『ワンダーランド駅で』

  • 2007/05/21(月) 22:26:44

ブラッド・アンダースン脚本/竹内 さなみ 編訳/角川文庫
エリンは恋人と別れまた独りぼっち。30歳にもなるのに、永遠の愛は程遠い。運命を信じていないエリンは、偶然の出会いにも興味が無かった。アランは36歳にして一念発起。父親と営んでいた配管工の仕事を辞めて、長年の夢だった海洋学者になるため大学に入りなおした。毎日同じ電車で通勤している彼らだが、夜勤の看護婦をしているエリンと、昼間は学生と水族館のボランティアをしているアランは、どこかですれ違いながら、ハッキリと出会う事は無かった。運命の絆を持つ2人を、静かな流れの中で追う。


ホープ・デイヴィス主演の映画の、ノベライゼーションだった!映画と小説は別なのかと思っていたら、あららやっちゃいましたね、私の一番嫌いなパターン。映画を観る前に、ノベライゼーションを読んじゃうなんて!映画は兼ねてから押さえていたが、先に『原作』を読んでしまうことは良くあるので、、、不覚。
とはいえ、結構良い出来だった。映画の方も評判良いので、これは期待が持てそうだ。出会うべくして出会う男女が、出会う『まで』を描いた作品だが、これ見よがしのもったいぶりなどは無くて、最後には出会う!と解っていながらも、それまでの2人の足跡をゆっくりと楽しむ感じ。映画『めぐりあい』のように、わざとらしいすれ違いなどもなくて、単なる日常を追う。
エリンは運命などを信じていない女性。出会いも設定できるというわけではないが、強引な母親が勝手に乗せた新聞の恋人広告の応募者なぞと会ってみる。しかしこんな強引な出会いが上手く行くはずも無く、しかもこんな強気で虚勢を張っている女性に通用するはずも無い。
捜索するように無理やり作り上げた出会いに、運命的なものは少ない。多くの人がなんとなく経験から知っているようなことなので、共感する人も多いだろう。
ラストはやはり女性好みかな(笑)。やっと巡り会えた運命の人。そこに漂う感情に邪心的なものなど無く、ただ出会えた不思議と歓びが漂う。
これといって大掛かりな設定は無いものの、サラっと読んで割と楽しめるロマンス小説だろう。一応男性が書いている上、基本は脚本なので、まどろっこしいロマンス色が薄くて結構好みな作品だった。

ワンダーランド駅で ワンダーランド駅で
ブラッド アンダースン (1999/10)
角川書店
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