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『ヰタ・セクスアリス』

2012/08/15 18:48 ジャンル: Category:読書【古典】
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森 鴎外 著/新潮文庫
哲学講師となった金井湛は、職業柄何か書いてみようと考える。考えて、自らの性欲の歴史を書こうと思い立つ。幼少の頃の絵草紙の思い出や、家を出て寄宿舎へ入った頃の事。年は上だが2人の友人と同盟を作り、これと言って派手さの無い女遊びや、強引に連れられて言った吉原のこと。自身にとって恋愛が与える感情を冷静に見つめ、青年期に感じた交々の事を書き綴る。

言文一致の流れが出た頃の作品を読んでみたくて、だとしたらやはり森鴎外かなぁ?という思考。雑誌丸ごと発禁処分とまで言うから、果たしていかなる?と少々ドキドキ(笑)しながら読み始めたのだが、何のことは無い・・・。日本ってやはり初心な国だったのねぇ(笑)。
いずれにしろ、恋愛に上手く馴染めない男の話だ。文章運びも硬く無く、やはり面白いと感じる。日本文学初心者としては、前例の太宰治と比べてしまうが、作者の人となりも大きく違うため、似たような題材を含んでいても全く毛色が違う。
当たり前と言えばそうなのだが、個人的には甲乙付け難し。鬱憤とした内面に深く切り込んでいく、例えるなら身体にまとわりついて網膜すら覆ってしまう霧のような太宰の作品に比べると、大分ドライで整然とした印象だ。正に回顧録といった趣が当てはまるのだが、今にして読む面白さには満ちている。
文章から浮かび上がる開発前の浅草や上野周辺の活気、穏やかだがそれなりに大変な市井の人々の暮らしぶりがまざまざと伝わってくる。特に華美な文章でもないのだが、まるで当時の記録映像でも眺めているような気にさせるのが不思議だ。それだけ、当時の息吹を明確に伝える筆致だと言えるのだろう。
特に面白いと感じたのはやはり言葉の使い方で、『硬派と難破』の由来というか、この頃の若者特有の歪みなのかも知れないが、使い方が今とまるきり違って驚いた。
金井くんの平凡で特に苦労も無い人生の、幼少期から青年期までを描いている。先に上げた硬派な男の存在など、意外に日本も、中世ローマ的な奔放さもあったのね(笑)などと楽しみつつ、物語の面白も然ることながら、現在に至っては資料的面白さも十分と思われる。

ヰタ・セクスアリス (新潮文庫)ヰタ・セクスアリス (新潮文庫)
(1993/06)
森 鴎外

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