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『トーイン クアルンゲの牛捕り』

2012/03/18 22:04 ジャンル: Category:読書【古典】
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キアラン・カーソン 著/栩木 伸明 訳/東京創元社
古代アイルランド、コナハトの女王メーヴと王アリルが寝床にて、どちらの財産が多いのかと語り合った。双方の財産を比べたところ、アリル側にはフィンヴェナハという白い角持つ立派な雄牛がいた。何としてもアリルに勝ちたいメーヴは、アルスター地方にいるドン・クアルンゲという褐色の雄牛を手に入れようと決めた。早速使者が送られたが物別れに終わり、メーヴはアイルランド中の勇士を募って北のアルスターに戦を挑んでいく。しかしアルスター国では呪いによって男達が倒れ、唯一呪いを免れた若干17歳で伝説の英雄クー・フリンが迫るアリルの軍隊を迎え撃つ。

とまぁ、↑のような内容の物語だが、正直、物語そのものには大した意味は無い。姑息な手段を弄するメーヴに対して、伝説では半神半人とも言われるアイルランドの英雄、クー・フリンが孤軍奮闘する、要するにただそれだけだ。笑ってしまうぐらい人がバッタバッタと殺される、一辺倒なくらいに殺されていく。
ただし、資料的価値、その試みに対する議論においてはかなりの意味がある。古代アイルランド語を英語に訳するという試みは、著者の解説によると過去余り無かったらしい。しかも、アイルランド文化の研究家であり著名な詩人でもあるちょっと変わったおじさんとも言われるキアラン・カーソンが手がけたと言うから、今後研究対象に上げる人も出てくるだろう。
で、その英訳を、日本語に訳した重訳ということ。こんなにもレアな書物を翻訳出版するなんて、嬉しいと同時に、もう少し大衆的な本は翻訳されないのに?などと捻くれた事を考えてしまう(笑)。
私にしてみれば、これまで正に『伝説の』英雄だったクー・フリンの実態を掴めた気分、ただそれだけで嬉しい。本作はまさに『語り』を想像しながら楽しむべき『昔話』であり、稀代の語り部とも言えるキアラン・カーソンが語り直した伝説に他ならない。
単なる殺し合い、などと書いてしまったが、親友フェル・ディアズとの対決はなかなか読ませて、義のために闘い、親友を討ち取るまでの葛藤やその後のクー・フリンの人間的な苦悩する様などは詩的な情景が脳裏に浮かぶ。この辺り、さすがにキアラン・カーソンの筆致が活きたか?という感じだ。
こう言っては何だが、元来いささか、大雑把にして細かいことを気にしない・・・的な?アイリッシュのこと、古代の文献がそもそも読解可能な状態で残っていると予測する方が無理な話。しかし、グリム童話すら『アイルランドの昔話』にすり替えてしてしまうずーずーしさと語りの文化から、幾多のクー・フリン伝説があってしかるべきなのだ。
そんな中で残ったクー・フリン像とすれば、まず何は無くとも美丈夫、まばゆいばかりの美しさだったらしい。そしてひとたび戦となると、野獣の如き残忍さを見せ、本人もその残忍さに抗えない恍惚感を感じていたらしい。戦っていないときは陽気で朗らか、なかなか悪戯好きなタイプだった、らしい。
いつの世でも愛される要素を存分に持った男な訳だが、アイルランドでは知らぬ人はいないほどの英雄だ。しかも北方面なので、かつての内戦なども様々絡め、とかく引き合いに出される英雄なんである。ついでに言うと、メーヴ女王やコンホヴァル辺りもかなり有名な伝説上の人物。これでセント・パトリックなんかもカメオ出演すれば、メジャー級オンパレードだ(笑)。
さてさて、現在本作を土台とした映画が制作段階・・・らしい。本作の出版に合わせた話では無いと思うが、考えればこれまで映画化されなかったのが不思議なくらいの題材。
気になるクー・フリンはマイケル・ファスベンダーに決定しそうなのだが、個人的には断然ジョナサン・リース・マイヤーズを。でなければ年相応の新星を期待する。コンホヴァルはリーアム・ニーソンで。まぁもちろん、ブレンダン・グリーソンも何かの王様役で。当然ジェームズ・ネスビッだってアルスター軍の役で何かしら。私が知っているアイリッシュの美人女優はいささか古いので、メーヴ役が思いつかない。。。何だったらニコール・キッドマンで、ああ、似合いすぎる・・・。
などなど、楽しい想像を膨らませながら、あっと言う間の読了だった。フェル・ディアズの役者が思いつかなくて・・・・。

トーイン クアルンゲの牛捕り (海外文学セレクション)トーイン クアルンゲの牛捕り (海外文学セレクション)
(2011/12/21)
キアラン・カーソン

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