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『ハート・ロッカー』

2011/06/09 23:22 ジャンル: Category:映画【戦争・アクション】
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〔米〕THE HURT LOCKER (2008年)
監督:キャスリン・ビグロー
脚本:マーク・ボール
ジェレミー・レナー/アンソニー・マッキー/ブライアン・ジェラティ/レイフ・ファインズ/ガイ・ピアース/デヴィッド・モース/エヴァンジェリン・リリー/クリスチャン・カマルゴ

イラクのバグダッドで日々繰り返される爆弾テロを回避すべく活動していたブラボー中隊だが、リーダーが殉職したことを受け、帰国まであと数日という時期に新しいリーダーを迎えることとなった。赴任してきたジェームズ二等軍曹は得体のしれない狂気を含んだ男で、補佐役のサンボーン軍曹と技術兵の若いエルドリッジは困惑する。命がけの現場でどこか楽しんでるかのような行動を取るジェームズと結果として衝突せざるを得ないサンボーン等だったが、命がけの日々の中で団結らしい絆が生まれていく。しかし緊張感が高まる中、子供までも犠牲になる惨事に切れるように無謀な行動に出るジェームズに対して、チームの結束は揺らいでいく。しかし戦場での日常は繰り返され、新たな爆弾仕掛けられ続けていく・・・。

メジャー俳優不在(とは言え、友情出演か?というレベルなら結構な顔ぶれ・・・だと思う)、派手さの無い戦場映画、万人受けするとは言い難く、アカデミー賞を受賞するとは信じがたい本作。それでも高評価を得てのアカデミー作品賞、監督賞を受賞。そのせいか、一般の方々の評価はかなり手厳しい。誰しも期待し過ぎてしまうのだろうか。天邪鬼になるつもりはないが、個人的には今のとこと今年一番の作品だった。
派手さは無い。もちろん爆発や銃撃戦はあるのだが、リアルな地味さを感じる。とは言え、戦場というものを知らない故、これがリアルかどうは判断不明なのではある。製作側は、リアルさにこだわったと発表しているし、淡々とした戦場での日常という雰囲気は十分伝わってきた。
何しろ、ジェームズという男の描き込みが深い。複雑な男だが、その複雑さをじっくり丁寧に描いていて、ラストではその複雑さが全て理解できる。そしてジェームズの複雑さを理解した時、この作品の方向性がはっきり見えたのだ。ジェームズを描き切るために作られた物語、その視点は、ただジェームズだけを追っているのである。ここまで主人公だけを追った戦争映画も珍しい。ジェームズを通して描いたことはとても単純で、全体を通して主題が真直ぐに描かれていたことが分かる。見事なぐらいにぶれていない、この骨太さは半端じゃない。男女の違いを云々したくはないのだが、エンドロールが始まった瞬間に、監督の名前を見て思わずはっとした。そうか、この作品は女性が監督したんだった!と。
ジェームズはきっと、爆弾処理が単純に好きだったのだろう。爆弾処理に関わるスリル、人命を救うという崇高さと満足感、一般的な日常では決して味わえない緊張感、充足感。人は好きな仕事をやりたいと思うもの、だから彼は爆弾処理をする。好きだから、ただそれだけで。それでも、凄惨さや、子供までもが平然と犠牲になる世界には馴染めずに憤りを感じる。出来ることなら辞めてしまいたいのだろうが、爆弾処理という特殊な仕事に精通した男は、平凡な日常ではやはり生きてはいけないのだ。
尊厳をかけて闘うテロリストがいれば、卑怯な殺人鬼のようなテロリストもいる。そうした卑怯さに触れたとき、ジェームズのたがが外れてしまったのだろう。暴力の世界に苦悩し、生甲斐とのバランスに悩むジェームズ。暴力があるから自分の好きなことが出来るというジレンマは相当なはず。だから彼は無謀なほどに命を懸けたり自虐的になったりするのでは?そうすることが、彼の贖罪でもあったのではないのかと。
こんな難しい人間像をJ・レナーが完璧に演じていた、見事だったよね。苦しみが切々と伝わってきて、周囲を巻き込むような無謀な行動も、心中の影や爆弾処理に捧げる敬意が感じられて嫌味が無い。幼い息子に胸のうちを明かし、自分が見出した唯一の『好きなもの』を改めて受け入れた後、砂漠の町の通りを胸を張って歩く姿が素晴らしくて、台詞なんかいらない、難しい演出もいらない、優れた俳優がいればそれで名シーンは生まれるのだと実感させてくれた。
難点としては、このシーン、この展開なら死んで当然と言える最も効果的な人材を当たり前に殺してしまうこと。確かに物語に深い印象を与える効果抜群だが、それが繰り返されると、単純な手法に逃げているように感じてうんざりしてしまう。しかも、劇的で素晴らしい演出と演技で際立った展開を見せたと思える箇所が、繰り返しの手法の3度目か4度目だったのでどうも素直に受け入れられなかった。
こいつ死ぬな・・・と思ったキャラクターが当然のように殺されるという単純さ、それ以外は私にとっては完璧な作品だった。小説でも映画でも、人間を深く掘り下げた作品が好きなのでそう感じたのかも知れない。ジェームズの心の中をあぶりだす様な演出は秀逸だったな。この男には紛れも無い優しさがある、それは女性的な一面だったのかも知れない。それ故に、やはり本作は、女性監督が撮れる最高峰の戦争映画と言えるのだろう。

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