『フーリガン』

  • 2007/08/11(土) 01:16:55

〔米/英〕HOOLIGANS (2005年)
監督:レクシー・アレクサンダー
脚本:ドゥージー・ブリムソン/ジョシュア・シェローヴ/レクシー・アレクサンダー
イライジャ・ウッド/チャーリー・ハナム/クレア・フォーラニ/マーク・ウォーレンス/レオ・グレゴリー/ピーター・ヒアー/ロス・マッコール/レイフ・スポール


マットはルームメイトの政治家の息子に罪を着せられて、ハーバード大学を退学になった。行き場の無くなったマットは、イギリスで結婚して暮らしている姉シャノンを訪ねることに。シャノンの夫スティーブには、フーリガン集団『GSE』のリーダーである弟ピートがいた。暴動を起こすピートが大人しく過ごすように、スティーブは彼にマットの世話を任せる。しかしマットはサッカー観戦に連れて行かれ、帰りには暴動に巻き込まれることに。過激な日常の中に、仲間意識や家族的な繋がりを感じたマットは、スティーブやシャノンの危惧をよそに、ヤンク(アメリカ人の事)としてチームに居場所を見つけていく。

前半・・・というか2/3ぐらいまでは、もう面白くて面白くて。アメリカの製作陣の勢力の方が強いはずだが、作風はしっかりイギリス映画。とかくその訛りを薄めてしまいがちな大方のアメリカ映画に対して、コッテコテのイギリス下町訛り。そこからして面白い。説明的要素は多いものの、イギリス社会におけるフットボール(サッカーって言わないで♪)の重要性、アメリカ人に対する考え、単純な生活習慣を、素のままで表現していく。
それでなくてはいけない重要なポイントは、そうした深層のイギリス社会に、アメリカ人青年が没入していくというところ。そういった面では、マット役のE・ウッドは最適な配役に思える。
私がこの子良いなぁ〜と思うのは、どんな人種にも見えるところ。また見せてしまうところにある。今回彼は生真面目なアメリカ人を巧みに演じて見せ、徐々にイギリスに染まっていく、『アメリカ人』を好演した。
そのおかげで、イギリス映画の中に存在するアメリカ映画という、一種奇妙で面白い現象を実感できて、その雰囲気も十分に楽しめた。イギリス英語に戸惑うマットも、面白おかしく描かれている。
風習や、パブで培われる男臭い友情など文化の違いに伴って、この映画はイギリスの『良い面』、田舎臭いと思われがちだが、都会でも育っていく、幅広く根強い仲間意識などを見せてくれる。
フーリガンに対しての描き出しは、これと併せて『フットボール・ファクトリー』も見ていただきたいと思う。期せずしてかわざとなのか?暴力行為に関して、全く同じ感情的記述を用いてるのだが、2つ観てようやく『ああそうか』と、フーリガンのフットボール絡みの暴力行為に合点が行った。
部外者が『仲間』として受け入れられていく過程、家族とも疎遠で、恐らく頼れる友人もいなかった孤独なマットが、異国イギリスで彼なりの『家族』を手に入れる姿を見ていても、単に暴力集団と一口では言えない、ファームとして、人としての強い絆をもった『仲間』達の存在の大きさや重要性が上手く描かれている。
しかぁ〜し!ラストがいけないよ。ずるいよね、あのラストはずるい。ある意味衝撃的で、記憶に残り、何か深い意義を感じさせるラストではあるのだが、あのやり方は汚いよ。鑑賞中勝手にラストを想像していたのだが、前半の明るい雰囲気から、『青春!』を感じさせる勢いのあるものを想像していた。
全然違うんだもの。ラストとしてはまとまっているし、収集の仕方も上手い。ちょっとばかり、事の重大性から考えて、マットの感情はドライ過ぎる気もするが、良く出来た結末だった。
それだけにずるい・・・。納得だが納得したくないの。だってあのラストじゃ、嫌でも懐にグッと入ってくるもの。ある意味『常套手段』を行使された気分ね。
まぁラストは良くもあり、ずるくもあり・・・だったのだが、役者の良さで帳消し(笑)。主役は前途の通り文句無く、イギリス俳優陣が更に文句なくだ。ピート役のC・ハナム、滅法良い男だ!と思っていたら、過去に2本も出演作を見ていた。しかしイメージが違いすぎて、全く思い出せず(笑)。美男子で良い役者・・・神は二物を与えずって言葉は・・・。ちょっとばかりオーバーに厳つい男を演じすぎていて、時たま笑えるところもあったりしたのだが。
ついでにやっぱり、L・グレゴリーは良いねぇ〜、良いねぇ〜、良いねぇ〜(笑)。本人もこの役を引き受けた理由として語っているが、『影がありクセのある人物だったから』だそうだ。この役者、顔は良いが、こういう難癖のある役柄が良いと思う。しかも巧みに演じるったらないの!良いねぇ〜♪
そんなわけで、後ちょっとでお薦め一覧に入りそうな勢いのこの映画、入らないその決め手は、フーリガンが主題の映画なのに、サッカーの話題や試合風景などが殆ど無かったこと!これ基本、主題、ずれちゃいけません(笑)。

フーリガン フーリガン
イライジャ・ウッド、チャーリー・ハナム 他 (2006/12/08)
メディアファクトリー
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ぽすれん『フーリガン』紹介

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