『パフューム ある人殺しの物語』
〔独・仏・西〕PERFUME: THE STORY OF A MURDERER (2006年)
監督:トム・ティクヴァ
原作:パトリック・ジュースキント
脚本:トム・ティクヴァ/アンドリュー・バーキン/ベルント・アイヒンガー
ベン・ウィショー/ダスティン・ホフマン/アラン・リックマン/レイチェル・ハード=ウッド/アンドレス・エレーラ/サイモン・チャンドラー/ デヴィッド・コールダー/カロリーネ・ヘルフルト
18世紀のパリに生まれたジャン=バティスト・グルヌイユは、産まれたばかりで孤児となり施設に預けられた。あらゆるものの匂いを嗅ぎ取る事ができるグルヌイユはしかし、己の殻に閉じこもりただ匂いに執着する青年に育つ。パリの町中で出合った乙女の芳香が忘れられず、その匂いを留められるよう、香水職人の弟子となる。様々な技量を学んだグルヌイユは、忘れ得ぬ匂いを留めるために、人間を花と同じように香料の元と考えて採取を始める。その方法は・・・?最高の香水を作るために最も重要なのは、町の有力者の娘であるローラだった。とうとう出来上がった史上最高の香水。その罪がもたらした結末、グルヌイユが求めた愛とは?
まずはお見事!小説『香水 ある人殺しの物語』 をこれほどイメージそのままに映像化するとは天晴れなんである。香り立つあらゆるものの匂い、美しくも、醜悪でもある18世紀パリの匂いを、言葉によって巧みに表現したパトリック・ジュースキントの筆致は素晴らしかったが、それだけに、『言葉』で解説できないこの映画において、いかにして目に見えない『匂い』を表現するのか?これはもう見てのお楽しみ、実に上手く表現されていた。
そして、あれほど厚みのある小説を、しかも細部に至るまで削りようのない完成度の高い作品を、これほど上手く147分の作品に収めた脚本の上手さにも脱帽。147分と言えば多少長めだが、その長さを感じさせない作りだった。小説を読んでいなかったとしても立派に繋がるし、読んでいたとしても、不満の残る削除は無かった。
物語の要点はしっかりと守りながら、映画において不要と思える箇所を巧みに削除して描きなおされたこの作品は、要点こそ多少小説とは違って受け止められるかも知れないが、小説において描かれた肝心な部分はちゃんと残されているのが解る。
グルヌイユがなぜ、女性の匂いに執着したのか?とか、そもそもグルヌイユの鼻はなんなのか?とか、グルヌイユというキャラクター設定が多少違っていたが、小説のグルヌイユを表現するのはかなり難しいだろうし、映画としての限界を逆に上手く利用していたと思う。
小説では酷く醜く描かれていたグルヌイユだが、初めてキャストを知った時『なるほど!』と(笑)。そう来たかトム!とね(笑)。役者に特殊メイクを施しても成り立ったのだろうが、あえて普通の役者をそのまま使い、グルヌイユ自体の解釈をちょっと変えてるのね。これは正解だと思われる。特に、私のような変わり者には。B・ウィショーがむちゃくちゃ可愛いじゃないのぉ〜(笑)。あ〜、堪能した♪
しかもB・ウィショーが、本当に不気味で、いや〜、底力のある役者だ。。。。いや?素?なのかしら(笑)。別に変人ではないし、猟奇的な男でもないグルヌイユ、彼の感性は、そして人生に求めるもが一般的では無かったというだけなのだが、その辺の危うさや脆さが巧みに表現されていて、このグルヌイユという男をどこか憎めない存在にしていた。B・ウィショー演じるグルヌイユと共に物語を歩むと、彼の犯した罪が本当に罪なのか?徐々に解らなくなってくるのね。
映画のグルヌイユには小説ほどのあくどさを描く隙間が無かったためか、どこか『無垢』な印象がある。大人としては明らかに欠損がある成熟さではあるが、その無垢さ故か、彼の犯した罪が必然に思えてくるのだ。
あの衝撃のラストもきちんと描かれていて、上手い見せ方だったとは思うのだが、あれで小説を読んでいない人には直ぐに伝わるかな?と。じわじわ来るのかしら・・・、それも恐いけど。
18世紀のフランスをリアルに、だからこそ幻想的に再現した舞台背景も素晴らしく、どっぷりとその作品世界に浸れる事だろう。いや〜、映画館で見たかった。
グルヌイユが生み出した香り、18世紀のパリの匂い、良いも悪いも、果てしない想像を膨らませてくれる作品。一切の匂いを感じられない無機質なテレビから、無数の芳香を解き放ったような錯覚を感じられ、何か芸術作品を堪能した気分になった。
ぽすれん『パフューム ある人殺しの物語』紹介
監督:トム・ティクヴァ
原作:パトリック・ジュースキント
脚本:トム・ティクヴァ/アンドリュー・バーキン/ベルント・アイヒンガー
ベン・ウィショー/ダスティン・ホフマン/アラン・リックマン/レイチェル・ハード=ウッド/アンドレス・エレーラ/サイモン・チャンドラー/ デヴィッド・コールダー/カロリーネ・ヘルフルト
18世紀のパリに生まれたジャン=バティスト・グルヌイユは、産まれたばかりで孤児となり施設に預けられた。あらゆるものの匂いを嗅ぎ取る事ができるグルヌイユはしかし、己の殻に閉じこもりただ匂いに執着する青年に育つ。パリの町中で出合った乙女の芳香が忘れられず、その匂いを留められるよう、香水職人の弟子となる。様々な技量を学んだグルヌイユは、忘れ得ぬ匂いを留めるために、人間を花と同じように香料の元と考えて採取を始める。その方法は・・・?最高の香水を作るために最も重要なのは、町の有力者の娘であるローラだった。とうとう出来上がった史上最高の香水。その罪がもたらした結末、グルヌイユが求めた愛とは?
