『クラッシュ』
〔米〕CRASH
監督:ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス/ボビー・モレスコ
マット・ディロン/ドン・チードル/テレンス・ハワード/タンディ・ニュートン/ジェニファー・エスポジート/サンドラ・ブロック/クリス・“ルダクリス”・ブリッジス/ライアン・フィリップ/ラレンズ・テイト
クリスマス直前のロサンゼルス、人種の入り混じったこの都会では、日々車が衝突するかのような人間同士の問題が起こっていた。それを解決するべき名高いロサンゼルス警察も、その内部では根強い人種差別問題などに翻弄されていた。幾人かの警察官をメインに据え、犯罪者と成功した白人、黒人それぞれの生きる苦悩や関係を描いた、サスペンスフルな群像劇。
またまた、難しくも素晴らしい作品を見た。とにかく、見終わった瞬間から現在まで、様々な思いが過ぎっている。
最初は、あからさまなまでの人種差別が続く展開に、かなり嫌気が差していた。その実情がわかっていないから、酷く大袈裟に見えてしまうのだ。しかし、一緒に見に行った人が良かった。友人はロスとNYに留学していた人。その彼女曰く、『偽りの無い本当の姿』だと言っていた。アジア人として彼女が経験した世界がリアルに描かれていたそうで、私が感じた嫌気は、ただの偽善だったというオチ。
まず白人の出演者が少ない。これもロスの現状を良く表しているそうだ。そんな様々な人達が、それぞれの世界を交差させながら物語は進行していく。
とにかく、物凄い緊張感だ。白人優位主義の中で生きる白人以外の彼等は、ただ生きているというだけで、普通に街中を歩いているだけで、火種を撒き散らしているのだという事が伝わってくる。いつ、問題が起こるか解らないのだ。それは、必ずしも自分のせいばかりではない。そんな緊張は、今の私にはあり得ない。その未経験の緊張が、画面を通してリアルに伝わってくる。
そんなリアリティを盛り上げる、役者達の演技が素晴らしい。大抵の映画は、演技しているという前提が見えてくるものだが、彼らの背後にはしっかりと役柄の人生があるように思えた。一つ一つの問題を素晴らしい演技で魅せてくれるので、群像劇ならではの、終わらない緊張が極限で続いている感じ。
演出がとにかく上手いと思った。何よりも盛り上げ方が上手い。グイグイと映画に惹きこまれる。音声を消すからこそ聞こえてくる心の叫びや、画面と観客を引き離すような、悲惨な場面にはそぐわない壮麗な楽曲による効果。
映像の色も良い。殺伐とした都会の雰囲気が感じられる、薄いトーンの色合い。良くある『ロスと言えば!』的な、輝く太陽や青い海が映える、原色トーンの映像との線引きに成功していると思う。だからこそ、私達のイメージを払拭して、寂れたロスの裏路地も違和感なく見る事が出来る。
群像劇なので展開はあちこちに飛ぶが、1つ1つのエピソードをないがしろにしておらず、きっちりと盛り上げ、きっちりとまとめている。煮え切らない思いも残らず、すっきりと見終わる事が出来た。
揃いも揃って良い役者ばかりだし、本当に良い演技をしていたが、特に良かったのはM・ディロン。いいよ、この人、役者として良い歳の取りかたをしていると思った。D・チードルは最高だね。『トラフィック』では、ベニチオ・D・トロも然る事ながら、D・チードルが抜群に良かったと、思ってるんだけど。あの映画と張る。『ホテル・ルワンダ』をどうしても見たくなった。
S・ブロックもね、チョイ役だけど(笑)良かったな〜。彼女の持つイメージを逆手に取った役柄ながら、ラストの台詞は、彼女だからこそぐっとくる。
個人的にここ最近で久々に、胸に来る『I love you』という台詞を聞かせてくれたT・ハワードに感謝♪この方素敵ですよね?
