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『フォーカス』

2011/06/16 23:22 ジャンル: Category:映画【ドラマ】
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〔米〕FOCUS (2001年)
監督:ニール・スレイヴィン
原作:アーサー・ミラー
脚本:ケンドリュー・ラッセルズ
ウィリアム・H・メイシー/ローラ・ダーン/デヴィッド・ペイマー/ミート・ローフ・アディ/ケイ・ホートリー/マイケル・コープマン/ケネス・ウェルシュ

第二次大戦中のブルックリン。40歳を過ぎたローレンス・ニューマンは、母親と2人暮し、会社では可もなく不可もなくの中間管理職、真面目で平凡で大人しい男。毎日版で押したような地味な毎日だが、それなりの人生だった。しかし、視力の悪さを上司に指摘され、眼鏡をかけたことから人生が変わっていく。眼鏡のせいでユダヤ人に似ていると噂になり、いわれの無い迫害を受けるように。近所では反ユダヤの組織が出来る中、左遷されそうになったローレンスは会社を辞めてしまう。地域からも社会からも孤立していくローレンスだったが、同じくユダヤ人と間違われるが美しい女性、ガートルードと出会って恋に落ちる。

長年翻訳小説を読み、海外の映画をそれなりに観ていると、避けては通れないと言えてしまうのが、アーサー・ミラーの戯曲『セールスマンの死』だ。アーサー・ミラーその人に関しても、作品に関わらず避けては通れない。そのくせ、私はのらりくらりと避けてきた(笑)。もしかしたら本作が初のアーサー・ミラー関連かも知れない。
なるほどぉ~、社会派でありながら人間ドラマの切れが良く、キャラクターの描き出しも巧妙。本作の脚本もシンプルでポイントを抑えたすっきりした仕上がりだったと言えるだろう。しかしなんと言うか、、、地味。なんと言っても、主演がW・H・メイシーだもんね(笑)。L・ダーンも美しい俳優さんなのだが、どことなくこのぉ・・・男っぽい?というか、、、もう辞めておこう。
ユダヤ人迫害が盛んではなかったアメリカを舞台に、しかし人種差別や偏見がある郊外のブルックリンという社会性を下敷きに、いわれの無い迫害を受ける恐怖と、徐々に進行していく崩壊と危ういバランス感はさながらサスペンスドラマのようだ。人の渦に巻き込まれて目立たず騒がず生きてきたローレンスという男が、迫害を受けたことによって逆に人間らしさや勢いを取り戻していく反作用が面白い。
物語としての展開の妙も面白いと思うが、ブルックリンでのユダヤ人迫害という、本格的に問題になったヨーロッパ本土のそれのミニチュア版のような様が、額縁の中の出来事のような、箱の中を覘いているかのような、狭い空間を際立たせる閉塞感があって興味深い。
そうした擬似的とも思える迫害だが、じわじわと主人公を苦しめ、個人の意思よりも集団の思い込みの恐怖を克明に描いていく。どれほど馬鹿らしいと思っていても、集団の思い込みほど恐ろしいものもない。ヒットラーは敵であり、本来ならユダヤ人を保護すべき立場のアメリカ人だったはずだが、偏見や迫害はどの国よりも根深いものがある国でもある。ローレンスを必死になって迫害した人達は、単に英雄になりたかったのか、周りがやっているから自分もという個性の無さか、とにかく矮小で無知な様が哀れだった。
この時代故か、作者の想いか、舞台という環境の限界か、ラストはしんみりと淡々とした仕上がりだ。ローレンスの置かれた危機的な情況、しかし小さな共同体の身勝手な暴挙という重要性の低さ、警察の事務的で冷静な態度、どれをとってもシニカルさが充満したエンディングだった。
ベースがしっかりしているので、物語を考えつつ楽しむのには最適の映画だったが、娯楽として楽しむには全くむいていない。どこぞの学校の映画クラブなんかで、生真面目な高校生がこの映画について激しくディスカッション・・・なんてのには、もう絶対断固としてお薦めなんだけど(笑)。

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