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『ラブ・ストーリーを読む老人』

2011/06/22 00:10 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ルイス・セプルベダ著/旦 敬介 編/新潮社
エクアドル東部のアマゾン上流、森で生きる老人はラブストーリーを読むことを楽しみに、静かな余生を送っていた。しかし凶暴化した山猫が人間を襲い始め、村人達は恐怖を覚える。そこで山猫狩に行く部隊を結成するのだが、かつて原住民と暮らし、狩や生きる術を彼らから教わった老人は半ば強制的に野生動物の狩に連れ出されていく。孤高の動物が楽しみのために人間を殺すことはあり得ない、そこには何だかの因果があるはずと思う老人は、山猫との対決を終わらせて無事帰ることは出来るのだろうか?

タイトルからすると、ほんのり優しい人間ドラマ・・・という気がしてしまうが、あらすじを読んで全く違う話なのは知っていた。現実にエクアドルからの亡命者であり、森林保護などにも造詣の深い著者が、知人であり現地で自然保護活動をしていた人物の暗殺という事実も踏まえて描いた作品らしい。
人間は野生動物よりも劣るのか、文明は完全なる悪なのか?よもや普遍とも思える疑問が提示されていたように思う。個人的には文明は悪だとは思わない。必要悪とも思わない。単に人間は手と足という都合の良い機能を発展させ、複雑な言語を話す能力があり、物事を進化させる頭脳があった。野生動物より偉いとは言わないが、弱肉強食の観点から言って、武器を作る強さがあったという点において、強者であったのではないだろうか。だからといって、自らの私欲を満たすためだけに、動物を殺して良いとは断じて思わない。とは言え菜食主義でも何でもない私には、これ以上の議論は不可能なんである、あしからず。
非常に短い作品ではあるが、野生動物vs人間、文明社会vs自然保護という観点を巧みに掘り下げた良作である。特に野生動物と人間(主には主人公の老人ではあるが)の闘いに関して、野生動物の気高さを描いている・・・と思わせてまた複雑な展開に持ち込んでいく。果たして老人は間違いを犯したか?という点において、私は本作の導き出した答えにはいささか納得できない部分がある。
様々な社会問題が提示されている作品ではあるが、うっそうと繁る熱帯の森の息苦しさ、徹底的に降りつける雨の重さ、不便な生活から生まれる臭気などがまざまざと迫ってくるようなリアルな筆致だった。フィクションの物語として、その成り立ちだけでも十分に楽しめる要素があるだろう。本を開くたびに、遠く南米の河流を感じ、泥にまみれた寒村の一室にいるような錯覚を覚えた。こんな梅雨の時期に読むと、その湿気と重苦しさを効果的に活かせそうな作品、お試しあれ!

ラブ・ストーリーを読む老人ラブ・ストーリーを読む老人
(1998/01)
ルイス セプルベダ

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