とにかくベタ褒めです。悪い部分もあったのかも知れないが気が付かなかった。見終わって時間が経って、冷静に分析すれば色々気が付くだろうが、そんな必要も無いと思っている。良いものは良い、ただそう感じていたいと思わせる映画だ。難しい問題を内側から取り上げていながら、部外者にも解りやすく、かつ悩ませる内容でもある。
しかし何も感じなくても良いし、何を見つけなくても良い。ただ最高クラスのエンターテイメントとして、役者を楽しみ、演技を楽しみ、映画を楽しむだけでも、価値のある時間が過ごせると思う。
ぽすれん『クラッシュ』紹介
監督:ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス/ボビー・モレスコ
マット・ディロン/ドン・チードル/テレンス・ハワード/タンディ・ニュートン/ジェニファー・エスポジート/サンドラ・ブロック/クリス・“ルダクリス”・ブリッジス/ライアン・フィリップ/ラレンズ・テイト
クリスマス直前のロサンゼルス、人種の入り混じったこの都会では、日々車が衝突するかのような人間同士の問題が起こっていた。それを解決するべき名高いロサンゼルス警察も、その内部では根強い人種差別問題などに翻弄されていた。幾人かの警察官をメインに据え、犯罪者と成功した白人、黒人それぞれの生きる苦悩や関係を描いた、サスペンスフルな群像劇。
またまた、難しくも素晴らしい作品を見た。とにかく、見終わった瞬間から現在まで、様々な思いが過ぎっている。
最初は、あからさまなまでの人種差別が続く展開に、かなり嫌気が差していた。その実情がわかっていないから、酷く大袈裟に見えてしまうのだ。しかし、一緒に見に行った人が良かった。友人はロスとNYに留学していた人。その彼女曰く、『偽りの無い本当の姿』だと言っていた。アジア人として彼女が経験した世界がリアルに描かれていたそうで、私が感じた嫌気は、ただの偽善だったというオチ。
まず白人の出演者が少ない。これもロスの現状を良く表しているそうだ。そんな様々な人達が、それぞれの世界を交差させながら物語は進行していく。
とにかく、物凄い緊張感だ。白人優位主義の中で生きる白人以外の彼等は、ただ生きているというだけで、普通に街中を歩いているだけで、火種を撒き散らしているのだという事が伝わってくる。いつ、問題が起こるか解らないのだ。それは、必ずしも自分のせいばかりではない。そんな緊張は、今の私にはあり得ない。その未経験の緊張が、画面を通してリアルに伝わってくる。
そんなリアリティを盛り上げる、役者達の演技が素晴らしい。大抵の映画は、演技しているという前提が見えてくるものだが、彼らの背後にはしっかりと役柄の人生があるように思えた。一つ一つの問題を素晴らしい演技で魅せてくれるので、群像劇ならではの、終わらない緊張が極限で続いている感じ。
演出がとにかく上手いと思った。何よりも盛り上げ方が上手い。グイグイと映画に惹きこまれる。音声を消すからこそ聞こえてくる心の叫びや、画面と観客を引き離すような、悲惨な場面にはそぐわない壮麗な楽曲による効果。
映像の色も良い。殺伐とした都会の雰囲気が感じられる、薄いトーンの色合い。良くある『ロスと言えば!』的な、輝く太陽や青い海が映える、原色トーンの映像との線引きに成功していると思う。だからこそ、私達のイメージを払拭して、寂れたロスの裏路地も違和感なく見る事が出来る。
群像劇なので展開はあちこちに飛ぶが、1つ1つのエピソードをないがしろにしておらず、きっちりと盛り上げ、きっちりとまとめている。煮え切らない思いも残らず、すっきりと見終わる事が出来た。
揃いも揃って良い役者ばかりだし、本当に良い演技をしていたが、特に良かったのはM・ディロン。いいよ、この人、役者として良い歳の取りかたをしていると思った。D・チードルは最高だね。『トラフィック』では、ベニチオ・D・トロも然る事ながら、D・チードルが抜群に良かったと、思ってるんだけど。あの映画と張る。『ホテル・ルワンダ』をどうしても見たくなった。
S・ブロックもね、チョイ役だけど(笑)良かったな〜。彼女の持つイメージを逆手に取った役柄ながら、ラストの台詞は、彼女だからこそぐっとくる。
個人的にここ最近で久々に、胸に来る『I love you』という台詞を聞かせてくれたT・ハワードに感謝♪この方素敵ですよね?
とにかくベタ褒めです。悪い部分もあったのかも知れないが気が付かなかった。見終わって時間が経って、冷静に分析すれば色々気が付くだろうが、そんな必要も無いと思っている。良いものは良い、ただそう感じていたいと思わせる映画だ。難しい問題を内側から取り上げていながら、部外者にも解りやすく、かつ悩ませる内容でもある。
しかし何も感じなくても良いし、何を見つけなくても良い。ただ最高クラスのエンターテイメントとして、役者を楽しみ、演技を楽しみ、映画を楽しむだけでも、価値のある時間が過ごせると思う。
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ぽすれん『クラッシュ』紹介
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