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『カポーティ』
- 2007/05/23(水) 22:54:49
〔米〕CAPOTE (2005年)
監督:ベネット・ミラー
原作:ジェラルド・クラーク
脚本:ダン・ファターマン
フィリップ・シーモア・ホフマン/キャサリン・キーナー/クリフトン・コリンズ・Jr/クリス・クーパー/ブルース・グリーンウッド/ボブ・バラバン/エイミー・ライアン
トルーマン・カポーティの『冷血』、ある殺人事件を取り上げた作品。この作品は、いかにして描かれたのか?実際の犯人との交流、その時期のカポーティの姿を追った伝記ドラマ。1959年に起きた一家惨殺事件。その犯人として捕まったのは、知的な雰囲気を併せ持ったペリー・スミスという男だった。ペリーに興味を抱いたカポーティは、彼にインタビューを申し出る。これまでの作風を一新するような新作を求めて、カポーティはペリーを保護しつつ、事件の真相を探っていく。
果たしてこの話、どこまで真実に基づいているのか?実際のところは全く調べていないので、真偽の程が解らない。カポーティとは、相当に変わったところのある人物だったというのは、小説世界から得た知識。実際には、『ティファニーで朝食を』を映画で観た程度。今回の作品を観て、『冷血』を読んでみたいと思った。
洒落者で会話が上手く、それでいてちょっと変わった所があって、周囲とは違う匂いを発しているカポーティ。まさに天才肌を典型的に現した男だ。この実際の付き合いも難しかったろうと思われる男を、見事に体現した(らしい)のが、アカデミー主演男優賞受賞のF・S・ホフマン。まさに、まさにちゃんと観たんだね委員会!という出来栄え。話し方なんかそっくりだそうだが、実際聞いたことないので良く解らん(笑)。形態模写だけに留まらず、カポーティが感じたこと、ペリーに感じた複雑怪奇な思い、それを一瞬にして表す役へののめり込みよう、いや〜、凄い役者だ、ホフマン。
実に淡々とした展開で、カポーティが何を考えているか掴み辛い。ただ小説を書き上げたいだけを装っているカポーティだが、ペリーに対する複雑な思いを抱えているのが、演技によって静かに伝えられてくるのだ。
殺人犯だから死刑になっても当然!と思えないほどペリーとの仲は深くなっていく。しかし道徳的に見れば、ペリーはやはり凶悪な殺人を犯した男だ。カポーティが同性愛者であったことも、多少の要因はあるのかもしれない。
本を書き上げたい、それはきっと、名を残す大作になるに違いない。本さえかければペリーは必要ないのだ。彼の楽しい人生を脅かす存在になりかねない。それでもやはり、どこか心に引っかかる物がある。人間が人間を裁き、死刑へと追いやる。死を目前とした、他人を殺めた男の姿。感受性の豊かだった作家・カポーティは、果たして何を思ったのだろう。
そうした事は仄めかす程度で、ハッキリと問題定義されているわけではない。観客に『考える』余地を十分すぎるほど与えている。となると、こうした映画は難しいだろうな、やはり。ただ展開を追っていれば、利己主義なカポーティが、殺人犯を利用しただけに写る。それでもって、なんとなく自己憐憫に浸っているように見える。この後、カポーティは一冊の作品も仕上げる事は無かったという。
実際多くの『天才』と言われるアーティストが、人生最高の作品を仕上げた後、その活動を止めている。私の愛するラファエロなんて、筆を折って死んでしまった。とかく天才とは理解し難い。この映画はそうした、『天才』的雰囲気をまとっている。映画そのものが、カポーティに呑み込まれているのだ。
最後に、全然話は違うのだが、この映画の脚本って・・・D・ファターマン!『シューティング・フィッシュ』面白かったなあ♪脚本を書いているのは知っていたが、、、。そうか、こんな大作を。LA批評家協会脚本賞まで獲っちゃって。役者で見たかったなぁ〜。
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ぽすれん『カポーティ』紹介
ジャンル:
- 映画
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