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『ウィルバーフォース氏のヴィンテージワイン』

2011/08/18 17:02 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ポール・トーディ著/小竹 由美子 訳/EXLIBRIS
2006年、妻を亡くし仕事もなく、自らの会社を売った資産でワインを楽しむウィルバーフォース。既にワインによる悪影響が体中を蝕んでいるが、彼の人生で唯一残った愛するもの、彼の人生を変えた愛するワインを諦める気は毛頭無い。2004年、全てを投げ打って彼を選んだ妻キャサリンと共に、しがらみの無い優雅な人生を歩み始めたウィルバーフォース。ワインの恩師ともいえるフランシス・ブラックのセラーを手に入れ、少しワインに囚われているような気もするが、彼の人生の第2章は始まったばかり・・・。2002年、仕事に追われ、自らが作り上げた会社は成功を収めた。相棒と共に更なる飛躍を・・・と思ったウィルバーフォースが出会った丘の上の優雅な人々、そしてワインショップのオーナー・フランシス。ワインなど全く興味の無いウィルバーフォースだが、新しい出会いに気持ちが高揚していた。

イエメンで鮭釣りを』の著者による翻訳第二弾。遅咲きの作家の筆致は飄々としていながら堅実で、大いなる逸脱のない荒唐無稽さが妙に気になる作風だった。ということで、本作も試してみた。ラストから冒頭に年代を遡る手法。物語の結末を先に読んでしまう訳だが、いささか気になったのは、結果としてこの手法は活きていたのか?ということ。単に物語を3等分して並べ替えただけ・・という気がしないでも・・・。もう少し、『結果としてああなったのか!』と、最後の年代を読みながら思わず冒頭に戻ってしまうような意外性や種明かし的な要素が欲しかった。
確かに、結果から訳も分からず読み進むので、『ああ、なるほど』という感覚は常にある。どん底のウィルバーフォースから始まって、徐々に体裁を取り戻していく中で幾つもの起点が明かされていくのだが、それらがどうもね、予測可能な範囲で、格別興味深いものでもないのが残念。個人的には普通に年代順に並べてくれたほうが、ラストの衝撃が際立ったように思うのだが、この辺は読者それぞ感じるところが違うだろう。
後書きを読むところ、一応の意図としては、最悪を知っているだけに始まりのウィルバーフォースの輝かしい期待が余計に虚しく感じるとかなんとか・・・らしいのだが、愛を知らずにどこか作り損ねたような人間になってしまったウィルバーフォースに延々と付き合わされただけに、この人はいかなる幸せも上手く昇華できないのではないか?という思いが既に確立されていた。それ故に、素晴らしい仲間達と出逢ったという高揚感を斜に構えて見てしまった。そもそも、孤独の中で生きてきて、それで良しとしていたウィルバーフォースなだけに、丘の上の中間達は少しグレードが高すぎたようにも思う。そりゃ、余計屈折しますよね、という感じ。
とは言え、十分に読める作品だったのは確かだ。とにかく文章が上手い。読みやすくリズムが良く飽きさせない。小難しくは無いのに、描写や台詞、構成がしっかりとしていてそつがない。ウィルバーフォースという徹底的に屈折した男が主人公であり、その転落の物語であるにも関わらず、どこかコミカルな印象すら与えてくれるのだ。
この男がいかにして堕落の道に踏み込み、そして逃れることが出来なかったのかということが、年代が逆だろうがストレートだろうが、確実に染み込んで来る筆致は確かなもの。作品の内容と雰囲気がこれほど一致しておらず、尚且つまとまっているというのが何とも面白く感じられ、よし、次も読んでやろうじゃないの!という気にさせるのだ。

ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン (エクス・リブリス)ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン (エクス・リブリス)
(2010/08/17)
ポール トーディ

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