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『怪物はささやく』

2012/06/18 22:01 ジャンル: Category:読書【ヤングアダルト】
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パトリック・ネス 著・シヴォーン・ダウド 原案/ジム・ケイ イラスト/池田 真紀子 訳/あすなろ書房
13歳のコナーは、両親が離婚してから母さんと2人暮らしだった。父さんは新しい若い奥さんとアメリカに行き、新しい子供が出来てから疎遠になっている。それでも幸せに過ごしていたはずだったのに、母さんが重病になって全てが変わってしまった。学校でも孤独を感じ、毎晩のように悪夢にうなされるコナーの元へ、窓から見えるイチイの木が怪物に変身して現れるようになった。怪物はコナーに3つの物語を聞かせるという、その話が終わったとき、今度はコナーが物語る番なのだと。果たしてコナーは、『何か』を語って怪物を満足させられるのか?万物を癒せると言われるイチイの木に姿を変えた怪物は、何のために現れたのか?

原案S・ダウドと聞けば、これは読む義務があると感じる。前作『ボグチャイルド』は今でも、片鱗を思い出すだけで感動を追体験できるくらいだ。この名著に対する我が感想文を読み返してみても、いかに熱い思いを感じていたかがわかる、少し気恥ずかしいくらいだ(笑)。
S・ダウドは原案だけだと言うし、果たしでどのくらいまでプロットが固まっていたのか疑問だが(登場人物とおおよその筋は決まっていたとは紹介されていた)、死と再生を描いたこの物語を、自らが乳がんに侵されつつ、どういう心理的過程を経て組み立てたのか?時期はいつ頃だったのか?予言的なものか、何らかのメッセージなのか?とにかく、裏を想像せずして読みきれない内容だった。
かつて70歳を超えた母が祖父母の介護をしていた時、『もう早く死んで貰ってもいいのよ・・・』と漏らしたことがある。70歳を超えた母の年齢を考えれば、冷酷に感じるその言葉も理解出来た。
後十何年かしたら、私も母と同じように、その母の面倒を見ることになるだろう。そうなったとき、同じようには考えないと言い切れない自分に少々うんざりもした。
だから本作の含みも、メッセージも、コナーの気持ちも、全て良くわかる。だからこそ、じっとコナーを抱きしめて、苦しまなくて良いんだよと言ってあげたい。彼の感じたことは、人間なら備わっている、一種の心の防衛本能なのだからと。
コナーが感じた孤独、恐怖、悲しみ、自己嫌悪、少年が抱え込むには余りにシビアな感情だが、そこから生まれたのか、果たして現実だったのか?現れた怪物が語る物語はどれも理不尽で理解が難しい。
人生に横たわる計り知れないグレーゾーンに翻弄されたその先に、コナーはシンプルな解決法を見出す。いや~、泣いたわ、コナーの気持ちが切なくて、過ぎ去っていく儚いけれど濃密な瞬間が愛おしくて。
コナーも含めて、おばあちゃんも、お父さんも、もちろん学校の子供達も、誰もが当たり前に自分勝手で、当然のごとく、一般人はマザー・テレサではないと思わせる。その辺の描写がさり気なくもリアルで、そのリアルさが鈍らの刀のようにジワジワと切りつけてくる感じがした。鋭利ではないけれど、確実に痛みを与えるような。
何だか、こんなにも痛みを与える物語が児童書で良いのか?と思ったり、いやいや、だからこそ、本当の苦しみを持っている子には救いになるのではないか?と思ったり、感受性豊かな子供のほうが、この物語の真髄を本能で理解できるのではないか?などと思ったり。
それでもって、S・ダウドは自らの消え行く命を思いつつ、冷静に周囲を観察してこのプロットを組み立てたのか?と思ったりすると、改めて、なんて、なんて逸材が早々にこの世を去ったものかと悔しい思い。
そして、その意志を継ぐことを任されたP・ネスという作家。このアイリッシュバリバリの名前に食指が動かぬはずは無く、その輝かしい経歴を知るに至っては、見事に本作を走り出させてくれた、バトンを渡してくれた力量に期待せずにはいられない。「パトリック・ネス」で検索してみたところ・・・あった!!!新刊発売中、SFか!?

怪物はささやく怪物はささやく
(2011/11/07)
パトリック ネス

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まとめtyaiました【『怪物はささやく』】
パトリック・ネス 著・シヴォーン・ダウド 原案/ジム・ケイ イラスト/池田 真紀子 訳/あすなろ書房13歳のコナーは、両親が離婚してから母さんと2人暮らしだった。父さんは新し
[2012/06/24 05:34] まとめwoネタ速neo
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  • たった二つの趣味、映画と読書を中心に、日記を書いてみたいと思います。
    最近、自分の時間を充実させたいな、と結構真剣に思っていたりして。文章を書くのも結構楽しいし、誰かが通りすがりに読んでくれたら、嬉しいかな、とか思っている。
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