2006年12月15日 14:31
〔米〕EVERYTHING IS ILLUMINATED (2005年)
監督:リーヴ・シュレイバー
原作:ジョナサン・サフラン・フォア
脚本:リーヴ・シュレイバー
イライジャ・ウッド/ユージン・ハッツ/ボリス・レスキン/ラリッサ・ローレット/Jana Hrabetova/Stephen Samudovsky/Oleksandr Choroshko
家族に関するものを集めて壁一面に飾っているジョナサンだが、ウクライナ移民の祖父の物だけは琥珀のペンダントヘッド1つだけ。しかし祖母が亡くなる前に、1枚の写真をコレクションに加えるように渡してくれる。そこの写っているのは、若かりし日の祖父とアウグスチーネという女性。アウグスチーネは祖父の命の恩人であると知ったジョナサンは、祖父の故郷ウクライナへと向かい、彼女を探しながら祖父の人生の片鱗に触れようとする。しかしガイドとして現れたのは、怪しげな英語を話すアレックスと、ユダヤ嫌いのその祖父と、ちょっと凶暴な犬だった。
不思議な雰囲気と、ウクライナの美しい自然が融合した作品。ストーリーはウクライナでのユダヤ人迫害と、それに翻弄された人々の歴史が絡んで、少しばかり重い内容なのだが、コミカルな役者の演技と演出で行き過ぎを回避している。しかし重要な事はしっかりと伝えられており、その辺のバランスが実に上手く取れた作品だったと思う。
コミカルではあるが、過去の傷跡をないがしろにした印象が無いのは、映画の持つ雰囲気が影響していると思われる。都会を離れてしまえば今もまだ打ち捨てられた雰囲気が強い田舎の空気感を、色合いや淡々とした演技と演出として巧みに取り込んでいる。暗いトーンなので、ブラックではない笑いも、なぜかそう感じるマジックだ。
時折織り込まれる回想や少し不思議な映像も、全体としてなんら違和感を感じない。先ず主人公のジョナサンが不可思議な雰囲気なのだが、これはE・ウッドが好演。あの大きな瞳が更に強調される度の強いメガネ。あれは果たして本当に視力が悪いのか?それとも役者魂のなせる業か?まともな視力であのメガネは相当辛いだろうな。
彼の相方となるアレックス役の俳優が良い。キャラクターそのもの!と思える人間性が滲み出つつも、ラストに向けて深い理解を示す演技はかなり好評価だ。
第二次世界大戦におけるユダヤ人迫害の話は無数にあるが、ウクライナが舞台であるものは知らない。(個人的にだが)。そう言った面でも、これまで多く見てきたドイツ、イタリアなど西ヨーロッパとはまた違う一面を、シリアスに見せてくれた作品だ。
複雑な過去を持つアレックスの祖父と、アウグスチーネを知る老婆。この2人がまたすこぶる素晴らしい味わいを映画に与えていると思う。老齢な役者は、その人生の深みを湛えているだけでも名演技が期待できる。更にこの映画では、ちょっとした秀逸な台詞でもって、更なる深みと真理を付け加えていた。
この2人以外でも、全編を通して台詞が重要な意味を持ち、計算された一言が多かった。しかもそれ全てがシンプルで、淡々と語られている辺りが憎い(笑)。
ジョナサンが辿った祖父を知る旅は、ある意味同行したアレックスの過去を知る旅であったのだが、その辺の描き出しはちょっとばかり複雑?いや、シンプル過ぎたのかな?ジョナサンとアレックスは、同じく祖父を通して自らのアイデンティティの奥を見つめるのだが、これに関しては、アレックスの見つけた真実の方が主役を凌いで大きなものだったと思う。知らぬ間に主役が摩り替わってしまったかのような印象だ。
映画の持つ主題のシリアスさを抜きにして、とても面白く良い映画だったと思える。コレクターという特異なクセ?も、冒頭こそ不気味さすら感じるが、実に上手い具合にその理由を結論付けている。『人』を記憶するのには、写真や単純な思い出以外にも、素晴らしい方法がある。思い出の形として人間は誰しも、あれ程極端ではないにしても、ジョナサンのような行動を取っているのではないだろうか?
