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読書はライフワーク、映画鑑賞は人生の潤い、旅行は趣味にしたいなぁ♪日記は日々の覚書き。

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『ワールズ・エンド〈世界の果て〉』

2011/11/04 21:59 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ポール・セロー著/村上春樹訳/中央公論新社
ロンドンへ転勤し、人生は完璧だと思っていた男の意外な転落。平凡な男が英国文壇界を渡り歩く秘訣とは?夏の間、親の提案でフランスへ来た少女は、世話になっている家族と小さな諍いを起す。洒落者の男と南国の女、ミステリアスな彼女の報復の結末とは?典型的なアメリカ市民の男は、仕事へパリに行き、パリの空気に混乱させられる。不要な妊娠をしてしまった若いカップルは南米に逃げてきた。誰からも干渉されずにひっそりと出産をするつもりだったのだが、貧しい南国で暮らしは例えようも無い孤独を生み出した。異邦人として生きる人々の日常でありながら非日常の世界を巧みに切り取った短編集。

ワールズ・エンド(世界の果て)、文壇遊泳術、サーカスと戦争、コルシカ島の冒険、真っ白な嘘、便利屋、あるレディーの肖像、ボランティア講演者、緑したたる島

お・も・し・ろ・か・っ・た!久々に、高尚でありながら娯楽として面白い作品を読んだ。優れた作品の多角的な面白さ、こういう作品に出逢うと、読書を楽しんで続けて来て良かったとつくづく思う。読書の楽しみを知っていて良かったと実感する。
正直、村上春樹氏の翻訳で一度大失敗をしているし、おまけに氏の作品はどうも苦手なので食指が動かなかった。作品紹介を読んでみると面白そうだったので、総体的に考えて余り期待しないで読み始めたのも良かったのかも知れない。だって、『小説的情況を把握するグリップの強さであり、ツイストの巧みさであり、最後にふっと読者を放り出すときに感じさせるある種の無力感である』(本書あとがき、帯より)なんて、何が言いたいのかそもそも良く分からないでしょ!?
それがね・・・分かっちゃったんだな。いや~、さすが小説家、見事巧みに言い表していらっしゃる。放り出すと評していらっしゃるが、それがまた妙に心地良い放置感なのだ。ラストまでグイグイ物語を引っ張って、一気に引き込んでいって、ふわっと終わらせてしまう。取り残された感覚が物語を終わらせず、なんだかいつまでも心に残ってしまうのだ。
異郷に生きる人々の日常は、ただそれだけで非日常である。旅の続きと実生活の狭間に置かれた人々の姿を淡々と描いているような印象を受ける。これといって大きな出来事が・・・あるものもあるのだが、それすらも平板に地味に描ききっている。なんだろうな~この面白さ。
『文壇遊泳術』のようにとことんコミカルな作品あり、『緑したたる島』のように中編ほどのボリュームで悲壮感が滲んでいる作品もある。一種捉えがたい『コルシカ島の冒険』や、少しスリラー調で古い時代感を感じる『真っ白な嘘』もある。世界の国々の多種多様な面白さとシンクロするバラエティ、その土地の息吹を感じる緻密な描写、とにかく『上手い』って、『小説』を書くことが純粋に上手いってこういうことか!と感嘆の思い。
難しい表現や読者を選ぶ筆致やテーマでなくとも、単純に組み立てた『物語』作りの上手さ。日常を物語に消化させる視点、そこに投入する核選びの上手さ、達人だなぁ・・・。とにかく久し振りに、『物語』を読んだという満足感、面白い作品を読み進める高揚感、シンプルで読みやすく、余計な講釈もなしに純粋に楽しむ贅沢を味わった。
いやぁ、もっともっと読みたいなぁ。なんでほとんど翻訳されていないんだろう。こういう作品こそ、世界的な活字離れを引き止めることが出来る作品なのに。読書が苦手だという方にも、是非手にして頂きたい一作。

ワールズ・エンド(世界の果て) (村上春樹翻訳ライブラリー)ワールズ・エンド(世界の果て) (村上春樹翻訳ライブラリー)
(2007/11)
ポール セロー

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