで興味深い。地震で電話が不通になっただけであの騒ぎ、電車が止まり、強制的に停電があり、町中が薄暗く、工場が停止し、物資が不足し、たった4機の原発が停止しただけで生まれる混乱の最中にあってこの物語。本作を描いたとき、恐らく電気社会に対するいささかの警鐘もあったのだろうが、現実を体感することによって、SF作家の先見の明というのを如実に感じられた作品だった。他の時だったら、単なる夢物語として面白い程度のものだったのだろうが。
奇想天外、空想科学、とにかく好みに合った作品ばかり。上記の理由で最も面白かったのは『電獣ヴァヴェリ』だったのだが、ノスタルジック溢れる展開、どこと無くジャック・フィニィを感じさせる作風、現実の理由などなくてもこの作品が一番気に入ったかも知れない。
『おそるべき坊や』などは、おどろおどろしい雰囲気を醸しつつ、ラストではクスリと笑ってしまうようなコミカルさがあり、『シリウス・ゼロ』に関しても、微笑ましい展開と危機感のある中盤で見事な切り替え。『ユーディの原理』などはナンセンスの塊りのように思えるし、『帽子の手品』や『町を求む』はうっすら背筋が冷える作風。なんとも、1冊でバラエティ豊富な内容を取り揃えてくれている。
短編を読むのは大好きなのだが、思わず唸ってしまうほどまとまりが良く構成が上手く話が上手い短編は割りあいと少ない。特にこれほど様々な作風を揃えたものとなれば尚更。余り日本では紹介されない作者であるが、熱心なファンは多いはず。もっとたくさん翻訳されてほしいものである。

さあ、気ちがいになりなさい (異色作家短編集)さあ、気ちがいになりなさい (異色作家短編集)
(2005/10/07)
フレドリック・ブラウン

商品詳細を見る

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
この記事のトラックバック URL

プロフィール

hiyo

  • Author:hiyo
  • たった二つの趣味、映画と読書を中心に、日記を書いてみたいと思います。
    最近、自分の時間を充実させたいな、と結構真剣に思っていたりして。文章を書くのも結構楽しいし、誰かが通りすがりに読んでくれたら、嬉しいかな、とか思っている。
名言・格言集
Now on-line
現在の閲覧者数:
Thanks for visiting
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
ブログ内検索
googleで検索
2011年読書記録更新中!
今はこんなところ・・・
hiyo07さんの読書メーター
携帯でも、読みたいですか?
QR
Blog Ranking
ちょっと登録してみたよ?


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。