2012/02/13 17:29
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映画【ドラマ】
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〔伊〕IL PAPA DI GIOVANNA (2008年)
監督:プピ・アヴァティ
脚本:プピ・アヴァティ/アントニオ・アヴァティ
シルヴィオ・オルランド/フランチェスカ・ネリ/アルバ・ロルヴァケル/セレナ・グランディ/エッジオ・グレッジオ
1930年代、第二次世界大戦直前のボローニャに暮らす高校教師のミケーレ。最愛の娘ジョヴァンナは大人しく人見知りが激しいが、年頃になってそろそろ恋人が出来ても良い頃。しかし美しい妻デリアに引け目を感じるのか、ジョヴァンナはますます不安定になっていく。心配したミケーレが余計なお節介を焼いたのがきっかけで、恐ろしい事件を引き起こしてしまうのだった。
過酷な時代を通して、最愛の娘を信じて守り続けた健気な父親。奔放であるが故に家族との亀裂を生んだ母は、結局は愛する家族の元へ戻っていく。そして、悲惨な事件を起こした娘は、途切れる事の無い父の愛に守られて、病んだ心を癒していく・・・・・って!!!!全然感動しないんですけど!!!!
時々、イタリア人の感性に疑問を感じることがある。感性・・・というか、常識?『娘は悪く無い!』と頑なな父親が精神病院に入れられた娘を必死に見守る感動物語らしいのだが、なんで精神病院に入ったかって、人を無残に殺しているんですよ?刑務所じゃないだけマシじゃない?
しかも精神錯乱による責任能力の欠如って、あたしこれどうも納得行かないんですよね。どんな状態で殺したかではなくて、人を殺したという事実にだけ鑑みて物事を決めるべきなのではないでしょうか。正当防衛は別としても。
んで、脆い娘がか弱さ全開で母親との絆を求める手袋の経緯だったりなんだりあるのだが、いえいえ、殺人者ですから。しかも好きな男と付き合ったってだけで相手の女をメッタ刺しですから、そこ、忘れないように。
ますます納得がいかないのは、娘を殺されて恨み満載の母親のところに退院後訪ねて行って、当たり前にむちゃくちゃ怒鳴られて追い返された時。『話を聞いてくれないの・・・』って娘しょんぼり、当然でしょ?まさかだけど同情を誘いたかった?いやいや、メッタ刺しですよ?
根本的に、本来感動できるはずの父の愛に疑問満載だっただけになんとも・・・。『うちの娘は悪く無い!』って、いやいやだから、メッタ刺しで人殺してますからね。気持ちは分かるが同情出来ない。何と言っても、娘に反省を促していないもの。精神的に崩れて奇行に走るのは良いけど、気に入らないからって人を殺しちゃいかん、それはダメ!とちゃんと諭さないとね。
なんだか1つのことに納得が行かないと、妻デリアの苦悩も単なる身勝手にしか思えなくなってきて、ラストでは感動どころか憤りすら覚えていた。おい!何か美しい感じで終わっているけど、死んじゃった少女はどうなるんだ!とね。
家族の愛だなんだを描く前に、ある程度正気に戻った娘に自らの罪の重みを受け止めて欲しかった。狂気から立ち直ったあたしと支えてくれたパパ♪じゃなくてね。
ぽすれん『ボローニャの夕暮れ』紹介