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『ミュンヘン』

2006年10月19日

〔米〕MUNICH (2005年)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:ジョージ・ジョナス
脚本:トニー・クシュナー/エリック・ロス
エリック・バナ/ダニエル・クレイグ/キアラン・ハインズ/マチュー・カソヴィッツ/ハンス・ジシュラー/ジェフリー・ラッシュ/アイェレット・ゾラー/ギラ・アルマゴール

ドイツにルーツを持つイスラエル生まれのアヴナーは、パレスチナのテロリスト集団『黒い9月』による、ミュンヘン・オリンピックで起こった、イスラエル選手11名の殺害事件の報復を政府から依頼された。家族とも離れ、ヨーロッパを基点にしてテロの首謀者達を狙う日々。次第に彼等の事は裏の世界でも知られるようになり、アヴナー達は、狙う側から狙われる側になってしまう。家族の安全すら危くなったと感じたアヴナーは、徐々に精神的にも追い詰められていく。

まずこちらも、物語の背景が難しくて良く解らなかった。イスラエル、パレスチナ、ユダヤ人、その辺りの政治的関係が難しい。。。鑑賞しながらなんとか持てる知識を総動員して、話の辻褄を合わせてみた。疲れた・・・。
モサド暗殺チームの元メンバーの手記を基にした映画だそうだが、その割には、、、何ともやり方が甘いというか、そりゃあ、あっさり命を狙われる側に転進するでしょうよ?と思わせてしまう。実際はそんな事も無かったのだろうが、映画の中で描ききれていなかったように思う。
今でこそ言えるのかどうかは定かじゃないが、こうした報復を『やってしまう』政府というのに疑問を感じた。暴力を暴力で征した場合、劇中でも語られるように、新しく、より凶暴な芽が生まれてくるに決まっているのに。ただしこうした事柄は、表立って出てこないだけで、水面下ではどこの国でもやっていることなのかも知れないな?なんて思ってしまった。
個人的に、久々に出てきた監督ビック・ネームだ。その他、脚本家なども錚々たるメンバーと言えるだろう。となると、力が入りすぎていませんか?と疑いたくなるが、ある意味淡々とした作りで、出来事を丁寧に描いていたと思う。メンバー5人に主役アヴナーの家族と、主要人物は多いほうだと思うが、それぞれが煩くならずに、きっちりと人物を語っている辺りも、背景が難しいだけに助けられる印象だ。
ただ切ないのは、主演のE・バナに力が入りすぎていたような気が・・・。予告などの宣伝から、『報復』という行為に正当性を感じられずに悩む主人公なのだと勝手に思っていたが、実際のところ、その行為自体には余りこだわっていなかったように思う。どちらかと言ったら、自身や家族や仲間の安全を脅かされる恐怖に、敏感に反応していたような印象を受けたのだ。彼が『報復』という行為に疑問を感じたとすれば、それは殺されるという、よりシンプルな事実に直面して沸き起こった感情だろう。自分達がこれまで、仕事として割り切ってきた暗殺行為を、逆にやられる立場になって初めて、ことの重大さや恐ろしさを悟ったというか?
その為に、徐々に追い詰められ、精神状態を危くする男になっているのだが、、、演出も大仰しかったが、その演技がちょっと、興ざめするぐらい強い時が何度かあった。まぁ大作だからね、仕方が無いと言えば、そうなんだろうな。
なんとなく、結論の無い映画のように感じた。テロに対する答えはもちろん出ていないが、『報復』に対する答え、人種間による戦いや殺戮に対する答え、主人公が政府高官に問いかけたことも、何も答えは出ていない。
映画では出るはずも無いこの答えを、今も多発しているテロ問題を抱える、現在の世界が出す必要に迫られているのだと感じた。

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1972年のミュンヘン五輪。パレスチナ人ゲリラが11人のイスラエル選手を人質にとる。結局、人質は全員死亡。スピルバーグ監督が歴史の暗部を直視した本作は、その後、イスラエル側による報復作戦にフォーカスが当てられている。暗殺グループとして組織された5人の工作員が

  1. 1-kakaku.com: 2006年11月13日

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