まずはお見事!小説『香水 ある人殺しの物語』 をこれほどイメージそのままに映像化するとは天晴れなんである。香り立つあらゆるものの匂い、美しくも、醜悪でもある18世紀パリの匂いを、言葉によって巧みに表現したパトリック・ジュースキントの筆致は素晴らしかったが、それだけに、『言葉』で解説できないこの映画において、いかにして目に見えない『匂い』を表現するのか?これはもう見てのお楽しみ、実に上手く表現されていた。
そして、あれほど厚みのある小説を、しかも細部に至るまで削りようのない完成度の高い作品を、これほど上手く147分の作品に収めた脚本の上手さにも脱帽。147分と言えば多少長めだが、その長さを感じさせない作りだった。小説を読んでいなかったとしても立派に繋がるし、読んでいたとしても、不満の残る削除は無かった。
物語の要点はしっかりと守りながら、映画において不要と思える箇所を巧みに削除して描きなおされたこの作品は、要点こそ多少小説とは違って受け止められるかも知れないが、小説において描かれた肝心な部分はちゃんと残されているのが解る。
グルヌイユがなぜ、女性の匂いに執着したのか?とか、そもそもグルヌイユの鼻はなんなのか?とか、グルヌイユというキャラクター設定が多少違っていたが、小説のグルヌイユを表現するのはかなり難しいだろうし、映画としての限界を逆に上手く利用していたと思う。
小説では酷く醜く描かれていたグルヌイユだが、初めてキャストを知った時『なるほど!』と(笑)。そう来たかトム!とね(笑)。役者に特殊メイクを施しても成り立ったのだろうが、あえて普通の役者をそのまま使い、グルヌイユ自体の解釈をちょっと変えてるのね。これは正解だと思われる。特に、私のような変わり者には。B・ウィショーがむちゃくちゃ可愛いじゃないのぉ〜(笑)。あ〜、堪能した♪
しかもB・ウィショーが、本当に不気味で、いや〜、底力のある役者だ。。。。いや?素?なのかしら(笑)。別に変人ではないし、猟奇的な男でもないグルヌイユ、彼の感性は、そして人生に求めるもが一般的では無かったというだけなのだが、その辺の危うさや脆さが巧みに表現されていて、このグルヌイユという男をどこか憎めない存在にしていた。B・ウィショー演じるグルヌイユと共に物語を歩むと、彼の犯した罪が本当に罪なのか?徐々に解らなくなってくるのね。
映画のグルヌイユには小説ほどのあくどさを描く隙間が無かったためか、どこか『無垢』な印象がある。大人としては明らかに欠損がある成熟さではあるが、その無垢さ故か、彼の犯した罪が必然に思えてくるのだ。
あの衝撃のラストもきちんと描かれていて、上手い見せ方だったとは思うのだが、あれで小説を読んでいない人には直ぐに伝わるかな?と。じわじわ来るのかしら・・・、それも恐いけど。
18世紀のフランスをリアルに、だからこそ幻想的に再現した舞台背景も素晴らしく、どっぷりとその作品世界に浸れる事だろう。いや〜、映画館で見たかった。
グルヌイユが生み出した香り、18世紀のパリの匂い、良いも悪いも、果てしない想像を膨らませてくれる作品。一切の匂いを感じられない無機質なテレビから、無数の芳香を解き放ったような錯覚を感じられ、何か芸術作品を堪能した気分になった。
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