* WanderLust *=memorandum for me=

読書はライフワーク、映画鑑賞は人生の潤い、旅行は趣味にしたいなぁ♪日記は日々の覚書き。

スポンサーサイト

--/--/-- --:-- ジャンル: Category:スポンサー広告
TB(-) | CM(-)Edit

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『世界でたったひとりの子』

2011/06/21 23:38 ジャンル: Category:読書【ヤングアダルト】
TB(0) | CM(0) Edit

アレックス・シアラー著/金原 瑞人 編/竹書房
タリンはこの世に存在する数少ない『本物の子供』。医療が進歩して、薬で老化が止められるようになった代わりに、子供が出来ないウィルスが蔓延してしまったのだ。親代わりのディートと共に、時間単位で『子供』を貸し出して暮らしている。土地から土地へ移動の日々、逃げ出したくはあるけれど、行き場が無いタリン。彼を付回す男の存在もあり、子供が1人で出歩くのも危険な世界なのだ。それでもタリンは、どこかにいるはずの本当の家族を探したいと願う、きっとどこかにいる、本当の家族を。

全くこのおじさん、、、(失礼!)限界ということが無いのか?マンネリという言葉は知らないのか?読む度に毎回違った話を用意していることに驚かされる。不変であるのは、主人公の子供が等身大だということ。多分ちょっぴり良い子なのだが、それでも、反抗もするし間違いも犯す。そんな子供達が色々な事件に巻き込まれて、最後には大団円!こう書くとどれも同じと思えてしまうが、どれも全く違うお話なのが凄い。
唯一『大団円!』とほっこり出来なかったのは『スノードーム』であるが、個人的にはこの作品が最も好きである。というか人生のベスト5に確実に組み込まれている。そして本作は、この『スノードーム』に近い重さを持った作品だったと言えるだろう。
近未来、子供を生む代わりに永遠(とも思える)若さと寿命を手に入れることが出来たら?あなたならどうしますか?いえいや、本作ではウィルスによる不妊なので、薬を飲むか否かを決めることと子供が生まれることは関係ないのだが、150年、老けもせずにあなたは生きたいですか?まずそんなことを真剣に考え始めたら怖くなってしまった。私はどうも、読書中は上手いように答えが導き出せなかった。
少子化、不老不死などの表面的な問題の合間に、実に興味深い示唆が含まれている。主人公タリンが考える『僕』としてのアイデンティティ。家族や環境が子供に及ぼす影響、理解者がいないと嘆くタリンが冷静に見つめる、狂気的なまでの大人たちの姿。子供を借りて擬似的に親子ごっこをする人々への深い洞察。『僕は誰なの?』という疑問はティーン向けの作品には良くあるコンセプトだが、ここまでダイレクトに、かつディープに掘り下げたのはシアラーならではの手腕だろう。
タリンの孤独が痛烈で、健気に立ち向かおうとする姿にあっけなく懐柔された私。彼に訪れたラストも淡々として清々しく、これもまさにシアラーマジック、筆力の見事さに感嘆してしまう。傷ついたタリンの胸の内を少しずつ深くまで覗き込むような筆致は、こちらの胸にまで痛みが染み込んで来るくらいだった。
老いて行くということ。この作品のターゲットであるティーンにしてみればいささか掴み辛い感覚だとは思うが、感受性豊かな年頃のこと、きっとタリンと同じように深く感じてくれることだろう。著者は子供のまま老いないという究極の選択と、それに対する答えを二通り用意している。大人にならないことの苦痛もあるが、大人にならないことを選択した少女の、オカルト的ではあるが成功の人生も描かれているのだ。
さて、大人である私たちは、いかに受け止めるか?生を普通に歩んで老いて行くことの素晴らしさを感じるだろうか?150年以上生きることを望むだろうか?そこに何か意義が見えるだろうか?最終的に私が得た答えは、そこに家族がいるなら、老いて行くのも悪いことじゃないのではないということだった。

世界でたったひとりの子世界でたったひとりの子
(2005/12)
アレックス シアラー

商品詳細を見る

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
この記事のトラックバック URL

プロフィール

hiyo

  • Author:hiyo
  • たった二つの趣味、映画と読書を中心に、日記を書いてみたいと思います。
    最近、自分の時間を充実させたいな、と結構真剣に思っていたりして。文章を書くのも結構楽しいし、誰かが通りすがりに読んでくれたら、嬉しいかな、とか思っている。
名言・格言集
Now on-line
現在の閲覧者数:
Thanks for visiting
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
ブログ内検索
googleで検索
2011年読書記録更新中!
今はこんなところ・・・
hiyo07さんの読書メーター
携帯でも、読みたいですか?
QR
Blog Ranking
ちょっと登録してみたよ?


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。