『飛ぶ教室』

エーリッヒ・ケストナー著/山口 四郎 訳/講談社文庫
親に捨てられたジョーニー、奨学金で学校に通う天才肌のマルチン、ボクサーを夢見るマチアス、弱虫なウーリー、孤高を漂わすセバスチャン。高等中学校に通う仲良し5人組みは、クリスマスを前にジョーニーが書いた演劇を練習中。実業学校の連中とのいざこざや、嫌味な上級生との対立。大好きな正義先生と、風変わりな客車に暮らす禁煙さん。クリスマス前の慌しい日々を、暖かい筆致で活動的に描いた、長く愛される児童書の名作。

以前、私の人生に最も影響を与えた作者はエーリッヒ・ケストナーと書いたが、これは事実。そのくせ、児童書の類は『点子ちゃんとアントン』しか呼んだ事は無かった。しかし!この一冊が私の心には今も残り、大きな影響を与え続けているのだ。私がドイツへどぉぉ〜〜っしても行きたいのは、彼の愛した国だから。点子ちゃんが『生きた』国であるからというのは、そう小さい要因ではない。
読んでみるもんだな・・・。どうして今まで読まなかったんだろう?児童書だから、しかも小学生辺りが対象だから・・・ずっとそう思っていた。今更読んでもねぇ?さすがにどうかしら?ねえ?という・・・。
甘かった・・・。どうして今まで読まなかったんだろう?私の中に確実に眠っている子供の部分がガンガンに目覚めた感じ(笑)。子供向け?何を仰る!(言っているのは私だが(笑))この作品の中にも、ケストナーが絶えず滲ませていた精神が脈々と染み込んでいた。『子供だって、ときにはずいぶん悲しく、不幸なことだってあるのだ・・・』そう、そうなんですよ!
ここまで単純で、ここまで正統派な綺麗な物語なのに、ここまで読ませてしまうなんて!さすがケストナー。って、かなり欲目も入っているかしら?
とにかく登場人物の子供たちが『子供らしい』。その目線がときにほのぼのと、ときにシリアスに純粋に描かれる。とはいっても、この子供たちは大体13歳くらい。今時の13歳では、想像もつかない純粋さなのだが、ときに鋭い意見を述べたり、達観した見方をしたりして、大人への成長を覗かせる。
ラスト辺りで感動してチロっと涙が出てきたが、なんだかそれすら、いやに透明感のある綺麗な涙だったように感じた。そしてちょっと茶目っ気を感じるラストでは、心からの、純粋な微笑が自分の中から湧き出てきたような気分。
あ〜〜、やっぱり、ケストナーは最高だ♪

飛ぶ教室 飛ぶ教室
エーリッヒ ケストナー、桜井 誠 他 (2003/12)
講談社
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hiyo

  • Author:hiyo
  • たった二つの趣味、映画と読書を中心に、日記を書いてみたいと思います。
    最近、自分の時間を充実させたいな、と結構真剣に思っていたりして。文章を書くのも結構楽しいし、誰かが通りすがりに読んでくれたら、嬉しいかな、とか思っている。


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