さて最後になるが、サミー・デイヴィス・Jr・Jrが猛烈に可愛かった♪
ぽすれん『僕の大事なコレクション』紹介
監督:リーヴ・シュレイバー
原作:ジョナサン・サフラン・フォア
脚本:リーヴ・シュレイバー
イライジャ・ウッド/ユージン・ハッツ/ボリス・レスキン/ラリッサ・ローレット/Jana Hrabetova/Stephen Samudovsky/Oleksandr Choroshko
家族に関するものを集めて壁一面に飾っているジョナサンだが、ウクライナ移民の祖父の物だけは琥珀のペンダントヘッド1つだけ。しかし祖母が亡くなる前に、1枚の写真をコレクションに加えるように渡してくれる。そこの写っているのは、若かりし日の祖父とアウグスチーネという女性。アウグスチーネは祖父の命の恩人であると知ったジョナサンは、祖父の故郷ウクライナへと向かい、彼女を探しながら祖父の人生の片鱗に触れようとする。しかしガイドとして現れたのは、怪しげな英語を話すアレックスと、ユダヤ嫌いのその祖父と、ちょっと凶暴な犬だった。
不思議な雰囲気と、ウクライナの美しい自然が融合した作品。ストーリーはウクライナでのユダヤ人迫害と、それに翻弄された人々の歴史が絡んで、少しばかり重い内容なのだが、コミカルな役者の演技と演出で行き過ぎを回避している。しかし重要な事はしっかりと伝えられており、その辺のバランスが実に上手く取れた作品だったと思う。
コミカルではあるが、過去の傷跡をないがしろにした印象が無いのは、映画の持つ雰囲気が影響していると思われる。都会を離れてしまえば今もまだ打ち捨てられた雰囲気が強い田舎の空気感を、色合いや淡々とした演技と演出として巧みに取り込んでいる。暗いトーンなので、ブラックではない笑いも、なぜかそう感じるマジックだ。
時折織り込まれる回想や少し不思議な映像も、全体としてなんら違和感を感じない。先ず主人公のジョナサンが不可思議な雰囲気なのだが、これはE・ウッドが好演。あの大きな瞳が更に強調される度の強いメガネ。あれは果たして本当に視力が悪いのか?それとも役者魂のなせる業か?まともな視力であのメガネは相当辛いだろうな。
彼の相方となるアレックス役の俳優が良い。キャラクターそのもの!と思える人間性が滲み出つつも、ラストに向けて深い理解を示す演技はかなり好評価だ。
第二次世界大戦におけるユダヤ人迫害の話は無数にあるが、ウクライナが舞台であるものは知らない。(個人的にだが)。そう言った面でも、これまで多く見てきたドイツ、イタリアなど西ヨーロッパとはまた違う一面を、シリアスに見せてくれた作品だ。
複雑な過去を持つアレックスの祖父と、アウグスチーネを知る老婆。この2人がまたすこぶる素晴らしい味わいを映画に与えていると思う。老齢な役者は、その人生の深みを湛えているだけでも名演技が期待できる。更にこの映画では、ちょっとした秀逸な台詞でもって、更なる深みと真理を付け加えていた。
この2人以外でも、全編を通して台詞が重要な意味を持ち、計算された一言が多かった。しかもそれ全てがシンプルで、淡々と語られている辺りが憎い(笑)。
ジョナサンが辿った祖父を知る旅は、ある意味同行したアレックスの過去を知る旅であったのだが、その辺の描き出しはちょっとばかり複雑?いや、シンプル過ぎたのかな?ジョナサンとアレックスは、同じく祖父を通して自らのアイデンティティの奥を見つめるのだが、これに関しては、アレックスの見つけた真実の方が主役を凌いで大きなものだったと思う。知らぬ間に主役が摩り替わってしまったかのような印象だ。
映画の持つ主題のシリアスさを抜きにして、とても面白く良い映画だったと思える。コレクターという特異なクセ?も、冒頭こそ不気味さすら感じるが、実に上手い具合にその理由を結論付けている。『人』を記憶するのには、写真や単純な思い出以外にも、素晴らしい方法がある。思い出の形として人間は誰しも、あれ程極端ではないにしても、ジョナサンのような行動を取っているのではないだろうか?
さて最後になるが、サミー・デイヴィス・Jr・Jrが猛烈に可愛かった♪
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