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『残念な日々』

2012/06/05 22:06 ジャンル: Category:読書【コメディ・その他】
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ディミトリ・フェルフルスト 著/長山 さき 訳/CREST BOOKS
レートフェールデヘム村で暮らすフェルフルスト一家は、気丈な祖母とダメ息子4人、そして孫の『ぼく』で成り立っていた。ぼくの父ピーを筆頭に、ヘルマン、ズワーレン、そしてぼくと歳がもっとも近いポトレル叔父。ダメ人が集う村でも一目置かれる大酒のみの一家で、働かないこと、だらしなく生きることが信条のような家族だった。大酒のみのツール・ド・フランスを開催する叔父、博打にはまって何度目かの差し押さえに貢献する叔父、酔っ払って正体が常に無いような叔父達と父。汚くて、ぐうたらで、愛すべきフェルフルスト一家12の物語。

これは面白い!出会う作品に真新しさを感じられなくなった飽和状態の脳と心に、ガツンと何かしらを注入された感じ。
とにかく全体的に『汚い』、何もここまで描写しなくても、何もここまで訳さなくても・・・と苦笑いしてしまう箇所も多い。でも?そうして赤裸々に描くことで著者のセラピー的側面を感じられたり、そこまで低レベルに描くことによって見えてくる、文学的側面があるから不思議だ。まるで臭い立つかのような不潔極まりないフェルフルスト家の男達と『ぼく』の、冗談のようなサバイバルライフを読んでいく内に、異臭の中から卓越した文学性がきっと嗅ぎ分けられることだろう。
そうした著者の『巧みさ』が感じられるのは、やはり『ぼく』が成長してからが描かれる後半部分。前半から続くコミカルさや軽快さは損なわれることなく、『ぼく』の感じる郷愁の中のレートフェールデヘム村と、現実味のある相変わらず汚らしい叔父たちの滑稽さが織り交ぜられていく。そうした調和が、見事な構成の一端を担っているのだ。
家族への尽きることの無い強い絆と、相反する憎悪。過去へのノスタルジーと、こうあって欲しかったという過去の願望など、著者の思いが十二分に詰まっていると感じられる。推測でしかないが、そうした『ぼく』の相反するような気持ちが、明確に語られないまでもかなりダイレクトに伝わってきた。
それにしても、死と隣り合わせになるほどの大酒のみ、それでも辞められない酒、煙草、不摂生。壮絶なまでの家族の様子をコミカルに描き、それでいて短なる笑いに落ちていないこの筆致。この作家の作品をもっと読みたいと願うのは、私だけではないだろう。

残念な日々 (新潮クレスト・ブックス)残念な日々 (新潮クレスト・ブックス)
(2012/02/29)
ディミトリ フェルフルスト

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