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『豚の死なない日』

2012/10/12 23:08 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ロバート・ニュートン・ペック 著/金原 瑞人 訳/白水社
ロバートは厳格な家族と暮らす13歳の少年だった。シェーカー教の厳格な家庭に育った彼は、豚を殺す仕事をし、家の畑や牧場を守る父を手本に育った。ある時近所の飼い牛のお産を助けたロバートは、お礼に美しい子豚を貰う。その日から豚のピンキーと親友になったロバートは、幸せな日々を過ごしていたのだが、父が結核にかかり、余命が僅かだと知らされる・・・。

大感動のベストセラーだという帯に引かれて購入したのだが、確かに、朴訥とした平凡な家族の物語の中に、なんとも形容し尽くせないほどの物語が詰っていた。よもやこういう話に簡単には心動かされないわよ!などと思ってしまうのだが、まさに『シンプル・イズ・ザ・ベスト』とはこういうことを言うのかな。
在りし日の、でも100年も前ではないアメリカ。そこには現代の生活に必要なものはほとんど無く、家族と、僅かな家具と、質素な糧があるばかり。だけど、豚のピンキーを得たロバートはとことん幸せそう。コンピュータ・ゲームなんて無くても、小川と、夕暮れの胸が締め付けられそうなほどに美しい景色と、優しい母親と、厳しいが尊敬できる父親がいて、ほんの少し、自分が必要とされれば、ロバートは幸せなのだ。
何も持たなければ、もしかしたら本当に幸せなものが得られるのかも?などと思ってしまう。情報なんて、無ければその方が良いのかも?黄金が宿る無知、そんな言葉もあるような気がした。
ただし、牧歌的だとか古き良き時代などという言葉に、妙な無責任さも感じた。ロバートはきっと心から幸せな日々を過ごしただろうが、その反面には、真実に生命すら脅かす悲惨さが潜んでいる。頭では解っているつもりでも、こうした作品に触れるとつくづく思い知らされる。古き良き時代には、遥かにシビアな現実が詰まっていたのだと。
短い話だし、一貫して13歳のロバートの言葉で語られるのでシンプルなのだが、後半に至って父親の死を向かえ、一気に物語が変化していくとき、ロバートの急激な変化に気付かされる。静謐で力強い文章の中に彼の心の成長が目に見えるようで、いつの間にか本作の文学的力に絡め取られていたことに気が付いた。
父親の影を追っていたロバートが、一冬の間に逞しくなり、淡々と別れを受け入れる場面は印象的で、そんな中にも、早くも自らが背負った重圧に憤りを覚える姿が、余計に『大人』になった印象を強めた。続編もあるそうだけど、ロバートが本作以降どのような成長をして行くのか、いずれ確かめたいと思う。


豚の死なない日豚の死なない日
(1996/01)
ロバート・ニュートン・ペック

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