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『奇妙な新聞記事』
- 2007/12/22(土) 23:23:24
ロバート・オレン・バトラー著/樋口 真理 訳/扶桑社
まるでタブロイド紙の見出しのような奇妙で興味を惹き付けるタイトル。そこから紡ぎ出される物語は、どれも日常を『少しだけ』逸脱した不可思議なお話ばかり。タイタニック号で出会った男女が辿る数奇な運命。夫の不倫を目撃するために外された義眼。僅か9歳の殺し屋となった少年の物語。キスすると相手が死んでしまうという運命を背負った女性。宇宙人を恋人にした女性の孤独。ジャッキーのオークションに現れたJFK。
「タイタニック号」乗客、ウォーターベッドの下から語る/夫の不倫を目撃した義眼/エルヴィスの刺青をつけて生まれた少年/クッキーコンテスト会場で自分に火をつけた女/オウムになって妻のもとに戻った男/車にひかれて淫乱になった女/九歳の殺し屋/キスで死を呼ぶ女/地球滅亡の日は近い/探しています わたしの宇宙人の恋人/JFK、ジャッキー・オークションにあらわる/「タイタニック号」生還者、バミューダ三角水域で発見さる
タイトルと解説に惹かれて購入してみた。ピューリッツァー賞作家が贈るとかなんとかが気になったが、まぁ、最悪って程でもないだろうと(笑)。
いささか小難しいところはあるが、割と好みな展開の作品ばかりだった。タイトルから解ると思うが、最初と最後の物語は連動している。タイタニック号で知り合った男女、それぞれの側面から描かれているのだが、いささか物悲しいというか、かなりシニカルなラストで締めくくっていると思う。というか、最後を読んだ後に、1話目のラストをもう一度読み返して欲しい。著者のちょっとした悪戯・・・というか手痛い構想に当てられるはずだ。
個人的には、女性の視点から描かれた『夫の不倫を目撃し義眼』が面白かった。物語要素も高いし、展開もドラマティックだ。しかも、恋をして相手の不義を疑った事があるなら誰しも思うような行動を、主人公の女は取る。その結果が如何様であろうとも、読んでいて面白い。
『探しています わたしの宇宙人の恋人』も、女性の視点、しかも寂しい中年女性の視点から描かれた話で、なんと恋人が宇宙人であるというお話だ。淡々とした語り口で物語りは進み、その悲劇的な展開ですら、どこか他人事のように語られる様が面白い。何しろ、寂しい中年の女というのが・・・これまた身につまされるような思いだ(笑)。私も今なら、あんな宇宙人の恋人でも良いと思えてしまった(笑)。
どちらかと言ったらダークな印象の作品ばかりだ。人間の不義や不信感、裏切りなどと言った暗い側面に焦点を当てているので、楽しげな奇想天外物語を期待しているとちょいと辛いと思うが、短編集なので、ちょっとした時間潰しには最適。
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ジャンル:
- 小説・文学
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