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『月に囚われた男』

2011/06/28 00:31 ジャンル: Category:映画【サスペンス・ミステリ・犯罪】
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〔米〕MOON (2009年)
監督:ダンカン・ジョーンズ
脚本:ネイサン・パーカー
サム・ロックウェル/ドミニク・マケリゴット/カヤ・スコデラーリオ/ベネディクト・ウォン/マット・ベリー/マルコム・スチュワート/ケヴィン・スペイシー

地球の残された僅かな資源を守るため、月に新たな燃料源を求めた人類。中でも最大の生産企業ルナ産業は、3年契約で現地作業員を1人、月へと派遣していた。サム・ベルは、2週間後に迫る任務終了の日を待ち焦がれながら、単調で孤独な日々をやり過ごしていた。通信システムの故障から、本部への報告も、家族との連絡も全て録画映像のみ、話し相手は世話係ロボットのガーティだけ。旅立つ前の妻とは疎遠だったが、娘も成長し、今は家族も帰りを待ってくれている。日増しに孤独感が募る中、彼は体調の変化を感じ始め、なぜか妄想とも付かぬ幻覚を見始める。そのせいで作業に向かう途中に事故を起してしまった。怪我はしたようだが無事に基地に帰り着いたようで、目覚めたときは診察台の上。妙な感覚に襲われながらも回復していったサムは、事故現場で自分と瓜二つの男性を発見して基地に連れ帰る。現実か妄想か、自らの神経すら信じられない孤独の中で、彼が見つけた真実とは?

これは素晴らしい。映画を作る人って、そのクリエイティブな活動の中で、『これぞ!』という唯一無二の個性を持った秀作を作ると思うのだが、唯一無二なので、そうした作品は、だから1作が限界だ。大抵は何本か映画を作った後に訪れる快挙だと思うのだが、D・ジョーンズの場合、長編第一作にしてそんな作品を作り上げてしまったのではないか?と思う。
近未来が舞台なのだから、その設定に多少の無理があっても?と思うのだが、プロットはあくまで現実的である。月でたった1人で3年間?1人のはずが2人に?妄想か現実か?知らずに聞くと不可解で荒唐無稽に思えるが、作品を見ればその1つ1つにしっかりと説明が付いていく。そのきっちりとした手順は気持ちが良いほど。練りに練られた脚本だと思う。徹底的に精査された結果なのだと理解できる。しかも『なるほど』と思わせてくれる1つ1つの事柄が、マジックの種明かしのようにあっけないのではなく、物語を膨らませる見事な材料となって残っていくのだ。
この作品の紹介を観ると不可解な出来事を描いているように思うが、実際は全く逆で理路整然としている。むしろ、サムの現状が解明されてからの方が物語は俄然面白くなる。冒頭でサムの孤独感を的確に描き、中盤から一変した環境を利用して、キャラクターの内面を浮き彫りにしていく。企業の非人道的計画が明らかにされるサスペンスと、サムという人物の揺れ動く心理が丁寧に描かれるのだ。
一つ一つ明かされる事実に、一方で悲嘆にくれ、余りにも受け入れがたい事実に崩壊していくサムと、現状を打破しようと挑戦するサム。憎み、共鳴し、団結していくサムの心境の変化を示す演出が上手い。しかも全てをサラっと苦労もなく作ってしまったようなドライ感がまた良い。1人二役を演じたS・ロックウェルの、サムの個性を最大限に活かした演じ分けも見事で、奇妙な関係に置かれたサムとサムを巧みに見せてくれる。おまけに素敵♪家族への愛、人間としての尊厳、物語としての面白さ、ロボット社会(主にガーティ)が見せる人間味という逆説的なドラマ。面白い、実に面白い。
そうした要素が全て集まってなだれ込むラストは緊迫した展開で、ここで終わっても・・・と思われる後に続く説明的なエンディングは、D・ジョーンズが思う社会的な表明が含まれているような気がした。映画としてあり得るラストを間延びさせても見せたかったこと。そこには自然に対する愛情と、人間としての尊厳の重要さなどが含まれている気がした。そして残されたサムに対する弔いの思いも少し。
この後この作品を越えるものを作る、トンでもなく高いハードルを自ら置いたD・ジョーンズ。今後に期待しなくちゃウソなのだ。『あの』デヴィッド・ボウイの息子、高い芸術性は音楽から映像に形を変えて受け継がれていくのね・・・。才能って買えないから、最高の遺産を受けついだと言えるだろう。というか、顔もそっくりで、なんだか小憎らしいぐらいだわ(笑)。

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(2011/02/23)
サム・ロックウェル、ケヴィン・スペイシー 他

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