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『パートタイム・サンドバッグ』

2011/06/30 23:25 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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リーサ・リアドン著/川副 智子 編/武田ランダムハウスジャパン
1967年、アメリカがベトナムで戦っていた頃、P・Tとチャーリーの祖父が殺される。歳を取りすぎてこの世を憂いていた老人の願いを、P・Tが聞き入れてしまったのだ。父親の暴力が元で脳に障害を持ってしまった兄P・Tを守るため、チャーリーはその罪を被って投獄されてしまう。刑務所かベトナムか?チャーリーは刑務所を避けてもう1つの地獄へと向かう。戦地で負傷したチャーリーは、内地での勤務で刑期を全うして除隊する。故郷には戻らずに文通相手の女性と結婚したチャーリーだったが、戦争は彼の中の何かを変えてしまった。そしてチャーリーが不在の間に、同じく戦地に行った旧友のジーノの人生も、故郷の中間達の人生も、それぞれが大きく変わってしまった。変わらないのはP・Tだけ、そして変わらないがゆえに、新たな悲劇が重なってしまうのだった。

う~ん?面白かったと言えば間違いなくそうなのだが、なんだろうこの、妙にもったいぶった感じは。作者は自らを『レッド・ネック(戸外労働者)ノワールの女王』と呼ぶらしい。自分で自分のこと女王とか言っちゃう?(笑)。いわゆる底辺にいる人達の世界を緻密に重厚に描いてしまうらしいのだが、その底辺感や複雑さが、やけにハードボイルド風で個人的には微妙な感じなのだ。これはまぁ、私自身に何か偏見があったのかも知れないが。
P・Tの犯してしまった罪、その必然性やその奥に隠された贖罪。同じく贖罪を背負ったチャーリーの憤りや閉塞感など巧みに描かれているとは思う。親友ジーノの屈折した感情や、チャーリーを取り巻く友人達の抱える様々な問題、皆それぞれが環境によって複雑な事情を抱えていて、それぞれの人物像も満遍なく掘り下げてある辺りは見事な筆致だと思う。
思うのだが、それぞれ問題がありすぎなのだ。しかもそれが、出生によるものだったり、親の影響だったり、逃れられない悪循環から生まれたものばかり。重い、、、重すぎる、、、。嫌いではないのだが、どこにも希望が無いのが辛い。ラストではそれぞれの解決があり、開放された罪があったりするのだが、どうにもこう、、、すっきりとしてくれないのだ、私の感情の中で。
私がアイルランドを愛する理由は、どれほど屈折した環境に置かれても、大方の人は『明るさ』で対抗していくところだ。歌って、飲んで、話して、笑う。その強さこそ、逆境を必死に生きる糧になると私は信じたい。屈折するなかれ、生きていれば辛い現実は誰にでも付きまとうものだから。
ただでさえ苦しい現実に生きている兄弟や町の住人達だが、更にベトナムという不可避の悲劇が襲いかかる。もうこれでもか!だよね、ベトナムでなくても、刑務所でも十分この物語は成り立ったのではないかな?むしろチャーリーが刑務所に行っていれば、そのほうが特色のある作品になったような気がする。
P・TがP・Tたる所以、その過去との繋がりやP・Tの行動などに、もう少し焦点を当てて欲しかったという気もする。物語の大きな鍵を握るP・Tなのだが、そんな彼が一番印象が薄かったような?しかしこの兄弟の、不器用ながら不撓の愛情は胸を打つ。兄を守ろうとするチャーリーの必死さ、無邪気に弟を愛する兄の大らかさ、延々と描かれたのは兄弟の複雑な愛情であり、それが爆発するラストのシーンは複雑さを捨ててストレートに伝わってきたな、ジンワリきた。
全体的に完成度は高い作品なので、個人的にこの雰囲気が好きか嫌いか?私の場合はちょっぴり苦手だったということなのだろう。

パートタイム・サンドバッグ (ランダムハウス講談社文庫)パートタイム・サンドバッグ (ランダムハウス講談社文庫)
(2005/11/13)
リーサ・リアドン

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