2007.12.17 Mon
『神様の食卓』
デイヴィッド・グレゴリー著/西田 美緒子 訳/ランダムハウス講談社文庫
仕事に追われる平凡なサラリーマンニック。仕事は忙しくそれなりの楽しみもあるが、やはり私生活を犠牲にするのはストレスが溜まる。妻との関係も、最近は何となくギクシャクし始めていた。そんなある日、『ナザレのイエス』を名乗る人物から、街一番のイタリアンレストラン『ミラノ』への晩餐の招待状が届く。友人たちのいたずらかと思って出かけたニックを待っていたのは、どこか不思議で、でも暖かい雰囲気を醸す中年の男性だった。そしてその『男』は自らを『イエス』と名乗り、不思議な話を始めるのだった。
う〜ん、どうなんだろうなあ〜、これ?読み始めて暫くは、全く違うテイストの作品を期待していた。のだが、だいぶ違ったみたい。
何しろ、この世の宗教で辻褄が合っていて信頼にたるものは『キリスト教』だけ、しかも信頼できるのは『新約聖書』だけであるというのが土台だ。しかもご丁寧に、イスラム教からヒンドゥー教、仏教までも、堂々と『眉唾』または『理論的に合っていない』と否定してくれる。そのくせキリストの受難に関する話は、歴史はたまに歪んで伝えられるとかなんとか、適当に言っちゃうんだものなぁ。
私はこうした、キリスト教第一主義が苦手だ。それでも他の宗教もある程度容認していれば良いが、他は全部嘘八百的に解釈されていると、さすがにイラっとしてくる。
天地創造したのは紛れも無く『キリスト教の神である』と堂々と言い切るこの作品。キリスト教だけが、信じるものに救済と安らぎを与えられるのだそうだ。他の宗教は強引な言いがかりに他ならなく、日本の悟りの境地などは、単なる拷問に近いのだとか。人間が生きる上での楽しみを全て捨て去って得られる無我の境地に、一体どんな安らぎがあるのか?という事らしい。
こんな『俺様』的作品を書いてしまったのにはれっきとした資格があるこの著者、神学論を専攻して、一時布教活動もしていたそうだ。確かに、キリスト教を信じなさい、キリスト教の神を信じなさい、神の子イエスを敬いなさい、さすればきっと・・・という話の流れには、どこか納得できるような展開も含まれてはいる。
ただそれを、主人公ニックのように『はい、そうですか』と受け入れられてしまうような土台は、無神論者で日本生まれの私には一切ない。どちらかと言えばやはり、その構造も大して知らないくせに、仏教を否定された事のほうにカチン!と来てしまったのだ。
一晩の食事の時間に展開される、これはいわゆる神学問答という奴だ。小難しさは余り無く、解りやすく『この世で唯一無二のキリスト教』の良さを伝授してくれる。それを受け入れるか否かは、読者それぞれに任せられるだろう。
個人的には『良くこんな本日本で出版したな?』という感想ではあるが、後書きには『日本人が無意識に盛大にその誕生日を祝っているキリストについて知る、良い機会ではないだろうか』的な事が書いてあり、それはそれで、上手い締めくくりだなと思った(笑)。
キリストとは人間なのか神なのか?その辺の経緯をお知りになりたい方は、比較的解りやすく説明されているので、一読されると良いかも知れない。
仕事に追われる平凡なサラリーマンニック。仕事は忙しくそれなりの楽しみもあるが、やはり私生活を犠牲にするのはストレスが溜まる。妻との関係も、最近は何となくギクシャクし始めていた。そんなある日、『ナザレのイエス』を名乗る人物から、街一番のイタリアンレストラン『ミラノ』への晩餐の招待状が届く。友人たちのいたずらかと思って出かけたニックを待っていたのは、どこか不思議で、でも暖かい雰囲気を醸す中年の男性だった。そしてその『男』は自らを『イエス』と名乗り、不思議な話を始めるのだった。
う〜ん、どうなんだろうなあ〜、これ?読み始めて暫くは、全く違うテイストの作品を期待していた。のだが、だいぶ違ったみたい。
何しろ、この世の宗教で辻褄が合っていて信頼にたるものは『キリスト教』だけ、しかも信頼できるのは『新約聖書』だけであるというのが土台だ。しかもご丁寧に、イスラム教からヒンドゥー教、仏教までも、堂々と『眉唾』または『理論的に合っていない』と否定してくれる。そのくせキリストの受難に関する話は、歴史はたまに歪んで伝えられるとかなんとか、適当に言っちゃうんだものなぁ。
私はこうした、キリスト教第一主義が苦手だ。それでも他の宗教もある程度容認していれば良いが、他は全部嘘八百的に解釈されていると、さすがにイラっとしてくる。
天地創造したのは紛れも無く『キリスト教の神である』と堂々と言い切るこの作品。キリスト教だけが、信じるものに救済と安らぎを与えられるのだそうだ。他の宗教は強引な言いがかりに他ならなく、日本の悟りの境地などは、単なる拷問に近いのだとか。人間が生きる上での楽しみを全て捨て去って得られる無我の境地に、一体どんな安らぎがあるのか?という事らしい。
こんな『俺様』的作品を書いてしまったのにはれっきとした資格があるこの著者、神学論を専攻して、一時布教活動もしていたそうだ。確かに、キリスト教を信じなさい、キリスト教の神を信じなさい、神の子イエスを敬いなさい、さすればきっと・・・という話の流れには、どこか納得できるような展開も含まれてはいる。
ただそれを、主人公ニックのように『はい、そうですか』と受け入れられてしまうような土台は、無神論者で日本生まれの私には一切ない。どちらかと言えばやはり、その構造も大して知らないくせに、仏教を否定された事のほうにカチン!と来てしまったのだ。
一晩の食事の時間に展開される、これはいわゆる神学問答という奴だ。小難しさは余り無く、解りやすく『この世で唯一無二のキリスト教』の良さを伝授してくれる。それを受け入れるか否かは、読者それぞれに任せられるだろう。
個人的には『良くこんな本日本で出版したな?』という感想ではあるが、後書きには『日本人が無意識に盛大にその誕生日を祝っているキリストについて知る、良い機会ではないだろうか』的な事が書いてあり、それはそれで、上手い締めくくりだなと思った(笑)。
キリストとは人間なのか神なのか?その辺の経緯をお知りになりたい方は、比較的解りやすく説明されているので、一読されると良いかも知れない。
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