『ベルリン・天使の詩』

  • 2006/05/08(月) 11:38:02

〔独〕DER HIMMEL UBER BERLIN監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ヴィム・ヴェンダース/ペーター・ハントケ
ブルーノ・ガンツ/ソルヴェーグ・ドマルタン/オットー・ザンダー/クルト・ボウワ/ピーター・フォーク


天使のダミエルと友人のカシエルは、地上界で日々、人間の囁きを聞き、その心を癒してきた。しかし、実体のない生活に空しさを感じたダミエルは、人間界で彩りのある人生を送りたいと願っていた。あるときサーカスに紛れ込んだダミエルは、人生に儚い希望を抱き、夢を追っている女性マリオンを知る。美しい彼女に惹かれたダミエルは、人間になりたいという希望をより強くしていく。そんな折、アメリカから映画撮影のために俳優のピーター・フォークがベルリンにやってくる。街中でダミエルの存在を感じたピーターは、見えない相手に人間社会の楽しさを語り始めた。

この作品はもう、、、芸術だな。どこか50年代の映像を思わすシンプルな雰囲気と、時折はさまれるカラー映像(ちなみに大半はセピア)。淡々と進む会話、人間の呟き。カメラワーク、場面の転換、普通の『物語』とは、少し違う。
芸術とは、専門家がとやかく言う以外は、感性によって好き嫌いが分かれるものと思っている。芸術至上主義者とは完璧に話が合わないタイプだ。芸術だから全て良いとされるものではないと思っているが、やはりどこかに、意味を探して悩んでしまう自分がいる。
物語の中核は、愛のお話なのだろうな、多分。。。多分ですみません。
前半は天使達の目線。ダミエルの考えが中心に進む。ここでは、人間界の暗い部分が多数描かれているが、それでもダミエルは『実体』を持ちたいと願う。そんな両面の世界を、堕天使として表現するのが役者ピーター・フォーク。お世辞にも、美しいとは言えない男だ。しかしこれが良い、とにかく良い。人間臭さを持った男が体現する天使の世界と人間の世界。実に達観した配役と、ひたすら納得した次第。
これが美しい俳優であれば、どこか天使の世界を拭いきれないイメージ。ワイルドであれば、人間界を表現するには物足りない。P・フォークの、どこか悩ましく複雑な演技と、あっけらかんとした印象が、この映画に現実感を添えていたように感じた。
主演のB・ガンツの、優しげな瞳がまた良い。天使といえば、一般的に想像されるラファエロ的な可愛らしく美しいイメージとは違うが、監督思うところでも、やはりある種の優しさは不可欠だったようだ。この彼が人間になったとき、余りの無邪気さに多少不安を覚えるが、そこは美しい結末で幕を下ろしてくれる。
・・・まぁ結局、芸術としてはまるきり判断できない私なので、『映画』としてのみ見れば、こんな感想だ。

ベルリン・天使の詩ベルリン・天使の詩
(1998/10/25)
ブルーノ・ガンツ

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ぽすれん『ベルリン・天使の詩』紹介

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