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『パリ空港の人々』
- 2006/11/06(月) 15:08:09
〔仏〕TOMBES DU CIEL (1993年)
監督:フィリップ・リオレ
脚本:フィリップ・リオレ
ジャン・ロシュフォール/ティッキー・オルガド/マリサ・パレデス/ラウラ・デル・ソル /イスマイラ・メイテ /ソティギ・クヤテ/ジャン=ルイ・リシャール
フランスとカナダの国籍を持ち、スペイン人の妻とイタリアで暮らすアルトゥーロは、カナダの父親を尋ねた折、空港で靴と荷物を全て盗まれてしまう。国籍があるのだから大丈夫と思ってそのままフランスまで来てしまったが、『自分』を証明できないために、空港の出国ゲートから出してもらえなかった。仕方なくロビーで一夜を明かすアルトゥーロは、空港のトランジット・ゾーンに暮らすある少年と知り合い、不思議な空港生活を送る事になる。
ヨーロッパらしいシニカルな笑いが沢山詰まった本作、まず主人公が二重国籍であること、しかも片方はカナダ。暮らすのはイタリアで奥さんはスペイン人。微妙な顔をする出国検査の係官に向かって、『妻がスペイン人じゃいけないのか!?』とキレるアルトゥーロに笑った。係官ですら『複雑だな』というアルトゥーロであるが、ヨーロッパを旅していると、こんな人には良く良く出会う。
似たような作品として『ゲート・トゥ・ヘヴン』(感想)が即座に頭に浮かんだが、この映画で密入国しようとしていた方が、またしても『トランジット・ゾーン』に置き去りにされていた(笑)。そしてやはり、この映画と共通する特徴として、いつでも簡単に出て行けるのに、空港に縛り付けられる人々というのがあった。国境が無い出国ゾーン。幾多の国が混ざり合う特殊な環境。人々が空に飛び立ち、着陸する場所。海の彼方を引き寄せる魅力的な場所。広大な敷地の中に、通常では考えられない法律やミステリの潜む場所。映画製作者には、ことの他魅力的な場所であるのだろう。その割には、空港を舞台にした映画は少ないと思うのだけど(笑)。
移民の問題や、難民にならざるを得なかった人を通して語られる国の問題、幾つもの国が密集するヨーロッパ大陸の特徴を活かしながら、フランスはパリの世界観も見せてくれる。古くから、芸術家を代表する様々な人達を魅了してきたフランス・パリ。そこを目指して、小さなゲートを堂々と通り抜けられない人々。
コミカルな話題や、人間の悲哀を程好く詰め込んだ、小作ながら秀逸な作品だった。
![]() | パリ空港の人々 ジャン・ロシュフォール (2003/12/20) ビデオメーカー この商品の詳細を見る |
ジャンル:
- 映画
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