『コンスエラ 7つの愛の狂気』
ダン・ローズ著/金原 瑞人・野沢 佳織 訳/アンドリュース・プレス
いつの時代かの、どこの国かで、一組の男女が出会い、愛が芽生える。複雑で困難の多い愛、報われず地獄の苦しみのある愛、決して受け止められる事の無い愛。まるで寓話のような語り部で、鋭利な愛の物語が綴られる。
カロリング朝時代/ヴィオロンチェロ/ガラスの眼/マドモアゼル・アルカンシエル/ごみ埋立地/一枚の絵/コンスエラ
気持ちが暗くなるような重い話、ハッピーエンドが無い話、世の中の、とりわけ愛の不条理を描いた、深遠で逃げ場の無い話。宣伝文句で色々あるけれど、それが事実であった試しは余り無い。読後、ふぅ〜ん、まぁこんなもんか?と思うばかり。確かに甘々の恋愛小説とは一風変わった話ではあったけど、結局どこかに救いがあるものだと・・・。
この作品は違った。思いっきりディ〜〜〜〜ップで、ほんの僅かでも救いを見出すことが難しい。人間は、というか少なくとも私は、ハッピーエンドが好きだ、ハッピーエンドじゃない話は、映画でも小説でも極力避ける。だって、せめて虚構の世界であっても、心から満足して幸せな気持ちに浸りたいじゃない!
と言いつつも若干30歳そこそこのイギリス人が書いたこの作品、非常に面白かった。7つの短編は、見事に救いようが無く、心重くなるものばかり。とはいえ、単純に『不幸物語』なのか?と言われると、これは全く違う。『アンハッピー』とは言えないのだ。
世の中に愛の形は様々ある。読者自身が経験した愛の形も、バラエティーに富んだものだろう。そんな愛の姿を極限まで磨き上げ、追求し、必然的に極端で残酷さのある鋭利な瞬間を描いている。恐らく『愛』というものは、順風満帆な状態よりも、終わる瞬間やお互いが傷つけあっているときこそ、物語性が高まるのだろう。傷つけあうのもそれぞれ、知らずして相手を傷つけていたりもするが、愛が高まるこそ傷つける、という事もあるだろう。
とにかく内容は極端な愛の姿なのだが、それぞれに自らが思い当たる節があり、思わず頷かずにいられない。著者の観察眼の鋭さか、自身の愛の経験の豊富さか?
特に突拍子も無い『ガラスの眼』や『コンスエラ』の中に、自身も経験したような、妙に納得できる愛に対する不条理さや追求する気持ちなどが現れていて面白かった。
この作家非常に若いのに、これほど人間を、しかも複雑で深遠な『愛』を深く描くことができるとは!しかも物語りは、単に重厚で小難しいものではなくて、純粋な読みやすさと表面を覆うある種のコミカルさがある。それでいてラストには、ドーン!と重い何かを突きつけてくる。単純な言葉だったり描写だったり、それなりに意味深なものだったり、その形は様々だが。今後が余りにも楽しみな作家に出会えたと嬉しくなった。
いつの時代かの、どこの国かで、一組の男女が出会い、愛が芽生える。複雑で困難の多い愛、報われず地獄の苦しみのある愛、決して受け止められる事の無い愛。まるで寓話のような語り部で、鋭利な愛の物語が綴られる。
カロリング朝時代/ヴィオロンチェロ/ガラスの眼/マドモアゼル・アルカンシエル/ごみ埋立地/一枚の絵/コンスエラ
気持ちが暗くなるような重い話、ハッピーエンドが無い話、世の中の、とりわけ愛の不条理を描いた、深遠で逃げ場の無い話。宣伝文句で色々あるけれど、それが事実であった試しは余り無い。読後、ふぅ〜ん、まぁこんなもんか?と思うばかり。確かに甘々の恋愛小説とは一風変わった話ではあったけど、結局どこかに救いがあるものだと・・・。
この作品は違った。思いっきりディ〜〜〜〜ップで、ほんの僅かでも救いを見出すことが難しい。人間は、というか少なくとも私は、ハッピーエンドが好きだ、ハッピーエンドじゃない話は、映画でも小説でも極力避ける。だって、せめて虚構の世界であっても、心から満足して幸せな気持ちに浸りたいじゃない!
と言いつつも若干30歳そこそこのイギリス人が書いたこの作品、非常に面白かった。7つの短編は、見事に救いようが無く、心重くなるものばかり。とはいえ、単純に『不幸物語』なのか?と言われると、これは全く違う。『アンハッピー』とは言えないのだ。
世の中に愛の形は様々ある。読者自身が経験した愛の形も、バラエティーに富んだものだろう。そんな愛の姿を極限まで磨き上げ、追求し、必然的に極端で残酷さのある鋭利な瞬間を描いている。恐らく『愛』というものは、順風満帆な状態よりも、終わる瞬間やお互いが傷つけあっているときこそ、物語性が高まるのだろう。傷つけあうのもそれぞれ、知らずして相手を傷つけていたりもするが、愛が高まるこそ傷つける、という事もあるだろう。
とにかく内容は極端な愛の姿なのだが、それぞれに自らが思い当たる節があり、思わず頷かずにいられない。著者の観察眼の鋭さか、自身の愛の経験の豊富さか?
特に突拍子も無い『ガラスの眼』や『コンスエラ』の中に、自身も経験したような、妙に納得できる愛に対する不条理さや追求する気持ちなどが現れていて面白かった。
この作家非常に若いのに、これほど人間を、しかも複雑で深遠な『愛』を深く描くことができるとは!しかも物語りは、単に重厚で小難しいものではなくて、純粋な読みやすさと表面を覆うある種のコミカルさがある。それでいてラストには、ドーン!と重い何かを突きつけてくる。単純な言葉だったり描写だったり、それなりに意味深なものだったり、その形は様々だが。今後が余りにも楽しみな作家に出会えたと嬉しくなった。
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